ファミリーレストランチェーンのデニーズが江戸川区の店舗で地元産の小松菜を使ったメニューを導入するなど、地域対応型のメニューを用意すると報じられた(2016/5/30日本経済新聞夕刊)。同記事によれば、ハンバーガーチェーンのモスフードサービスも地域限定メニューを販売するという。スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの小売店がイートインのある店舗を増やすなど、外食業界周辺では競争が激しくなっているのだろう。
ポーターの競争戦略論では、産業の競争構造を決定する要因として、
・既存企業との競争関係
・新規参入の容易さ
・代替品の存在
・買い手の交渉力
・売り手の交渉力
の5つが挙げられている。他業種である小売店業界のイートインスペース提供は「代替品の存在」に当たると思われる。
キリンや黄桜などが地域限定ビールを発売する(2016/5/13 日経産業新聞『キリン「再建屋」の秘策――都道府県別ビールで反攻(サーチライト)』、2016/6/5 日本経済新聞 朝刊『東京・京都・大阪、三都の地ビール飲んで、黄桜など酒造3社が発売。』)など、食品関連業界では販売地域の嗜好に対応した地域対応商品の販売が増えている。このような特定の市場に焦点を当てた販売戦略はコストリーダーシップ戦略、差別化戦略、集中化戦略の3つの戦略のうち集中化戦略に当たるだろう。
先のキリンの記事によれば、都道府県別ビールは「製品化には47通りの商品開発や生産、地域を限った流通が必要で、コストや手間は大幅に増す」といい、同じ商品を大量生産・販売を得意とする大企業よりも小回りの利く中小企業にあっていると思う。このような開発や生産も地域の事情に大きく影響される、商品の地域対応化が進めるならば、企業も地域子会社に分割して業務執行の権限を大幅に委譲し、その子会社を持株会社が束ねるという方法があっているのではないだろうか?この消費を深堀する商品開発の流れは企業の形態も変えるように思える。
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