10月13日の礼拝の内容です。讃美歌は、83.57.405.471.26です。
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10月13日の特別講演会「パレスチナとイスラエルの平和」桃井和馬氏
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礼拝説教 使徒12:12~19「戸をたたき続けて」 2024.10.13
今日の午後に、教会創立136周年記念講演会を予定しています。この礼拝の中に講師である桃井和馬先生も一緒におられます。主題は「パレスチナとイスラエルの平和」です。詳細は、午後になりますが、私たちが本当のその通りになって欲しいという内容です。パレスチナとイスラエルは今、まさに戦争状態にあります。長く、この争いは続いています。本格的な平和が訪れて欲しいと心から神に祈るのです。神への祈り、神への祈ることの大切さが、今日の説教のテーマになります。私たちが語る神への祈り、そして神からの応答、それをどのように受け止めていくことができるのでしょうか。
使徒言行録に入っていきます。使徒言行録は、最初のキリスト教の教会の歩みが書かれてあります。神からの聖霊を受けたイエス様の弟子たちは、使徒として歩んでいきます。聖霊を受けたことによって、イエス・キリストの十字架の意味、私たちに対する救いの意味を知ることができました。そして、このイエス・キリストの十字架の福音を伝えていくのです。ユダヤ人の反対にあいながらも、伝道活動は広がって行きます。イエス・キリストの十字架の福音はエルサレムから始まり、ユダヤ、サマリア、アジアに広がっていきます。アンティオキアにおいて、初めての異邦人教会が誕生しました。これからパウロによる異邦人伝道が本格的に始まっていきます。その前に、当時の支配者であるヘロデ王に迫害のことが起って行きます。ヘロデ王は、自分の王としての権威を保つために、ユダヤ人からの指示を得るために、教会を迫害していくのです。ここでは、ペトロが捕らえられていきます。
それは、除酵祭の時でした。ヘロデ王はペトロを捕らえて牢に入れ、4人一組に引き渡して監視させました。過越し祭の後で、民衆の前に引き出すつもりでした。こうしてペトロは牢に入れられてしまったのです。ここで教会はペトロのために熱心な祈りが神にささげられていました。この教会の祈りが大切なものとなっていきます。教会の熱心な神への祈りが、神に聞かれていきます。ヘロデ王は次の日に、ペトロを牢から引き出そうとしていた前夜、ペトロは2本の鎖につながれ、2人の兵士の間で眠っていました。番兵たちは戸口で牢を見張っていました。本当に厳重な警備がなされていたのです。そして、神は天使を送って動かれます。主の天使は側に立って、光が牢の中を照らし、ペトロを起し、ペトロのつながっていた鎖は外れ落ち、天使の導きによって、ペトロは帯を締め、上着を着て、外に出て行きます。第1、第2の衛兵所を過ぎ、町に通じる鉄の門の所まで来ると、門はひとりでに開いて、そこを出て、ある通りに進んで行きます。すると、天使は離れ去って、ペトロは我に返って、自分が牢から解放されたことを知るのです。
牢を出たペトロは神から送られた天使が、自分をヘロデ王の手から、またユダヤ民衆のあらゆるもくろみから救い出してくださったことを知るのです。こう分かるとペトロは、マルコと呼ばれていたヨハネの母マリアの家に行きます。ここは、初めての教会です。教会堂というのはまだできていなくて、家の教会ということになります。大きな家だったのでしょう。そこには大勢の人々が集まって祈っていたのです。そうです。ペトロの解放のために祈っていたのです。教会は1つになって、指導者ペトロの無事と牢からの解放を祈っていました。教会の人々の祈りは聞かれたのです。教会の人々はすぐに喜んだでしょうか。ここで不思議なことが起って来ます。
ペトロはその家の門の戸をたたくのです。そうするとロデという女の人が取り次ぎに出て来ました。ペトロの声だと分かると、喜びのあまりに門を開けもしないで家に駆け込み、ペトロが家の門の前で立っていると告げました。教会の人々は喜んで、すぐに家の門に走って行ったでしょうか。そうではなくて、教会の人々はその女の人に「あなたは気が変になっているのだ」と告げました。教会の人々は、神から送られた天使によって、ペトロは解放されたことを信じることができませんでした。それで、「あなたは気が変になっている」といってしまっているのです。教会の人々の祈りは、いったいどのようなものだったのでしょうか。神への熱心な祈りは、ウソだったのでしょうか。ロデは「本当にペトロがいる」と言い張ったのです。それでも、教会の人々は、「それはペトロを守る天使だろう」と言い出しました。当時は、1人1人に守護天使がいると考えられていたからです。
ペトロは戸をたたき続けました。教会の人々が家の戸を開けてみると、そこにはペトロがいたので、非常に驚いています。牢の中に閉じ込められていたペトロの無事と解放のために、神に熱心に祈っていたのに、実際に目の前に、ペトロが解放されていることに驚いているのです。信じられない思いでいるのです。それが人間の現実なのだと思います。そのような弱さを、人間は持っているのです。ペトロは驚いている教会の人々を手で制して、彼らを静かにさせて、神が天使を遣わして、牢から連れ出してくださった次第を説明し、「このことをヤコブと兄弟たちに伝えなさい」といいました。そして、家を出て、他の場所に行きます。そうです。ヘロデ王の追っ手が迫ってくるはずです。同じ場所にいることはできません。夜が明けると、兵士たちの間で、ペトロはいったいどうなったのだろうと、大騒ぎになりました。ヘロデ王はペトロを捜しても見つからないので、ユダヤからカイサリアに下って、そこに滞在しています。
この教会の人々の祈りを見ていると、アブラハムの物語を思い出します。アブラハムはイスラエルの人々の最初の族長になった人です。創世記12章から始まっていきます。アブラハムと妻サラの間には子どもが生まれませんでした。もちろん、アブラハムもサラも、自分たちの間に、子どもを与えてくださいと神に祈っていたと思います。そして、神は2人に子どもを与えると約束してくださっていました。神の約束の言葉とはうらはらになかなか、子どもは与えられませんでした。アブラハムもサラも年を重ねて、高齢になってしまいました。そこで、妻のサラは、アブラハムにハガルというエジプト人の女性によって子どもを得るようにしたのです。アブラハムは、神に子どもを与えてくださいと祈りながら、神の言葉を信じることができず、ハガルによって、子どもを得るようにしました。こうして生まれたのが、イシュマエルです。
アブラハムが99歳になった時です。神はアブラハムに「あなたとサラの間に子どもを与える」といってくださいました。その時に、アブラハムは神の前にひれ伏しながら、笑って、ひそかに「100歳の男に子どもが生まれるだろうか。90歳のサラに子どもが生まれるだろうか」といってしまいます。更に、神は天使を送って、サラに「来年の今ごろ、サラに男の子が生まれるでしょう」といってくださったのに、サラはひそかに笑って、自分も年をとり、もはや楽しみなどあるはずもなし、主人も年老いているのに、無理だと思ってしまいました。そのようなアブラハムとサラの思いはありながらも、神はその約束を実現させてくださるのです。アブラハムが100歳の時に、妻サラとの間に、男の子イサクが生まれたのです。
神への祈りについて、聖書はいろいろな場面を描いています。神の思いと私たちの思いの違いがあります。ペトロが捕らえられて牢に入れられてしまった。次の日には、死刑になってしまうという状況の中で、教会の人々の神への熱心な祈りがなされていた。神は天使を送って、教会の人々の祈りを聞き、ペトロを牢から解放してくださった。その時に、ペトロの解放に信じることができなかった教会の人々、また、アブラハムも子どもを与えてくださるという神の約束の言葉がありながら、信じ切ることができず、別の方法で、子どもを得たのでした。でも神は約束の通り、子どもを与えてくださったのでした。
神への祈り、私たちは神との関りの中で、神への熱心な祈りをささげることがあります。その祈りに対して、神はどのように受け止めてくださっているのか、また、その神に対する思いといいますか。神への対応を、私たちはどのようにしているのでしょうか。改めて問う必要があるのでしょう。パレスチナとイスラエルの平和のために、私たちは祈っているでしょう。でも、その祈りが実現していないことに、どのように受け止めたらいいのでしょうか。神の思いは、どこにあるのでしょうか。そして、その神の思いを、どのように知ることができるのでしょうか。神への祈りは、神と私たちの対話です。私たちの思いは、祈りによって、神に伝えました。では、神の応答は聞いているのでしょうか。神の思いは、どこにあるのでしょうか。私たちは今、静かに、神の思いを聞くことができる信仰が求められているのです。私たちは、自分の思いを神にぶつけるだけでなく、神からの言葉を待ち続けることが求められているのです。
祈り 神よ、あなたを礼拝することができましたことを心から感謝します。私たちは、神への祈りによって、自分たちの思いをあなたに語りました。あなたは、どのように受け止めてくださっているのでしょうか。また、あなたの思いを受け止めることができますように、私たちにあなたの言葉を聞くことができますように、導いてください。この願いを、イエス様のお名前によって祈ります。アーメン。
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