投資家の目線

投資家の目線436(連邦準備銀行を廃止せよ)

 中尾ADB総裁が、「日本や中国は貿易や投資で可能な限り円や人民元を使うべきだ」と発言していた(13/10/19日本経済新聞朝刊「アジア開発銀行総裁中尾武彦氏――米は責任ある対応を(Voice)」)。


 以下のブログによれば、昨年の大統領選挙の共和党予備選で戦ったロン・ポール氏は、ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン氏との論戦で、「私はただ、通貨の競争を合法化したいだけなのです。独占を廃止すべきなのです。」(「ロン・ポールの連邦準備銀行を廃止せよ」)と発言している。

「ロン・ポールの連邦準備銀行を廃止せよ!!:銀河系宇宙人のブログ」
http://ginga-uchuu.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-0666.html


 これは米国内での通貨の流通の話だが、国際的に決済通貨が多様化すれば、米ドルの基軸通貨としての地位は弱まるだろう。そうすれば、米国連邦政府も国債による資金調達が難しくなり、小さな政府にならざるを得ない。米国連邦政府の債務危機への懸念によって米ドルへの不信感が出てくることは、小さな政府を目指す「茶会党(ティー・パーティー)」にとって不都合なことではない。


 13/10/23のIWJのインタビューで、モントリオール大学のヤコブ・M・ラブキン教授が旧約聖書に出てくる「バベルの塔」の話について、

30) ラブキン氏「『バベルの塔』の話だが、神が人間の傲慢を罰するため、人間を散り散りにし、異なる言語を持たせた。一般的には懲罰だと解釈されるが、『祝福』だという解釈もある」

31) ラブキン氏「神がなそうとしたのはそのこと。異なるものを沢山作ることで、均衡を保つ。それによって平和が保たれることもある。しかし、今日の世界は、均衡が失われている」続)

32)(続 ラブキン氏「ヨーロッパ的な平和の概念は、『パックス・アメリカーナ』という言葉に表れるように、一国の力で抑え込むことにより作り出すという考え方。それが内在的にいかに危険かということだ」
          
                          IWJ実況ch1 のツィート

と語っている。基軸通貨も多様化すれば、均衡によって安定が保たれるかもしれない(安倍首相の言う一極の力に頼る「積極的平和主義」へのアンチテーゼにもなる)。



 ちなみに、南部バプテスト連盟の新指導者は『「私たちはまず米国人であるわけではないことを覚えておかなければならない。私たちは別の王国に属している」と語った』という(2013/10/23 WSJ日本版「米最大の福音派新リーダー、政治や文化戦争からの後退を説教」)。これは国民国家としてのアメリカ合衆国への決別ではないか?同国も統一を維持するのが大変になってきているようだ。


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・元フィリピン大統領の、エストラーダ現マニラ市長が「実際のところ、フィリピン人の半数には中国人の血が入っている。我々は血を分けた兄弟だ。素晴らしい隣国としての中国に私は敬意を払っている。歴史上、中国は他国を侵略したことがないからだ」と発言している(2013/10/19 Record China「フィリピン人の半数には中国人の血、元大統領が友好強調―香港メディア」)。『グロリア・アロヨ大統領(当時)は、「中国という兄貴がいるわれわれは幸せです」と公の場で語っている』(ファリード・ザカリア著「アメリカ後の世界」)。フィリピンはアキノ大統領のような対中強硬派一辺唐ナはないようだ。



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