投資家の目線

投資家の目線323(民主党代表選)

 今月中に、民主党の代表選が行われる模様だ。

 現財務大臣の野田氏は増税を主張している。かつて、米国のジャパンロビーなどは「アメリカの国益は、日本の中央集権的な経済体系を維持できるかどうかにかかっている」(「東京アンダーワールド」ロバート・ホワイティング著 松井みどり訳 角川書店)と考えていたようだ。中央集権を維持するために、霞ヶ関の役人(&米国も?)にとって増税は利益になりそうだが、一般国民にはどうか?少なくとも民主党の提案した地域主権とは合わない考え方だ。

 また、出馬を逡巡している前原前外務大臣は、リチャード・L・アーミテージ氏の覚えはめでたいようだが、それ以外に評価のしようがない。小沢一郎氏の国連を介する考え方は、ブッシュ前米国大統領の「有志連合」の考え方には合わない。それが、アーミテージ氏が小沢氏を反米と考える(1)理由だと思う(沖縄暴言疑惑のケビン・メア氏も同じ立場のように見える)。

 7月29日7月30日の朝鮮日報日本語版によれば、7月末の米朝協議のとき米国代表団の補佐官の一人は「チャールズ・カプチャン氏の著書を手に会場入りする姿も見られた」という。カプチャン氏は元アメリカ国家安全保障会議欧州部長で、プリンストン大学のアイケンベリー教授と昨年1月にNYT紙に「新しい日本、新しいアジア」という論文を発表し、「自立した自己主張をする日本の方が、ワシントンの言うことに従う日本よりも、東アジアに貢献することが期待できる」(「日本人のための戦略的思考入門」 祥伝社新書 孫崎享著)とした方である(「アメリカ時代の終わり」という著書も執筆している)。先の例を見ると、現在の米国外交の主流はカプチャン氏の考え方のようだ。今、アーミテージ氏寄りの首相が誕生しても、米国外交との摩擦は避けられないと思う。


 TPPも問題だが、「異常な契約 TPPの仮面を剥ぐ」(ジェーン・ケルシー編著 )を読んだばかりなので、それについては咀嚼してから書きたいと思う。


(参考文献:1.「日米同盟VS中国・北朝鮮」 文春新書 リチャード・L・アーミテージ、ジョセフ・S・ナイJr、春原剛)
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・18日のサーチナは『米紙「ニューヨーク・タイムズ」は16日、「メード・イン・チャイナ」のラベルのついた多くの商品が実は米国企業のもので、生産地は中国だが、利益は米国に流れていることがわかったと伝えた』と報道している。米政府の人民元切り上げ要請も沈静化するのではないだろうか?


・泊原発が再稼動した。一般企業が原発事故を警戒する以上、周辺地域に投資が進まず、結局は「ババ」を引いただけになると思うが。
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