投資家の目線

投資家の目線350(反プーチンデモ)

 ロシアで反プーチンデモが盛んになっている(プーチン支持派のデモもある)。プーチン首相に対してはゴルバチョフ元ソ連大統領も批判を行っていた。

ゴルバチョフ氏が痛烈批判、プーチン首相に「力も意志もない」 2012/2/10 ロイター

 プーチン首相はルーブルの基軸通貨化やユーラシア共同体を提唱している。エマニュエル・トッド氏は、ウクライナがロシアへの再接近は確実と予想していたが(ただし、モスクワに完全に掌握されることはありえないともしている 参考文献「帝国以後」石崎晴巳訳 藤原書店)、その方向に向かっているように思う。中国の元の国際化の問題といい、外貨資産は米ドルだけに頼らないほうがよい時代になりそうだ。

 日本企業はロシア事業に力を入れてきている。トヨタはサンクトペテルブルクで生産工程の拡充を発表しているし、三菱自動車は販売の拡大を図っている(2012/2/17 日経産業新聞)。クレーンのタダノはOEM供給を計画している(2012/2/24 日本経済新聞 地方経済面 四国)。JTはロシア事業が成長している(2012/2/18 日本経済新聞朝刊)。東北が地盤のセンコン物流は、ロシア極東部との貿易拡大を狙っている(2012/2/7 日本経済新聞 地方経済面 東北)。ビザの取得も簡素化される見通しだし、北海道・東北だけでなく、日本海側の県にとって対岸であるロシアとの貿易は地域振興に有益だ。

 サハリンやオホーツク海にはガス田開発の話がある。ロシアからエネルギーが調達できれば、アメリカ合衆国の中東政策(対イスラエル政策)に引きずられることもなくなる。かつて重光葵外相が2島返還でソビエト連邦との領土問題を解決しようとしたとき、ジョン・フォスター・ダレス氏は沖縄を返還しないといって邪魔をした(参考文献「CIAと戦後日本 保守合同・北方領土・再軍備」有馬哲夫著 平凡社新書)。日本に交渉の自由度がないのならば、領土問題にこだわらずに実利をとっていったほうが現実的と思うが・・・。ロシアの政治的弱体化は日本の利益にかなうのだろうか?


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・2月19日、杉並の脱原発パレード約5,000人(2012/2/20 しんぶん赤旗)。前週もパレードがあったばかりなのに、結構多い。
 名古屋港で、業界の設定した基準を超える放射性物質で汚染された中古車が500台を超え、荷主に返されたという(2012/2/26 日本経済新聞 名古屋朝刊)。中古車貿易にも原発事故の影響が出ている。

・EUとFTAが結ばれても、高級品は価格が下がっておらず、業者の利益になっていると推測されている(2012/2/20 朝鮮日報)。自由貿易が消費者の利益にならないのならば、市民から支持は得られまい。

・前原民主党政調会長が産経新聞に「言うだけ番長」と書かれ、同紙記者の会見への参加を拒んでいるという。前原氏はリチャード・L・アーミテージ氏の覚えがめでたい人というイメージがあるが・・・。前原氏が失望されているのか、それとも産経新聞の対米スタンスが変わったのか・・・。

・IAEAがイランのウラン濃縮活動の『軍事的利用の疑惑について「重大な懸念」を表明した』という(2012/2/25 東京新聞夕刊)。しかし、事務局長の天野之弥氏は重要な決定で常に米国側に立つことをウィキリークスで暴露された人物であることを忘れてはいけない。
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