
このキレイな猫は、私が180に乗っていた頃、突然勤めていたショップBに現れた。今から13年ほど前か。
まだ生後2~3ヵ月の子猫と思われたが、可愛い盛りなのに、やけにやさぐれていた。顔馴染みになっても近寄って来ないし、エサをやるようになっても全く懐かなかった。ただ、食いっぱぐれがないことを確認して、そこに居着いたようだった。
その猫の様子に、生まれてからたった数ヶ月で、親や同類や環境に裏切られてきた背景が見え、同じように運命を恨んだ自分と重なり、えらく同情した。
私はその猫と、どうしても一緒に暮らしたくなった。常に頃合いを見計らい、いつ家に連れて帰ろうかと考えていた。同じ傷を持つ者同士で、理想の家族を造りたかったのかもしれない。
秋にしては冷え込む夜、180にタービンを着けてもらってた私は、ついにその猫をHKS2530のダンボールに詰め込んで拉致ったのだった(笑)
私とみぃみぃは無理くり家族になった。
しかし、一緒に暮らすようになった彼女はとても優しくて、黙ってそばに居てくれたし、髪を舐めてくれることもあった。私にとって、誰にも本音を言えず、どこにも居場所が無く、生きていくのが一番辛いときだった。
あの頃、みぃみぃが居なかったら、どうなってるかわからない。
そんなに大事な存在だから、結婚して山梨に行くのはかなり心配だったが、ご主人とはすぐに打ち解けて、新しい住処にも何の問題も無く順応してくれた。
今は年を取って、ごはん食べるしか楽しみがないようだが、それでも相変わらず月に一度は寝込む私の枕元で心配そうに覗き込んでいる、みぃみぃなのでありました。