あやか と しょうま のパパのブログ

パパから彩加と匠真へのてがみです。いつかよんでもらえたら、たのしくおはなししよう!

第4章の39(一)

2015-12-19 23:08:06 | 老子
原文
昔之得一者、天得一以清、地得一以寧、神得一以靈、
谷得一以盈、萬物得一以生、侯王得一以爲天下貞。
其致之一也。天無以清、將恐裂。地無以寧、將恐廢。
神無以靈、將恐歇。谷無以盈、將恐竭。
萬物無以生、將恐滅。侯王無以貞、將恐廢。
故貴以賤爲本、以下爲基。
是以侯王自謂孤寡不轂、此非以賤爲本耶、非乎。
故致數譽無譽。不欲琭琭如玉、珞珞如石。

書き下し文
昔の一(いつ)を得る者、天は一を得て以(も)って清く、
地は一を得て以って寧(やす)く、神は一を得て以って霊に、
谷は一を得て以って盈(み)ち、万物は一を得て以って生じ、
侯王(こうおう)は一を得て以って天下の貞(てい)と為(な)る。
そのこれを致すは一なり。天は以って清きこと無くんば、
将(は)た恐らくは裂けん。地は以って寧きこと無くんば、
将た恐らくは発(くず)れん。神は以って霊なること無くんば、
将た恐らくは歇(や)まん。谷は以って盈つること無くんば、
将た恐らくは竭(つ)きん。
万物は以って生ずること無くんば、将た恐らくは滅びん。
侯王は以って貞なること無くんば、将た恐らくは蹶(たお)れん。
故に貴(たっと)きは賤(いや)しきを以って本と為し、
高きは下(ひく)きを以って基と為す。
ここを以って侯王は自ら孤(こ)・寡(か)・不穀(ふこく)と謂(い)う。
これ賤しきを以って本となすに非(あら)ざるや、非ざるか。
故に誉(よ)を数うるを致せば誉(ほまれ)なし。
琭琭(ろくろく)として玉の如(ごと)きを欲せず、
珞珞(らくらく)として石の如(ごと)くあらん。

現代語訳
全ての始まりである「一」を得たものたち。
天は一を得て清く澄み渡り、地は一を得て安定していて、
神々は一を得て霊妙であり、谷川は一を得て水で満たされ、
万物は一を得て生まれ、諸国の王は一を得て統治の資格を得た。
全てこの様に「一」を得てその本質を得ているのだ。
天がもし清くなければ裂けてしまうだろう。
地がもし安定していなければ崩れ落ちてしまうだろう。
神がもし霊妙でなければ誰も敬いはしないだろう。
谷川がもし水で満ちていなければ枯れてしまうだろう。
万物がもし生じる事なければ絶滅してしまうだろう。
諸国の王に統治の資格がなければ王朝は滅ぶだろう。
この様に貴いものは常に賤しいものが根本にあり、
高いという事は常に低いものが根本にあるのだ。
それだから諸国の王達は自分の事を「孤(みなしご)」とか
「寡(ひとりもの)」とか「不穀(ろくでなし)」などと呼ぶのだ。
これは賤しいものをこそ根本と考えているからなのではないだろうか。
その事を忘れて名誉を求めようとすると帰って不名誉を受ける事になる。
美しい宝石も路傍の小石もわざわざ選り分ける様な事をせず、
ただ「一」だけを守っておれば良いのだ。

(追記)
この現代語訳の後半は少し変だな。

希少な宝石のような立場なんか望まず、
どこにでもある小石のようでありたい。

のような感じかな。

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(12/22追記)
一とは?生命の根源・本質。。。良心。
いつも一と共にある。一を大切に守ろう!

第4章の38(実)

2015-12-19 14:39:06 | 老子
以下 http://mage8.com/magetan/roushi05.html より引用

原文
上徳不徳、是以有徳。下徳不失徳、是以無徳。
上徳無爲、而無以爲。下徳爲之、而有以爲。
上仁爲之、而無以爲。上義爲之、而有以爲。
上禮爲之、而莫之應、則攘臂而扔之。
故失道而後徳。失徳而後仁。失仁而後義。
失義而後禮。夫禮者、忠信之薄、而亂之首。
前識者、道之華、而愚之始。
是以大丈夫、處其厚、不居其薄。
處其實、不居其華。故去彼取此。

書き下し文
上徳(じょうとく)は徳とせず、ここを以(も)って徳あり。
下徳(かとく)は徳を失わざらんとす、ここを以って徳なし。
上徳は無為にして、而(しか)して以って為にする無し。
下徳はこれを為して、而して以って為にする有り。
上仁(じょうじん)はこれを為して、而して以って為にする無し。
上義(じょうぎ)はこれを為して、而して以って為にする有り。
上礼(じょうれい)はこれを為して、而してこれに応ずる莫(な)ければ、
則(すなわ)ち臂(うで)を攘(はら)ってこれを扔(ひ)く。
故に道を失いて而して後に徳あり。徳を失いて而して後に仁あり。
仁を失いて而して後に義あり。義を失いて而して後に礼あり。
それ礼なる者は、忠信の薄きにして、而して乱の首(はじめ)なり。
前識(ぜんしき)なる者は、道の華にして、而して愚の始めなり。
ここを以って大丈夫(だいじょうぶ)は、
その厚きに処(お)りてその薄きに居らず。
その実に処りてその華に居らず。故に彼れを去りて此れを取(と)る。

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(12/21追記)
徳のある人は自分で徳があると思わないから徳がある。
徳の少ない人は徳を持とうとするから徳がない。
徳のある人は良心から自然に行い、
これは徳(お得・特別)だからと考えてはしない。
徳の少ない人は徳を積むために行動する。
思いやりのある人は良心から自然に行い、
これこそが思いやりだと考えてはしない。
(12/22追記)
正義など振りかざす者は、かっこつけの偽善者にすぎない。
礼儀に固執する者は、相手が応じなければ憤慨し
不遜な態度をとるものだ。
ゆえに、道が失われた後に道徳が重んじられ、
道徳が失われれば思いやりが重視され、
思いやりが失われたら正義が尊重され、
正義が廃れれば礼儀にしばられる。
礼儀などの表面上のことでは本当の信頼関係は築けない。
争いの始まりだ。
形式上の知識など、建前であり愚かな行いの始まりだ。
だから、本当に立派な人物は、本質を重んじて薄っぺらな
建前にとらわれない。中身を重視して上っ面にこだわらない。
つまり、形式・建前より本質・中身が大切なのだ。
他人の評価よりも自らの良心をとれ!

継続する行為には本質(良心)があるものだ。
損得勘定だけでは何事も長続きしない。