投資家の目線

投資家の目線310(日本の原発は売れるのか?)

 日本の原発は海外で売れるのだろうか?日本が目指していたインフラ輸出は、運営管理を含めたパッケージ型インフラ輸出だった。平時における原発の運営については日本も輸出相手国に対して指導できるだろう。しかし、深刻な事故の時にはどうか?「アメリカかフランスに助けを求めてください」とでも指導するのだろうか?今回の事故対応を見るとそう感じざるを得ない(最終的に撤回したが、平田オリザ内閣官房参与が汚染水の流出は米国の要請であったと発言していたし・・・)。アメリカやフランスは核兵器開発の時に何度も核実験を行ってきた。今回はその差が出ているのかもしれないし、今後その差を核実験で埋めるのは難しいと思う。

 2011/5/9の毎日新聞(毎日jp)に、日米共同でモンゴルに使用済み核燃料を貯蔵・処分する施設を建設する計画が報道された。しかし、相手国が施設建設に反対の政権に交代したときに友好関係は維持できるのだろうか?もし、無政府状態になったとき日米は貯蔵施設を維持できるのか(皮肉なことに、ソマリアの海賊は外国漁船の乱獲や放射性物質を含む廃棄物投棄からの自主防衛組織が元になっているという説がある 参考:2009/6/26 日経BP ECO JAPAN 「地球危機」発 人類の未来 石弘之 「なぜ、ソマリアで海賊が暴れるのか」)。それらのことを考えているのだろうか?
----------------------------------------------------------------------
・原発周辺の住民に対して、政府が長期にわたって健康調査を行うと報道されている(2011/5/18 日本経済新聞夕刊)。原発作業員の白血病対策(造血幹細胞の事前採取)も取られていないようだし(原発作業員の白血病対策 政府要人容認も保安院「必要なし」 2011/5/17 NEWSポストセブン)。放射線被の人体へ及ぼす影響の新たなサンプルにするつもりなのか?

先週、在韓米軍基地に枯葉剤を埋めたことが大韓民国で報道されている。日本では余り報道されていないように見えるが、在日米軍基地問題に波及するのを恐れているのだろうか?

「べトナム戦争後に米国が埋めた枯葉剤で地下水汚染?」2011/5/20 中央日報日本語版

・2012年に米中が人道支援で合同演習を行う(2011/5/19 日本経済新聞夕刊)。米誌「ザ・アトランテック」が、中国の人道支援のために艦艇を派遣すれば、中国のアジア太平洋地域での影響力が高まるのではないかと論評していたが(2011/3/13 Record China 中国の「人道支援」に注意せよ=アジア太平洋地域のパワーバランスに影響も―米誌)、中国の人道支援に対する艦艇派遣が米国政府に問題視される可能性は減少したと言えよう。フォーリン・アフェアーズ日本語版2011年5月号には、こんなタイトルの論文が。

中国の台頭と米中衝突のリスク
― バランスを維持するには
  日韓との同盟関係は 維持し、台湾は手放すべきだ
チャールズ・グレーザー/ジョージ・ワシントン大学教授


 昨年2月号のブルース・ジリー/ポートランド州立大学行政大学院准教授の論文に続いて、中台関係の変化に伴い、米中台関係も変化すべきと考える米国の識者は多くなっているようだ。日本はどう動く?

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「ニュース」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事