お早うございますの帽子屋さん by 谷山浩子
谷山浩子さんといえば、独特の世界観を持った作風のシンガーソングライターとして知られている。
私は谷山さんのアルバムを多数聴きこんだというわけではないので、あまり詳しいことは書けない。
だが、その幻想的な作風にはたびたび印象を受け、惹かれもした。
谷山さんは1972年にキングレコードから最初のデビューを果たした。
だが、その後ヤマハのポピュラーソングコンテスト(通称「ポプコン」)にデビュー曲とは別の曲で応募し、入賞。
で、キャニオンレコードから、ポプコン入賞曲で再デビューを果たす。
で、ポプコンで入賞した曲、それが「お早うございますの帽子屋さん」であった。
私がこの曲を知ったのは、当時毎晩深夜12時半から放送されていたラジオ番組「コッキーポップ」で流されているのを聴いて。
もう、1回聴いただけで、この曲は印象深く感じ、心に残った。
コッキーポップで流されていたのは、どれぐらいの期間だったのか、それはわからない。
でも、気がつけばこの曲が流れるのが楽しみで、その番組を聴いてた時期もあった。
「コッキーポップ」は当時アマチュアミュージシャンの登竜門的な番組であったが、番組で流されるアマチュアの楽曲はどれもグレードが高かった。
「ホントにこれアマチュアの曲なの?」と言いたいぐらい。
まあ、ポプコンで優秀な成績を収めた楽曲が流されていたわけだから、そのレベルの高さは妥当だったのだろう。
なにせポプコンといえば、音楽版の「甲子園」と言われていたのだから。
そう、アマチュアミュージシャンがポプコンに出れるということは、高校球児にとって高校球児が甲子園大会に出場できるのと同等の栄誉であった。
以前私はこのブログで、コッキーポップで流された楽曲「哀しみのバラード」という曲を取り上げたことがある。大好きな曲だったし、その曲も1回聴いただけで心に残った曲だったから。その曲が流れるのが楽しみでコッキーポップを聴いてたぐらい。
で、今回取り上げている「お早うございますの帽子屋さん」は、「哀しみのバラーど」に匹敵するぐらい私の心をとらえた曲であった。
「哀しみのバラード」はタイトル通りにバラード系だったが、「お早うございますの帽子屋さん」は前者に比べれば軽快なテンポでありながら、染み込んでくるようなメロディに暖かい歌詞が乗り、全体的にほっこりさせられる可愛い曲だった。
聴いてて心が暖まってくるような。
NHKの「みんなのうた」にも似合う曲だと思ったが、谷山さんの作風と「みんなのうた」は相性がよいみたいで、実際に「みんなの歌」では谷山さんの曲はたびたび取り上げられてきている。
なので、谷山さんの音楽の支持層には、小さな子供たちや、子供時代「みんなのうた」で谷山さんの曲を聴いて大人になった人たちと幅広いファンがいるのではないか。
谷山さんの才能は音楽だけにとどまらず、幻想的な作風を活かして執筆活動にも活かされているようだ。
「お早うございますの帽子屋さん」がよくコッキーポップで流れていた頃、学生だった私は毎朝6時頃に起きていた。
学校までの通学時間に、そこそこ時間がかかったからだ。
コッキーポップは深夜12時半から深夜1時までの放送だったので、番組を聴き終わるともう時間は午前1時。
翌日学校で眠いのはわかりきっていたのだが、ついついこの歌の魅力で午前1時まで聴いてた覚えがある。
もっとも、更にその後のラジオ深夜放送は午前1時から午前3時までの放送。
好きなパーソナリティが担当する深夜放送はついつい3時まで聴いてしまうのも、ままあった。
そんな時は翌日の学校では、授業中に居眠りしていたものだった(笑)。
コッキーポップは深夜1時から始まるラジオ深夜放送の入り口みたいな感覚があった。
まあ、お気に入りパーソナリティは深夜1時から3時までの深夜放送を毎晩担当してたわけではなかったので、深夜3時まで起きてたのは毎晩ではなかったけどね。
とりあえず・・・「お早うございますの帽子屋さん」を聴くと、翌日の寝不足を心配しながらも聴くのをやめられなかった葛藤みたいな気持を思いだす。
翌日の寝不足を覚悟しながらも、この曲を聴いてたわけだから、いかにこの曲が私にとって魅力的だったか・・ということだろう。
この曲を聴くと、コッキーポップの翌日、朝眠い目をこすりながら通学していた時の風景を思い出してしまう。
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