悲夫故列叙時人録其所述雖世殊事異所以興懐其致一也
悲しい夫(かな)。故に時の人を列叙(れつじょ)し、其の述ぶる所を録(ろく)す。世、殊に事、異なると雖(いえど)も、懐(おも)い興す所以は、其の致(むね)一也(なり)。
若合一契未嘗不臨文嗟悼不能喩之於懐固知一死生為虚誕
一契を合はすが若(ごと)し。嘗(かつ)て、文に臨みて嗟悼(さとう)せんずばあらず(未)。之を(於)懐(こころ)に喩(さと)す能はず。固(まこと)に死生を一にするは、虚誕(きょたん)たり。
猶不能不以之興懐况脩短随化終期於盡
猶、之(これ)を以ちて、懐(おも)いを興(おこ)さざる能はず。况(いはむ)や、
脩短(しゅうたん)、化(か)に随(したが)い、終(つい)に(於)盡くるに期するをや。