一昨日(9月9日)に幕を閉じたテニスの4大大会(グランドスラム、以下GS)全米オープン(以下全米OP)において、日本の大坂なおみ選手が女子シングルスで優勝を果たしました。
これまで多くの日本人プレイヤーが夢見、挑んできたGSにおいて、シングルスでは男女を通じて初めて賜杯を掲げる偉業を達成しました(車椅子テニスは除く)。
また、日本人女子選手としては、シングルスにおいて全米OPで初めてベスト4の壁を破った選手でもあります。過去、伊達公子選手が全豪、全仏、ウインブルドンではベスト4に進んだことはありましたが、全米だけはベスト8に終わっていました。
なお、ダブルスでは、杉山愛選手が1999年にミックスダブルスで、2000年に女子ダブルスで優勝を果たしています。
大坂選手は昨年から、元女王のセリーナ・ウィリアムスのヒッティングパートナーを8年勤めたサーシャ・バジン氏をコーチに迎えてから、ガラリとテニスが変わりました。それまでの彼女のテニスは、パワーとスピードはセリーナにもひけを取らないけど、精神面での弱さを幾度となく指摘されてきました。実際、昨年まではGSなどで格上の選手と対戦するときは、素晴らしいプレイをするのに(これまで7人の元・現No.1プレイヤーを倒してきている)のに対し、グレードの低い大会やランキングの低い相手には簡単に負けてしまうような脆さがありました。彼女は完璧主義者のようで、少しのミスでも自分が許せないと自責の念に囚われていたそう。それが、バジンコーチに変わってからは見違えるように結果を残すようになりました。バジンコーチは大坂に対して辛抱強く、そんなに完璧を求めすぎなくて良い、君のストロークはセリーナにだってひけを取らない、セリーナのヒッティングパートナーを長年勤めてきた僕が言うんだから間違いない、と諭し続けたそうです。
その結果が現れたのが、今年3月に行われた「BNPパリバオープン(インディアンウェルズ)」。この大会は、女子プロテニスの中でも、GSに次いで高いグレードを誇る「プレミア・マンダトリー」という大会で、シングルスのドロー数も96。GSのドロー数は128ですからその差は32。グレードがふたつ下の東レPPO(プレミア)が28ドローなので、その規模の大きさが判ります。プレミア・マンダトリーにカテゴライズされる大会は、年間で4大会しかないことからも、大会規模が理解できると思います。賞金総額約800万ドル(約8億円)は勿論GSには及びませんが、それでも屈指の金額です。他の3大会は、マイアミが約700万ドル、マドリードと北京が約500万ドルです。
優勝すると900ポイントを獲得することが出来ます。
彼女はその大会で、並み居る強敵(元世界No.1マリア・シャラポワ、開催時世界No.5のカロリーナ・プリスコバ、同じく開催時世界No.1のシモナ・ハレプ)を薙ぎ倒し、日本人女子シングルスプレイヤー初の、プレミア・マンダトリー優勝者となりました(因みにあの伊達公子選手ですら、プレミアである東レPPOでしか優勝していません)。
その後、フレンチオープン、ウインブルドンでは3回戦敗退で終わったものの、今も拠点にしているアメリカで開かれる全米OPでは、4回戦でフルセットになった以外は全ての試合をストレートセットで勝利し、日本人では男女を通じて初、アジアにまで広げても、2011年フレンチオープン、2014年全豪オープンを制したリー・ナ(中国)以来のGS優勝者となりました。
因みに、全米オープンの優勝賞金はGSの中でも最も高く、約4億円にも上ります。
試合の内容は、筆者はまだ録画した映像を見ていないのですが、ネットニュースによると、元女王で、出産から今年復帰し、ウインブルドンでも準優勝を飾るなど、最盛期の実力にかなり近づいてきたセリーナに対し、6-2、6-4のストレート勝ちで圧勝だったようです。途中、セリーナが主審とモメる場面もあったようで、試合は荒れ模様。ましてや、セリーナはアメリカ人ですから、完全アウェイの中で、それでも冷静さを失わず最後まで集中力を切らさなかった故の勝利だと思います。
この結果、約1,800ポイント(昨年の獲得ポイントとの差し引きの結果)を獲得し、いよいよTop10入りすることが決まりました。また、初のツアーファイナル出場へも大きく前進しました。
若くしてNo.1になりながらも今年までGSで優勝出来なかった、キャロライン・ウォズニアッキや、現女王のシモナ・ハレプのGS初優勝までの道のりを考えると、若干二十歳にしてGS優勝を成し遂げた大坂選手は、やはりとてつもないポテンシャルを秘めた凄いテニス選手だと思います。
次は、9月後半から始まる「アジア・スイング」。中でも東京で開催される東レPPOは当然優勝を狙ってくるでしょう。この大会は、格付けとしては「プレミア」ではあるものの、歴史のある大会で、毎年多くのTop10プレイヤーが出場します。今年も元No.1のガルビネ・ムグルサ、アンゲリーク・ケルバー、カロリーナ・プリスコバ、昨年全米OP優勝者のスローン・スティーブンスが出場を表明しています。また、ディフェンディングチャンピオンで、世界No.2のキャロライン・ウォズニアッキもワイルドカードでの出場がきまりました。全米開催前の8/27付けランキングで10位以内の選手が5人(スティーブンス、キャロライン・ガルシア、ケルバー、プリスコバ、ウォズニアッキ)、20位以内の選手が大坂含め6人(ムグルサ、マディソン・キーズ、エリーセ・メルテンス、アシュリー・バーティー、アナスタシア・セバストバ)出場の予定(ツアーファイナルを制したこともある陰の実力者、ドミニカ・チブルコバも参戦予定)。今年の東レは盛り上がるでしょうね。筆者は昨年まで3年連続で見に行っていたんですが、今年は開催場所が有明ではなく、立川になってしまった関係で、観戦は断念しました。でもこんなことなら、チケット取っておけば良かったかなぁ~?
今となっては、錦織が出場する、楽天ジャパンオープンよりもプラチナチケットになっちゃうな。
それにしても、日本人シングルス優勝は錦織だと思っていたのですが、彼が怪我や特定選手(特にジョコビッチ)に対して苦手意識を払拭出来ず優勝をすんでのところで逃しているうちに、大坂に先を越されちゃいましたね。でもこれが刺激になって、「俺にも出来る!」と再び思うようになってくれたら、近々可能性はあるのかな。
これまで多くの日本人プレイヤーが夢見、挑んできたGSにおいて、シングルスでは男女を通じて初めて賜杯を掲げる偉業を達成しました(車椅子テニスは除く)。
また、日本人女子選手としては、シングルスにおいて全米OPで初めてベスト4の壁を破った選手でもあります。過去、伊達公子選手が全豪、全仏、ウインブルドンではベスト4に進んだことはありましたが、全米だけはベスト8に終わっていました。
なお、ダブルスでは、杉山愛選手が1999年にミックスダブルスで、2000年に女子ダブルスで優勝を果たしています。
大坂選手は昨年から、元女王のセリーナ・ウィリアムスのヒッティングパートナーを8年勤めたサーシャ・バジン氏をコーチに迎えてから、ガラリとテニスが変わりました。それまでの彼女のテニスは、パワーとスピードはセリーナにもひけを取らないけど、精神面での弱さを幾度となく指摘されてきました。実際、昨年まではGSなどで格上の選手と対戦するときは、素晴らしいプレイをするのに(これまで7人の元・現No.1プレイヤーを倒してきている)のに対し、グレードの低い大会やランキングの低い相手には簡単に負けてしまうような脆さがありました。彼女は完璧主義者のようで、少しのミスでも自分が許せないと自責の念に囚われていたそう。それが、バジンコーチに変わってからは見違えるように結果を残すようになりました。バジンコーチは大坂に対して辛抱強く、そんなに完璧を求めすぎなくて良い、君のストロークはセリーナにだってひけを取らない、セリーナのヒッティングパートナーを長年勤めてきた僕が言うんだから間違いない、と諭し続けたそうです。
その結果が現れたのが、今年3月に行われた「BNPパリバオープン(インディアンウェルズ)」。この大会は、女子プロテニスの中でも、GSに次いで高いグレードを誇る「プレミア・マンダトリー」という大会で、シングルスのドロー数も96。GSのドロー数は128ですからその差は32。グレードがふたつ下の東レPPO(プレミア)が28ドローなので、その規模の大きさが判ります。プレミア・マンダトリーにカテゴライズされる大会は、年間で4大会しかないことからも、大会規模が理解できると思います。賞金総額約800万ドル(約8億円)は勿論GSには及びませんが、それでも屈指の金額です。他の3大会は、マイアミが約700万ドル、マドリードと北京が約500万ドルです。
優勝すると900ポイントを獲得することが出来ます。
彼女はその大会で、並み居る強敵(元世界No.1マリア・シャラポワ、開催時世界No.5のカロリーナ・プリスコバ、同じく開催時世界No.1のシモナ・ハレプ)を薙ぎ倒し、日本人女子シングルスプレイヤー初の、プレミア・マンダトリー優勝者となりました(因みにあの伊達公子選手ですら、プレミアである東レPPOでしか優勝していません)。
その後、フレンチオープン、ウインブルドンでは3回戦敗退で終わったものの、今も拠点にしているアメリカで開かれる全米OPでは、4回戦でフルセットになった以外は全ての試合をストレートセットで勝利し、日本人では男女を通じて初、アジアにまで広げても、2011年フレンチオープン、2014年全豪オープンを制したリー・ナ(中国)以来のGS優勝者となりました。
因みに、全米オープンの優勝賞金はGSの中でも最も高く、約4億円にも上ります。
試合の内容は、筆者はまだ録画した映像を見ていないのですが、ネットニュースによると、元女王で、出産から今年復帰し、ウインブルドンでも準優勝を飾るなど、最盛期の実力にかなり近づいてきたセリーナに対し、6-2、6-4のストレート勝ちで圧勝だったようです。途中、セリーナが主審とモメる場面もあったようで、試合は荒れ模様。ましてや、セリーナはアメリカ人ですから、完全アウェイの中で、それでも冷静さを失わず最後まで集中力を切らさなかった故の勝利だと思います。
この結果、約1,800ポイント(昨年の獲得ポイントとの差し引きの結果)を獲得し、いよいよTop10入りすることが決まりました。また、初のツアーファイナル出場へも大きく前進しました。
若くしてNo.1になりながらも今年までGSで優勝出来なかった、キャロライン・ウォズニアッキや、現女王のシモナ・ハレプのGS初優勝までの道のりを考えると、若干二十歳にしてGS優勝を成し遂げた大坂選手は、やはりとてつもないポテンシャルを秘めた凄いテニス選手だと思います。
次は、9月後半から始まる「アジア・スイング」。中でも東京で開催される東レPPOは当然優勝を狙ってくるでしょう。この大会は、格付けとしては「プレミア」ではあるものの、歴史のある大会で、毎年多くのTop10プレイヤーが出場します。今年も元No.1のガルビネ・ムグルサ、アンゲリーク・ケルバー、カロリーナ・プリスコバ、昨年全米OP優勝者のスローン・スティーブンスが出場を表明しています。また、ディフェンディングチャンピオンで、世界No.2のキャロライン・ウォズニアッキもワイルドカードでの出場がきまりました。全米開催前の8/27付けランキングで10位以内の選手が5人(スティーブンス、キャロライン・ガルシア、ケルバー、プリスコバ、ウォズニアッキ)、20位以内の選手が大坂含め6人(ムグルサ、マディソン・キーズ、エリーセ・メルテンス、アシュリー・バーティー、アナスタシア・セバストバ)出場の予定(ツアーファイナルを制したこともある陰の実力者、ドミニカ・チブルコバも参戦予定)。今年の東レは盛り上がるでしょうね。筆者は昨年まで3年連続で見に行っていたんですが、今年は開催場所が有明ではなく、立川になってしまった関係で、観戦は断念しました。でもこんなことなら、チケット取っておけば良かったかなぁ~?
今となっては、錦織が出場する、楽天ジャパンオープンよりもプラチナチケットになっちゃうな。
それにしても、日本人シングルス優勝は錦織だと思っていたのですが、彼が怪我や特定選手(特にジョコビッチ)に対して苦手意識を払拭出来ず優勝をすんでのところで逃しているうちに、大坂に先を越されちゃいましたね。でもこれが刺激になって、「俺にも出来る!」と再び思うようになってくれたら、近々可能性はあるのかな。
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