投資家の目線

投資家の目線168(ラオックスの株価)

 先週末の8月29日、ラオックスの株価は23円まで下落した。これはマイルストーンターンアラウンドマネジメントに発行した優先株から普通株への転換価格25円を下回る。
 平成19年9月末の発行済株式数(自己株式控除後)6,790万株に増資発表前の最安値39円をかけると株式時価総額は26.5億円になる。そのときの負債はわからないので、平成19年第三四半期の有利子負債15億円で増資発表前の企業価値(=株式時価総額+有利子負債)を推計すると41.5億円になる。
一方、平成20年6月末の発行済株式数(自己株式控除後)6,009万株に先週末の株価23円をかけると株式時価総額は13.8億円になる。同様に平成20年第一四半期の有利子負債23億円で先週末の企業価値を推計すると36.8億円になる。また、今年4月に5億円の自社株買いを行っているため、それを調整すると増資分を除いた市場の評価する企業価値は41.8億円と増資前最安値で計算した企業価値と3,000万円しか変わらないと言えよう。また以前記述したとおり、増資発表前に株価は大きく下落しているので、それを考えると増資分を除いた企業価値はむしろ下がっているのではないだろうか?

       発行済株式数 株価  時価総額  有利子負債  企業価値    企業価値
     (自己株式控除後)                               (自社株買調整後)
増資発表前  67,902,797 39 2,648,209,083 1,500,000,000 4,148,209,083    
08/8/29現在 60,085,628 23 1,381,969,444 2,300,000,000 3,681,969,444 4,182,001,444

 先月末で子会社の庄子デンキが全店閉店した。報道されている計画によれば今上期で直営の不採算店をあと2店閉店するはずである。秋葉原ではソフマップやヨドバシカメラも外国人観光客向けに海外仕様の家電販売などに力を入れるようだ。新三郷などの新しいショッピングモールには、別の家電量販店が入るようだ。ラオックスが不採算店舗を閉鎖している間に、同業他社は業務や市場の範囲を広げている。ついでに言うと、ラオックスの本店はカタカナのヒの字(間には石丸電気の店舗が入るビルがある)のような形で使い勝手がよいようには見えない。
 マイルストーンターンアラウンドマネジメントは日本政策投資銀行も出資するファンドとのことなので金融面でのアドバンテージはあろう。ただ本間ゴルフの再生を果たしたとはいえ、事業の再生にはどれほどの力を発揮するのだろうか?
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・先週、太田農相の事務所費問題が取りざたされた。また農相か・・・。その事務所は池田信夫氏が借りている家の隣であるとブログに書いていた。人の口に戸は立てられない、しかも、ブログだとこんなに広範囲に行き渡る。
・新銀行東京の融資に絡み、都議に口利きを依頼するブローカーの存在が報道されていた。来夏には都議選がある。そのときまで覚えておこう。
新銀行東京、融資にブローカー暗躍…都議に口利き依頼も 2008/8/31 読売新聞電子版
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