投資家の目線

投資家の目線11(東京の不動産)

 お盆休みに近かったせいもあるのかもしれないが、最近都心のオフィスに配達される日経新聞からマンションの折込み広告が減ってきたように見える。これから都内で大規模な新規マンションの供給は減少していくのであろうか?そうではないと思われる。現在都心の主な再開発(建設、将来予定を含む)は、マンション建設に限らず思いつくだけでも次のようなものがある。
千代田区
 新丸ビル、三菱商事ビル、みずほ銀行(旧富士銀行)ビル、大手町合同庁舎跡地、古河ビルなど丸の内は順次ビルの建替えが進んでいく。八重洲側では日本橋口、八重洲口、信金中金・三井住友海上ビルが建設、建替え中である。銀座・有楽町では日比谷パークビル、東宝本社ビル、三信ビルに加えて歌舞伎座等の建替え話がある。霞ヶ関では文部科学省のビルが建設中で、九段下では旧日債銀ビル跡地が建替え中、国会議事堂付近のキャピタル東急ホテルも建替えが決まった。2006年3月には秋葉原近くの交通博物館が移転するがその跡地はどうするのであろうか。
港区
 赤坂TBS・薬研坂再開発(コロンビアミュージックエンターテインメント本社は6月に移転)や六本木の東京ミッドタウン、青山でも再開発が進行中だし、田町では沖電気工場跡地のほかに東京ガスの中央研究所が再開発される。2010年以降には田町電車区の一部が再開発する予定である。
中央区
 晴海
江東区
 豊洲はほとんど一旦更地になったようなもので、日新製糖、巴コーポレーション跡地にマンションや店舗ができたほか、石川島播磨の工場や体育館跡地が再開発されるようである。鉄鋼埠頭側はほとんど更地のようなものである。ほかにもJR小名木川貨物駅跡地が再開発される。
品川区
 大崎明電舎本社工場跡地
豊島区
 東池袋4丁目再開発
墨田区
 押上・業平橋、曳舟地区
足立区
 西新井の日清紡、東武鉄道工場跡地
葛飾区
 金町駅前、三菱製紙工場跡地
荒川区の日暮里駅前、江戸川区の小岩駅前でも再開発が進行中である。ほかにも千葉、埼玉、神奈川の案件を挙げればきりがない。
 三友システムアプレイザルの井上明義氏がその著「土地の値段はこうして決まる」(2005年朝日選書)の中で「日本の地価はまだ半分に下がる」と記しているが、これだけ再開発が多ければそれもいた仕方がないだろう。

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