以前にも取り上げたテーマ「校則」。ここでもう一回取り上げてみたくなった。
たいがい、学校には校則というものがある。
その学校が生徒に守らせるルール・・・とでも言えばいいだろうか。
で、その校則は、学校によってまちまちで、校則の「縛り」がゆるやかな学校もあれば、逆に厳しい学校もある。
当然私が通っていた学校にもあった。
何種類もの「決まり」はあったが、私が特に覚えているのは「男子の髪の長さ」であった。
小学校時代の校則は、もう覚えていない。だが、中学や高校の時の校則は、一部は今でも覚えている。中学では男子の髪の毛は、横は耳にかからないこと、うしろは学生服の襟にかからないこと・・・だったと思う。
当時私があこがれたスターや漫画ヒーローは、長髪が多かった。海外のロックスター、日本の芸能人、特撮や漫画やアニメに出てくるキャラクターなどなど。
気分だけでも、そういうヒーローやスターに近付きたかったし、マネをしたかった。
なので、せめて髪の毛を伸ばしたくて仕方なかった。
だが、私の通っていた中学はきびしくて、中々伸ばせなかった。
髪の毛の長さの検査がいつあるかわからないので、いつも、ギリギリのところまで伸ばして、それ以上は我慢していた。
だから、海外のロックスターたちや、日本の芸能人や、漫画ヒーローたちがそれぞれ思い思いのヘアスタイルを自由にしていることがうらやましくて仕方なかった。
よし、ならば、高校に行ったら、もっと伸ばそう・・・と決意(?)していた。
私のイメージの中では、高校は中学よりも髪型は自由度が高いのではないかと思っていたからだ。
ところが、校則による髪型の制約に関しては、高校もまちまちであった。
厳しいところは、中学時代同様にきびしい。だが、自由に長髪にできる高校もあった。
そう、高校によって、その制約は違うのだ。
私が「さあ、髪の毛をのばして、ミュージシャンみたいにするぞ」と意気込んで入学した高校は・・・実は校則による髪の毛の長さに関しては、きびしいほうだった。
これには、完全に「当てが外れた」気分になった。校則は入学して初めて分かったからだった。
それでも、どうにもあきらめきれなかった。
なので、対策(?)として、1学期の後半くらいから少しづつ伸ばし始め、そのまま夏休みに入ってしまえば、少なくても夏休み中はこちらのもんだ・・・と企んだりした。
ある程度その作戦は成功し、夏休み中のクラブ合宿などの写真では、私はその学校の生徒としては、けっこう長髪で写っている。
もっとも、担任の先生からは、やはり目を付けられてはいた。
校則をあまり守らない生徒・・ということで。
先生から母親に注意の電話がいったこともあったほど。
当時、私は学業の方の成績は、むしろクラスでも良いほうだった。なので、先生からの電話の内容は、「学業のほうは全く問題ないのです。なのに、校則を守らないというのは、困ります・・」といった内容だったようだ。
先生としては、当時の私は扱いづらい生徒だったと思う。これで学業のほうも問題ありだったら、学業も態度も問題ありということで、わかりやすく厳しい対応をするのはやりやすかっただろう。
だが、学業は良いが態度に問題あり・・では、先生としても対処しづらい、かわいげのない生徒だったかもしれない。修業中の居眠りや、早弁はしょっちゅうだったし。
まだ、学業は悪いが、態度はいい・・・そんな生徒のほうが、先生にとっては可愛げはあったのではないだろうか。
当時、クラス内は、主に3種類の生徒に別れていた。それは髪型で見分けやすかった。
校則を守る、七三分け、ぼっちゃん刈り、ザンバラヘアの子たち。
運動部に所属する、坊主刈りの子たち。
ツッパリ系のオールバックの子たち。
私は、そのどれでもなかった。孤独な(?)「長髪族」だった。いや、完全に孤独だったというわけでもなく、私の他に1~2人ぐらい長髪族はいたっけ。
不思議だったのは、オールバックのツッパリ族は、髪型は校則に引っ掛かっていなかったこと。
当時校則で決められていた髪の長さは、横髪は耳にかからず、後ろ髪は襟にかからず・・であった。私の髪は、確かにその校則には当てはまっていなかった。だから、注意されるのは仕方なかったとは思う。
ツッパリ族のオールバックは、確かに、横髪は耳にかかってなかったし、後ろ髪も襟にはかかってなく、単に頭頂部の髪を伸ばし、それをオールバックにしていた。
だから、オールバックヘアーは、校則には違反してなかったことになる。
今思えば、オールバック組の髪型は、要領がよかったんだなあと思う。
だから、髪型のことで、長髪族の私は先生に怒られても、オールバック族は、髪の長さのことで先生には何も言われなかった。
どうも、そのへん釈然としない思いは私の中にあったように思う。
当時オールバックはツッパリ・・・いわゆる不良族のトレードマークみたいだったのに。
見た目的には、校則違反で長髪の私は決して「マジメ族」ではなかったが、かといって決して不良族でもなかったと思うのだが・・。
当時、マジメ派も坊主派もツッパリ派も、普段は同じ種族同士で仲が良く、違う種族とはけっこう壁があったようだった。
私は、いわば中間層みたいな感じで、どの種族とも平均して交流していた記憶がある。
もっとも、他のクラスにも、多少なりとも私と似たような長髪族はいたので、そういう奴と廊下やクラブなどで会うと、ちょっと親近感を感じたりはした。
まあ、長髪とはいっても、他の生徒に比べたら長め・・・というだけで、今思えば、さほど「長髪」という言い方をするほどの長さではなく、たとえば髪の毛が肩まで届くほど長かったというわけではない。とはいえ、耳は・・・髪の毛ですっぽり隠れていたかなあ。
後ろ髪は、完全に襟にかかっていたし、襟は髪の毛で隠されていた。
なので、やはり校則違反であることは間違いなかった。だから先生に目を付けられるのは無理もないのだ。
たとえば、都立の高校に通っていた友人は、その学校は校則がゆるやかだったらしく、髪の毛は完全に肩まで伸びていたりした。私はそんな友人と付き合っていたから、羨ましくて仕方なかった。そういう友人の影響もあったのだろう。もちろん、その友人は私同様に音楽を「やる」奴だったから、なおさら。
本当は私も肩まで伸ばしたかったのだが、さすがにそれでは目立ちすぎるので、そこまでは高校時代は伸ばさなかった。もし伸ばしていたら、退学させられていたかもしれないしね。さすがにそこまでややらなかったし、我慢もしていた。
その反動は、大学に行ってから、きた。
大学では、そんな校則はなかったから、いきなり伸ばし始めた。肩までどころか、胸あたりまで伸ばしたりもした。
日本では拓郎(当時の拓郎さんは長かった!)さん、海外ではジョージ・ハリスンやクラプトンみたいに伸ばしてみたいという気持ちがやっと実現できた気がした。
ところが、そこまで伸ばしてみて実感したのだが、そこまで長いと、まず夏は暑くて仕方ないし、髪の毛を洗ったり乾かしたりするのにも時間がかかるし・・・で、デメリットも感じるようになった。
なので、結局は、高校時代よりは長かったが、落ち着いた長さは、当初思っていたほどのロン毛ではなかった。それぐらいが自分にはちょうどいいかなと思った。
でも、それは自分の意思で決めたことであり、校則などで規制されたものではないので、しごく納得。
なにより実際に試してみて分かったことだった。
とりあえず、校則による締め付けには窮屈感を感じた人は、おそらく私だけではなかっただろう。
校則で規制されていると、余計にそれを外れてみたくなった・・・そんな部分もあったように思う。
とはいえ、学校にはその学校なりの方針もあるわけだし、それゆえに子供を入学させる親もいるはず。なので学校が校則を設けるのは仕方ないことだと思う。
その一方で、その校則をリアルタイム体験している生徒にとっては、あまり細かいことまで指定されると、窮屈感や閉塞感を感じるのも、まあ仕方ないとは思う。
校則というテーマでこのネタを書いてみたが、ここでは当時私が一番閉塞感を感じた「髪型」について書いてみた。
校則というのは、学校によって、かなり特色のある校則もあったりするのではないだろうか。
中には、「え?こんな決まりまであるの?」と思えるような校則もあるかもしれない。
皆さんの通った学校には、「え?こんな決まりまであるの?」と思った校則はなかっただろうか?