秋が深まり、奈良国立博物館の正倉院展が終わりました。
今回も盛況で入場者数は過去最高、24万人以上と報道されていました。
私は今回も残念ながら・・・
ところで正倉院といえば校倉(あぜくら)造りですねえ~!
そう習ったのは小学生だったか中学生のときだったか?
総ヒノキ、寄棟造り。
三倉に分かれ、北倉と南倉は三角形の校木(あぜき)を組んだ校倉造り。
中倉は厚板を組んだ板倉造りから成ります。
科学的調査により、校倉造りでも他の木造建物でもその温湿度差に大差がないことが判明したとのことです。(YOMIURI ONLINEによる)
今回は建物の構造形式について材料別に整理しました。
建物の骨組みのことを構造と言います。
住宅やマンションなどの建築物で代表的な構造を材料で分けると、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造などが一般的です。
建築の規模や用途や場所、地盤強度、費用対効果など総合的に判断してどんな構造にするかを決めます。
耐震強度や耐用年数、建築費などを単純に比較することは難しいですが、建築費は概ね、木造<鉄骨造<鉄筋コンクリート造となります。
主な構造形式(建物の重さや地震の力などを伝える方法)の特徴を材料別に分けると・・・
■木造
土台、柱、梁、桁などを木材で作る建築物。
他の構造と比べると建物の重量が軽い。そして単価が安い。
金物や筋交いや合板等によって適切な補強をすれば耐震性もある。
建築規模に制限がありますが、集成材を用いて大規模な建物も作られています。
◆軸組構造(在来工法)
日本の伝統的な工法です。
柱・梁などを用いて組み立てる。
地震などの横からの力には筋違いを入れた壁(耐力壁)で抵抗します。
壁を主体にする構法に比べると間取りや、窓・出入口を採りやすい。
増改築など対応しやすい。
◆ツーバイフォー(枠組壁工法)
北米やカナダで行われている工法。
バルーン工法、プラットフォーム工法などとも呼ばれる。
2インチ×4インチの材を用いた枠組みに合板を打ち付け床や壁を作る。
在来工法に比べて作業が容易で工期が短縮できるといわれている。
■鉄骨造(S造)
柔軟性と粘りがあり、地震に強いといわれている。
不燃材(但し、500度以上で強度は半減する)
強度があるので広い空間を作れる。
ラーメン構造、ブレース構造、トラス構造など。
◆ラーメン構造
柱と梁の接合部は固定している。
間仕切り壁や開口部を設けやすい。
◆ブレース構造
柱と梁の接合部を固定してしまわずに、筋交(ブレース)などで横からの力に耐える。
■鉄筋コンクリート造(RC造)
鉄筋は引張る力に強く、粘りがある。
コンクリートは圧縮力に強い。
両方の特徴を生かして組み合わせた構造です。
コンクリート(アルカリ性)が鉄筋が錆びるのを防ぐので建物の寿命が長いと言われている。
木造に比べてかなり強固で地震の揺れにも強い。
重量が重いことは長所であり、短所です。
(遮音性、熱容量(熱をためる能力)が大きい)
技術の進歩により30階建て以上の高層建築にも用いられています。
◆ラーメン構造
柱と梁を一体と考え、地震力を処理する。
鉄筋コンクリートと言えばラーメン構造を指すほど一般的。
◆壁式構造
柱梁などの変わりに、壁で構造体を支える。団地などでよく用いられる。
■鉄骨鉄筋コンクリート構造(SRC造)
鉄骨で柱や梁等の骨組を組み、その周りに鉄筋を配筋してコンクリートを打ち込む構造。
超高層建築に用いられることがあります。
鉄筋コンクリート構造と鉄骨構造の長所を兼ね備えていると言われていますが、疑問の声もあります。
おまけ
■木造建築
◆組積造
柱と梁で屋根を支える「架構式構造」に対して、建材を積み上げて壁面をつくり、屋根、天井などを支える構造を指します。ログハウス(丸太小屋)や校倉造 (あぜくらつくり)は木材の組積造です。
◆ドーム構造
出雲ドーム 木造ドームとしては世界最高の高さ。集成材によるドーム。
◆アーチ構造
橋ですが、錦帯橋が有名です。