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アイススケート、アート鑑賞、食べ歩き等の雑記。

野口哲哉「this is not a samurai」(ポーラミュージアムアネックス)

2022-08-08 17:50:05 | アート鑑賞
ポーラミュージアムアネックスで開催中の野口哲哉さんの個展に行ってきました。



野口哲哉さんは「鎧と人間」をモチーフに、樹脂やアクリル絵具を使って彫刻や絵画作品を制作されています。
昨年の夏、群馬県立館林美術館で大規模な個展が開催されました。
あれから1年。
また野口さんの作品を観ることができるなんて。
ポーラミュージアムアネックスは野口さんの作品を初めて観た場所でもあるので、感慨深いです。


《Clumsy heart》

前回のポーラミュージアムアネックスでの個展「中世より愛をこめて」では入り口に展示されていた作品。
甲冑を着た人がハートマークを描いています。
でも横から顔をのぞき込んでみると何とおじさん。
このギャップで一気に野口さんの世界に引き込まれていきます。
ちなみにリップはオルビス製。
ハートマークは実際に野口さんが現場に来て描かれているそうですね。






《Shellz》

今回の個展では新作も展示されているのですが、そのうちのひとつ。
エッグ・チェアーにすっぽりと収まって、どこか気持ちよさそうにしている姿が何とも言えません。
命を守るための甲冑とエッグ・チェアーという組み合わせ。
休憩感出ています。
甲冑とスーツ、外殻の違いはあっても人間としての本質は変わらない。
そのうちスーツも甲冑のように歴史に埋もれていくのかな。


《rocket fuel》

九州の郷土玩具「キジウマ」はかつて平家の落人が山中に逃れ、我が子の為に制作したという伝説が残っているのだそうです。
乗っている人の表情は無表情。
野口さんの作品の人間は、感情をぶわっと表出させていないのが特徴かもしれません。
普段私たちが生活している中でも、感情が表出する瞬間って稀ですよね。
だいたいの時間は無表情で過ごしている。
だからこそ野口さんの作品にはリアリティがあるのかも。
「こういう表情の人、いるよね!」
みたいな。


《The gradation-河津伊豆守祐邦像-》

実在の人物をモデルにした作品もあります。
こちらの人物は幕府使節団の一員としてフランスに渡り、ナポレオン3世に謁見した人物だそうです。
そして、この姿で現地の軍事訓練を視察したのだとか。
それにしても軍事訓練が相当カルチャーショックだったのでしょうね。
口が半開きになっています。
にじみ出てくる人間味。
やっぱり野口さんの作品、好きだなぁ。

こちらの展覧会は9月11日までです。




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