今回は絵本の紹介です。たくさんあるので把握しきれていないですが…
ばんえい、ばん馬、北海道にちなんだものをピックアップしました。
北海道開拓について書かれた児童書には、馬がいっぱい出てきます。当時の馬の活躍ぶりを知る、すばらしい参考書だと思います。
絵本は草ばん馬ものが多い印象。
「赤べえ」(旋丸巴作、谷歩絵、十勝馬事振興会)
絵本といえば外せないのがこちらの作品。北海道のいたるところで活躍していた馬の話。飼っている馬「赤べえ」がけがをして、トラクターを買おうという話になり…。
昭和30~40年ころにあちこちであったであろう、農耕馬との別れを描いています。その血を引く子らは、今はばんえい競馬で活躍しています! というラストがさすが。絵を描いている谷あゆみ調教師は、作品はひらがなではなく「谷歩」という名を使っているそうです。競馬場の資料館に置いてあります。
昔農協連のサイトでダウンロードできたんだけどなぁ。と思っていたらリンク残っていたww →
こっそり
「なくな!ツルイワカタケ」(ひろたみを作、長谷川知子絵、講談社)
ばん馬のお母さんの話です。厩舎が火事になり、子を助けようとする母・ツルイワカタケは…。
という、かなり泣ける話。解説によると、鶴居村の田中光儀さん(ツルイテンリュウの生産者)の牧場で実際にあった話だそうです。この本も競馬場にあります。
「じいちゃんとうま」(横内襄、福音館書店)
タイトルから想像する通りの内容です。じいちゃんが携帯で話すシーンがあるので舞台は比較的最近かな?
「信州のペルシュロン」と解説にあるが、どう見ても描かれているのはブルトンかベルジャン(笑) 田んぼからトラックを引っ張ったりばん馬大会(口もとを持つ東北方式)で優勝したりします。
絵本ナビへのリンク
「とうさんのうま―サンタルベツのものがたり」(細谷きよこ、新風舎)
草ばん馬に出たお父さんは、2着なのにニコニコしている。なぜ? 「とうさんのうま、じぶんでがんばったんだよ」。
ネタバレしますが、勝てそうだった馬がムチを入れなかったため2着になったという話で、個人的にもやもや(笑)。
「自分の力で頑張ることが勝つことより大事」ということを馬で表現しているのでしょうが、だからムチじゃなくて合図なんだって何度言えば。人馬一体なんですってば。ばん馬目線から見ると「何やってんのよ」と(笑)。
最初に読んだ時は、「馬をたたくのは悪いこと」の話かと思って勝手に怒っていました。
児童書のお薦めは、加藤多一さんの絵本です。
「原野にとぶ橇」「ふぶきだ走れ」「はるふぶき」などは馬橇のシーンなどがたくさん出てきます。
北海道開拓のシーンが目に浮かびます。
加藤さんは「馬を洗って…」、「ホシコ 星をもつ馬」などの軍馬ものもぐさっと刺さります。すごいです。
ホシコは馬を洗って…を最近書き直したものですが、前者のほうが好きです…ぐさぐさっと落ち込みます……戦争ダメ、ゼッタイ……
「どさんこうまのはる」「どさんこうまのふゆ」(本田哲也、ベネッセコーポレーション)
どさんこの絵本です。自然とともに生きるどさんこ。
2020/3/24追加
「仔馬のハル」(みしまてんとう、福音館書店、1996)
ばん馬レースに出る仔馬のハルのため、兄弟は草をたくさん刈ってあげます。レースの次の日、ハルに大変なことが……
不思議な内容ですが、その理由がわかれば涙が止まらない、切ない本。大好きな本です。