投資家の目線

投資家の目線62(会計処理の変更と利益)

 日本航空は国際線運行子会社の航空機部品の減価償却方法を、2007年3月期より定率法から定額法に変更した。10月1日に定額法を採用している日本航空ジャパンとの合併に向けて償却方法の統一を図るためとされている(日本経済新聞朝刊8月9日)。合理的な理由があれば会計処理の方法を変更することは許されるが、この会計処理の変更で約3億円損益が改善されるという。通常、定率法より定額法を用いたほうが目先の減価償却費負担は軽くなり、その分損失は減少する。同社は昨年度472億円の連結最終赤字を記録した。燃料高が続く中、今年度は30億円の最終黒字(経常利益5億円)を見込んでおり、この会計処理方法の変更による見かけの経費削減効果は侮れないと思われる。
 2000年に販売用不動産の評価減が義務付けられたが、そのとき販売目的のマンションを賃貸用に変更して固定資産とし、評価減を回避する企業が見られた。このような会計操作で大幅赤字を回避した企業もあったはずである。また、かつてダイエーの決算対策用の不透明なリベートも問題とされた。
 9月にはライブドア社元社長堀江被告の公判が始まる。子会社化が予定されていた企業との取引については、宮内被告等も不適正な会計処理だったと認めているようであるが、どの程度までが違法と判断されるのだろうか?子会社化により、翌期初の連結貸借対照表は当該取引がなかった場合と同じになるはずである。
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