日米が共同で原発への真水注入作戦を始めた。米国も日本に放射性物質を撒き散らされてはかなわないと考えたのだろう。米軍の機器を借りながらも日本人は危険な場所でがんばり、日本の安全は日本人で守る意思は示した。しかし、日本には原発のこのような重大事故に対応する能力はなかったようだ。他の原発すべてを急に止めるわけにはいかないので、今回は米軍のノウハウを学ぶ必要がある。
ここに、孫崎享元外務省国際情報局長の星条旗新聞の内容に触れたツィートを引用する。
引用開始
2011/3/16 のツィート
原子力:米軍動向:15日星条旗新聞、厚木、タウンホール集会での大佐説明1:避難命令は現実にはないと思う2;ある時は国務省より。3:その際は病人、非戦闘員の順。4:屋外での活動控えるようにという勧告は依然有効
posted at 12:45:34
2011/3/17 のツィート
米軍家族避難:17日星条旗新聞:東京地域の海軍基地は木曜日にも家族の自主的避難を開始する。バスで厚木基地及び成田に向かいここから韓国へ。避難は放射線への懸念の中実施。海軍は一日1万人輸送可能。追加確保できれば1万8千人可能。避難は本日オバマ大統領の承認得る。海軍極東施設司令官は
posted at 17:40:07
米軍家族避難2:この措置は賢明な先取り措置とeメールで説明。木曜日米軍学校生徒は解放される。空母ジョージワシントンのヘリコプターは三沢に移されている。
posted at 17:46:34
2011/3/20 のツィート
米軍、星条旗新聞(1)米軍家族の自主避難第一便で233名出発(2)避難希望者は総計7900名(3)電源炉の一部に接続されたが依然炉のメルトダウンの可能性存在、その際には(東京)地域に危険な放射線拡散(4)避難で、福島で醸成されつつある危機の南側にある大東京地域を優先。三沢は後
posted at 17:57:59
2011/3/27 のツィート
米軍動向:依然、避難が主要現象:25日星条旗新聞、自主避難は約1万名、半分実施。横須賀海軍基地極めて静か。軍艦多く横須賀外へ。4500の家族避難予定。厚木から2千名、横田から6百名、座間から三百名、土までに出発。米軍関連の多くの行事中止。米軍学校の欠席率は今、32-36%。
posted at 09:12:45
引用終了
これを見ると、米国は早い時期から原発事故に対して憂慮し、かなり計画的に避難を行っていることがわかる。空母搭載のヘリコプターを青森の三沢基地に移したこと、避難は三沢基地が後回しであることを考えると、福島以北に比べて以南の方の危険性をより深刻に考えていると見られる。空母ジョージワシントンは放射能を避けるため(ただし、米海軍作戦部長のラフェッド大将は「健康上の観点では有害ではないものの、原子力空母で微量でも放射性物質の残留が判明すれば、船上で発生した放射能漏れの兆候と誤解され、検証や除去の作業が必要になる恐れがあるためだと指摘」 2011/3/24 Bloomberg)定期メンテナンス途中で横須賀を離れた。三沢の避難も排除していないところを見ると、菅首相の「東日本がつぶれることも想定」というのもありうるシナリオと考えられる。
22日のコロンビア大学の討論会では、ジェラルド・カーティス教授が『政府は過去に例がないほど正直かつオープンで、事故直後の混乱は「古い体質の東京電力」に責任があると分析した』(日本、新たな3つの不安(ウォール街ラウンドアップ)2011/03/24 日本経済新聞 夕刊)ので、政府の対応は評価しているようだ。マスコミにとって電力会社は大きな広告主だが、今後は論調が変わってくるのではないだろうか。
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・中国にとって尖閣諸島問題の優先順位は低いのではないだろうか。10万人以上の自衛隊員が災害派遣されている現在であれば尖閣諸島を軍事占領しやすいはずだが、そうはなっていない。原発事故の影響が世界的に懸念されている中、冷却作業に支障をきたし自国の評判を落とすような行動は、今の中国政府は好ましくないと思っているのではないだろうか。尖閣付近での漁船衝突問題がクローズアップされていた昨年9月22日のNYTのWong記事は、中国と近隣国との緊張はこれらの諸国をオバマ政権に引き寄せていると伝えていたという(孫崎享氏2010/9/25のツィート)
また、リビア空爆に関連してオバマ大統領が議会から批判を浴びている。合衆国憲法では戦争を宣言する権限があるのは議会となっているが、今回は議会の承認を受けていないためである(2011/3/25 日本経済新聞朝刊)。日米安保があるからといって、議会の承認が必要な米軍の参戦は簡単なことではなさそうだ。
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