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徒然日記

時代

2017-04-13 21:24:49 | Weblog
4月10日の月曜日、日本女子フィギュアスケート界の第一人者浅田真央選手が、現役引退を発表しました。彼女はジュニア時代から将来を嘱望され、シニアに移行してからも世界のトップを走ってきた、日本が誇る「世界の浅田」でした。その浅田選手が引退を決め、ひとつの時代が終わりました。

浅田選手と言えば、「ジャンプ」が代名詞になっています。事実、2014年のソチ五輪では、6種類の3回転ジャンプ(トリプルアクセル、ルッツ、サルコー、フリップ、ループ、トゥループ)を合わせて8回成功させています。が、俺個人の意見としては、彼女の一番の強みは、最後のステップシークエンスにあると思っています。勿論、ジャンプは1級品どころか特級品なのですが、それと同じぐらい素晴らしいのが、ステップシークエンスだと思います。フリー演技の最後、ジャンプを全て跳び終えた後、フィニッシュに至るまでの30秒から1分ぐらいの間かな?上半身と下半身の動きを微妙にズラしながらも、バラバラな感じではなく、統一感のある芸術性と技術力の非常に高いステップになっています。これぞ彼女の真骨頂だと思います。

ジュニアの頃から「天才」と言われた彼女ですが、オリンピックでは大きな結果をもたらせられませんでした。2006年イタリアのトリノで開催されたオリンピックは、年齢制限にかかり出場が出来ませんでした。2010年のバンクーバー五輪では、韓国のキム・ヨナと優勝争いを演じましたが、結果は2位。そして2014年のソチ五輪では、SPで16位と出遅れ、フリーでは完璧な演技を見せたものの、総合6位で終わりました。バンクーバーの銀メダルは勿論素晴らしい結果ですが、ほんの少しタイミング(時代)がズレていただけで、3大会連続でメダルを取っていてもおかしくない、そんな高いレベルの実力が、彼女にはあったと思います。

俺個人的に考える彼女のハイライトは、2008-2009年のシーズンではないかと思います。ライバルのキム・ヨナの地元である韓国で「完全アウェー」の雰囲気の中行われたグランプリ・ファイナルでは国際大会では女子史上初めて、2度のトリプルアクセルに成功し、優勝。全日本選手権では3連覇を達成しています。この時のフリーの音楽は「仮面舞踏会」(ハチャトゥリャン作曲)。

現役最後のオリンピックであったソチ大会では、上述したように非常に残念な結果に終わりました(総合6位)。バンクーバー以降、得意のトリプルアクセルで苦労するようになり、それが他のジャンプに影響を及ぼし「ジャンプの浅田」の看板が色褪せるようになってきていました。
ソチ五輪でもそれは続き、SPは最悪の出来で16位スタート。翌日のフリーでは会心の演技で3位となるも、総合では6位となりました。ただ、この時のフリーの演技はいつ見ても、何度見ても感動します。それほど完璧な内容でした。

浅田選手は誰からも愛され、日本のファンのみならず、海外のしかもトップの選手からも慕われており、その引退を惜しむ沢山の声が届いています。女子選手のみならず、男子選手からも惜別の声が届いていました。元世界王者のエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)や、現世界王者の羽生結弦などです。
彼女は女子フィギュア界に革新をもたらしました。そして、彼女の活躍を見て、日本のフィギュア界は大いに盛り上がり、以後、村上佳菜子、本郷理華、宮原知子、本田真凜など有望な選手が続くことになりました。日本フィギュア界だけでなく、世界のフィギュア界に大きな足跡を残した偉大な選手だったと言って良いと思います。

お疲れ様でした。

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