今日はコンクリートのヒビについてです。
セメントコンクリートは、砂や砂利などの骨材をセメント、水をノリ状にして結合します。一般的にセメント部分を省略してコンクリートと呼ばれます。他にセメントの代わりにアスファルトを用いるとアスファルトコンクリート、レジンを用いたレジンコンクリートなどがあります。
コンクリートのヒビについては原因が多岐にわたります。ヒビ割れを完全に防止するのは非常に難しいのです。
ここでは私たちがよく見かける乾燥収縮が原因と思われるヒビについて書きます。
先に書いたように、コンクリートはセメントと水が化学反応を起こして、砂と砂利をくっつけます。
まず材料をよく混ぜ、型枠に流し込みます。
やがて水とセメントが反応し硬化しながら水が蒸発します。
水が蒸発すると、コンクリートが収縮し、歪みが生じてひび割れができます。
だから一般的には、水の多いやわらかいコンクリートは収縮ひび割れが起きやすく、水の少ない硬いコンクリートは収縮ひび割れが起きにくいようです。
あいにく、住宅などの建築工事は、壁の薄い部分や細かい部分や複雑な部分にもコンクリートを行き渡らせなければいけないので、比較的柔らかいコンクリートを使用します。 (土木工事(ダムや橋桁など)では硬いコンクリートが使用されます)
混ぜたコンクリートは、急激な乾燥を避けるためにも、強度が出るまで、そっとしておかなくてはなりません。これを養生と言います。
工事現場などで基礎工事中にブルーシートで覆われているのを見かけたことはありませんか? コンクリート強度が出るまで養生しているのかもしれません。
コンクリートの養生の目的は
・コンクリートを練ってから硬化するまで適当な温度と湿気(水分)で、硬化力を発揮できるようにする。
・コンクリートの強度がでるまで過度の衝撃や荷重を与えないようにする。
・風雨、霜、日光などから守る。 などです。
方法には幾つかありますが、シートなどで覆うことも養生方法の一つです。
このほか構造的な欠陥のあるヒビなど、見過ごしてはならないひび割れもありますが、多くの良心的建築においては、
◆構造計算によって安全性を確認された強度を基に、※
◆適切に配合されたコンクリートが打設され、
◆打設されたコンクリートが適切に養生されて、
◆打設されたコンクリートが強度検査によって安全強度が得られたことを、
◆設計監理※や施工管理者によって目配りされています。
※ コンクリートの 強度は 設計監理者による「設計図書」にしたがって、 施工者がコンクリート工場へ発注する時に指定します。
コンクリートについては専門的な数値や用語などが多く難しいです。 鉄筋コンクリートのヒビには鉄筋のかぶり厚さも関係することがあります。
ご心配なかたは信頼のおける技術者や建築士を行政機関など通じて紹介を受けて、ご相談されることをお勧めします。
コンクリートのヒビ 2 鉄筋コンクリートの場合 に続きます。