社長様、かく語り記

東北のとある社長の名言・行動から、人としてあるべき姿を探していきたいと思います。

自分が出来ない事は無駄である。

2012-12-17 16:29:49 | 日記
社長様は、自分が出来ない作業は無駄なことだと言い切ります。

特に目の敵となるのがパソコンでございます。
(パソコンっつうのはよぉ!お客様からのメールを受け取るためか、オークションに参加するためのツールなんだよ!)

この時点で、わたくしとは相容れないものがある訳ですが、忙しい間は大目に見て頂いた訳であります。
(わたくし個人としては、情報を整理して管理するツール+αとして活用しておりましたが、大きな過ちだったようです。《仕事に限り》)

わたくしの場合、客先から届いた資料を色付けやらパソコンを用いて簡略図への変換などを行い、最終的に仕上がった資料と原図とを照らし合わせてから、作業手順書の作成へと移行致します。

そこまでやってから実際の作業へ挑むようにしています。

計画する頭と、作業する頭がだいぶ異なりまして、作業頭はそそっかしく失敗が多いのでこのような工程を踏むようになりました。


この資料を変換する過程、製品の作業ボリュームによってはかなり時間を要するのですが、自分の中に顧客の世界観が染み入りますし、図面中の記載ミスを洗い出すことにもなりますので、度々お客様にも喜んで頂きました。

(同じ様な配線図面でも、メーカーにより略称や基本的接続概念に相違があり、こちらの思い込みを入れてしまうとお客様が実際に使用して作業する際に勘違いを招くので、客先との確認を重ね殊更に注意しました。)


基本的に半導体の製品毎に合わせた単品製作の製品となりますので、型式が同じでも毎回 同様であるか?の確認ですら必須作業です。

この辺は量産品とは異なる方法で作業に当たりませんと大変な事態になります。


が…当然 天才的な社長様には面白くありません。

パソコンを使えない方には無駄な作業をしているようにしか見えず、

「時間を浪費しやがって…」

と、思っているのがピリピリと感じ取れます。


実際には、社長様がお好みの「手書きの資料」をお作りになる際の手間と比較すれば、効率的なのは明らかですし、更には「手書き資料」をコピーした古文書は汚くて読みにくいので、わたくしは苦手ですし他の作業者には誤読による作業ミスの要因となります。
(社長様の場合、お客様への報告書も当然ながらA4のレポート用紙に手書きなので、汚くて意味不明です!
お前は中学生かっつぅの~


客先からの図面中に記載ミスがあった場合、完成検査の段階での不具合発見が多くなります。

その場合に発生する手直し工数・納期遅延及び余計な作業により引き起こす2次不具合に考えを巡らせば、事前に不具合を洗い出しておくことの有用性は語るに及ばずであります。


辞める半年ほど前、社長様とわたくしの関係性が悪化していたところへ、新たに制御盤の組立作業が入ってくることとなりました。

制御盤となると、わたくしにとっては初めて使う部品が多く、200Vの部品もある未知なる強電の世界です。

客先の資料を整理しつつ、構成を確認していましたところ、社長様がツカツカと寄って来て、次のような お言葉を頂戴致しました。

社長様
「そんなことはやらなくていい!
やる時は言うから違う仕事をやればいい!」

と、吐き捨てて己の格好良さに満足しながら、お帰りになりました。
(あのぉ…まともな作業指示、受けたことはござりませぬが…
あるとすれば、手抜き作業の指示だけかな…
そうそう!社長様は手抜き作業の閃きは天才的で一番の得意技でした!)


わたくしから言わせて頂けるならば…

社長様は客先の資料をお読みにならないから、いつも平気な顔して不良品ばかり作って、客先担当者に嫌われているんでしょ~。

毎月提出している請求見積もりだって、毎回間違っていて いつも客先に手直ししてもらってるんでしょ~。

客先の担当者がウンザリしてることに早く気が付いてあげなよ~。
言わないだけで、アンタ~激烈バカに認定済みでっせ

ヒロシ風に言いますと…
「お客様は介護職員じゃないとです!」

社長様の云う通りに仕事をやってたら、まともな仕事になりまへ~ん。

と、心の中でブツブツ…
(お前は辞めたいのか辞めたくないのかハッキリせいっ!と、自分をたしなめる…)

さて、数日後に客先に派遣されての制御盤組み立て作業が始まりましたが、案の定サッパリ手を出せず、ケーブル製作で精一杯のパートさん状態となってしまいました。

1ヶ月後、派遣が継続となり新しい図面が渡され、違う型式の制御盤の組立作業が始まりましたが、これまたサッパリ…

あぁ…やはり、暇な時間を有効活用していれば…とは思いません。

社長様の仕事運びの見事さを確認出来ましたので、改めて社長様の仕事ぶりに感じ入った次第でありました。

おかげさまで、図面と現物を目の前にして格闘し、時間を浪費する日々を過ごさせて頂きました。


さて、私が四苦八苦している期間中に、社長様がパートさん2名を従えて、他の新しい作業の引き取りに参りました。

因みにその資料は1ヶ月以上前に頂いていますし、制御盤に疎いわたくしから見てもそんなに難しい内容ではありません。

が、さすがは社長様…言うことが違いますよ~。

お客様の担当者と向かい合い、お客様が説明を始める暇を与えず開口一番、

「サンプルを1台作って下さい。」

と、おっしゃりました!


お客様も、いきなりそう来るか?と度胆を抜かれ、返す言葉はありませんでした…

なる程、これなら資料は必要ないか。

厚顔無恥…思考力ゼロ…

客先の担当者様、下請けを前にして忙しくサンプル作りに励んでくれていますが、こういう時は社長様が知識をひけらかすチャンスです。

幼稚な知識を担当者にドヤ顔でぶつけていき、満足げにしております。

なかなかサンプルが仕上がらず暇になると、今度は勝手に工場内を見学して回り退屈そうにしています。


この社長様のやり口のメリットは、

1.資料を読み込む必要なし、余計な時間は不要。

2.組み立てた製品に不具合があった場合でも、

「サンプルの通り作りました。」

と、言い張り責任回避、無駄な工数は発生せず あわよくば手直しの工数分も金をせしめることが可能。

一方、デメリットとしては、

1.会社(社長様)のレベルの低さが露呈するので、信頼を得ることは能わずお客様が難しい仕事を頼むには、二の足を踏むようになります。

2.従って安い仕事しか回ってこないこととなります。

(だからこそ、トップダウン営業が必要となる訳です。)


まぁ、まともな見積り計算をしない(出来ない)社長様なので、工数と単価の関係性から実際に儲かっているのかどうか判断出来ませんから、取り立てて問題はないようであります。
(丼勘定ですね、お猪口勘定かな?)


たまに、売り上げ金額¥10,000の作業を8人程度で丸1日を要してこなす仕事もありました。
(ボランティアでございます…)

社員1名、パートさん7名にて…

人件費のみの試算
@¥1,500×8h(1名)
@¥700×6h(7名)

全くもってあり得ない数字、きっと深謀遠慮があるに相違ないと信じておりましたが、深すぎて何も見えずに終わりました…

深海に住む生物達に、未知な部分が多いかの如くにございます。

追記(20140108)
イカ大王かもね…(ビジュアルはソックリですよ~

ふぅ…恐い恐い…

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