投資家の目線

投資家の目線79(MBOと相続問題)

 最近、日本企業でもMBOが行われるようになった。あるファミリーレストランチェーンのMBOでは、ここ数年でリストラクチャリングを行い、短期的利益が圧迫されるためなどの理由がうたわれていた。
 かつてダイエー創業者の中内ファミリーの相続において、ダイエーホークス同球団は1株1円で次男に譲渡されたそうである。そこまで極端でなくとも、そのファミリーレストランチェーンのMBOに関して、集中的に行われるリストラクチャリングで数年間赤字が続けば、財務諸表から類似業種比較などで導かれる同企業の株式価値は減少し、相続税あるいは贈与税が少なくてすむのではないだろうか?そうすれば相続税等をあまり支払わずに創業一族は次世代に企業を相続することができるように思われるのだが・・・。
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 日本経済新聞(06/12/16朝刊)で、日興コーディアルグループの2005年3月期決算に不適切な会計処理があったとして、証券取引等監視委員会が調査中であると報じている。ライブドア事件とのバランスを考えれば、このような調査が行われるのは当然であろう。不公平感の出ない当局や証券取引所の対応が望まれる。
 そういえば、今回問題になっている日興プリンシパル・インベストメントはライブドアとフジテレビの和解をお膳立てしたり、TBSの敵対的買収防衛策で提携したりしていた。今回の件、テレビ局はどう報道する?
 朝日新聞(06/12/17朝刊一面)で、ミサワホーム九州の不適切な会計処理問題(売上の期ずれ)が大きく報道された。同じ産業再生機構案件である大手スーパーダイエーのリベートの前借(日経流通新聞06/12/4激動ダイエー1年半を語る(上)産業再生機構社長斉藤惇氏の記事より)問題についても再検証する必要があるのではないだろうか?
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