大阪Lover

徒然日記

荒れる全豪

2017-01-23 18:12:01 | Weblog
大相撲の世界にも「荒れる春場所」と言う言葉があるのですが、テニスの世界にも同様の言葉があります。現在、オーストラリアのメルボルンで開催されている全豪オープンは「荒れる」とよく言われます。
ATPもしくはWTAのツアーに参戦しているプロテニスプレイヤーは、非常に長い期間世界各地を転戦します。特にツアーファイナルに出場する錦織選手ぐらいのトップランクの選手ともなると、ワールドツアーファイナルが11月に行われ、その後、3年前に創設された、エキシビションのIPTL(インターナショナル・プレミア・テニスリーグ)に参戦したりと、公式戦が終わった後でも中々休みにはなりません。
そして年明け早々にはグランドスラムの初戦である全豪オープンがあるのですから、正月休みというものはほぼありません。束の間のオフは、12月までの短い期間に限られ、我々一般人が正月休みで浮かれている頃には、既に前哨戦である、ドバイやチェンナイ(インド)や、ブリスベン(オーストラリア)、ニュージーランドなどの大会に出て、調整をしているのです。
それだけの準備をしていても、全豪は「荒れ」ます。束の間の休みであっても戦闘モードがオフになるということもあるでしょう。また今年の飛躍を誓う若手や、昨年後半を怪我などで棒に振ったベテランが、十分な休息を取り練習に励み、捲土重来を期しているから、というのも理由に挙げられるでしょう。
そんな「荒れる全豪」の中でも、今年は特に荒れているように思います。
全豪オープンを始めとするテニスの4大大会(=グランドスラム。全豪、全仏、ウィンブルドン、全米)のシングルスのドロー(対戦)は、男女とも128ドローです。これは優勝するまでに7回勝たなければいけないことを意味します。しかも男子の場合は最高で5セット戦います。世界ランキング上位32位までの選手にはシード権が与えられます。このシード権は、グランドスラムの場合、1回戦免除などと言うことはないのですが、順当にシード勢が勝ち進んだ場合、理論上は1,2回戦はシード選手同士が当たらないということになっています。勿論テニスは人間がやるスポーツですから、シード(ランク)が高い方が勝つとは限りません。ノーシードの選手がシード選手に勝つことを「シードダウン」と言います。そのシードダウンが、今年の全豪は、非常に多いように思います。
まず、女子の第4シードである、S.ハレプ(ルーマニア)が初日に姿を消しました。第3シードのA.ラドワンスカ(ポーランド。2015年東レPPOの優勝者)も初戦で姿を消しました。また第1シードで昨年の覇者である、A.ケルバー(ドイツ)も、4回戦とは言え35位のC.バンダウェイ(米)に敗れました。
男子では、第2シードで、昨年の後半、A.マレー(英国)に抜かれるまで、122週(約2年半)世界No.1の座を守っていたN.ジョコビッチ(セルビア)も2回戦で世界117位ワイルドカード(主催者推薦)で出場していたイストミン(ウクライナ)に敗れました。
また第1シードのマレーも、4回戦とは言え、格下50位のM.ズベレフ(ドイツ)に敗れました。
他にも、ハイシードではないものの、男女とも1,2回戦でシードダウンが頻発。男子は2回戦までで7試合、女子に至っては14試合に上りました。(いずれも上述した試合も含む)
我らが錦織選手はと言うと、初戦で40位相手にてこずったとは言え、4回戦までは順調に勝ち上がり。今大会は上述の通り、世界No.1&2である、マレーとジョコビッチが早期敗退を喫しているので、グランドスラム初制覇の夢が膨らんだのですが、その4回戦で、元世界No.1、グランドスラム優勝回数歴代1位のR.フェデラー(スイス)にフルセットの末、敗退しました。フェデラーは昨年の後半を棒に振り、全豪直前のランキングは17位とは言え、流石に「歴代最高のプレイヤー」と称されるだけのことはありました。が、そのフェデラー相手に、フルセット戦っての惜敗ですから、敗れたとは言え、錦織選手も素晴らしかった。紙一重での敗戦でした。
全豪オープンは今日で男女シングルスのベスト8が決まります。男女ともディフェンディングチャンピオンが敗れたことにより、王者が交代します。男子は、既に全豪を一度優勝しているワウリンカ(スイス)なのか、それとも復活を期すフェデラーなのか?フェデラーと同じく復活を期す、グランドスラム14回優勝の実績を持つR.ナダル(スペイン)なのか?それとも全く新たなシンデレラボーイが現れるのか?
女子は、最有力候補は、一昨年のチャンピオンであるS.ウィリアムズ(米)でしょうが、彼女も一時期の磐石の強さは鳴りを潜めています。ケルバーを倒したバンダウェイの勢いにも期待したいところですが、実績のあるV.ウィリアムズ、G.ムグルサ(スペイン)、Ka.プリスコバ(チェコ)当たりに頑張ってほしいものです。

さて、最終日の29日に栄冠を勝ち取っているのは、誰なのでしょうか?

あ、昨日の錦織選手の敗退で、もう日本人プレイヤーは全滅か、と思いきや、女子ダブルスで穂積絵莉・加藤未唯選手が残っています(ベスト8)。2人は3回戦で第4シードのS.ミルザ(インド)、B.ストリコバ(チェコ)ペアを破って準々決勝に進出しています。ダブルスはシングルスと違い、64ドローですが、それでも日本人ペアで、しかもまだランク上位でもないこの二人のベスト8は立派。もうひとつ、イヤイヤ、もうこのまま最後まで突っ走って、優勝まで行ってほしい。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿