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気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

キットキット!! 遠く遠く!!  by あがた森魚

2021年07月27日 | 音楽全般

 

この曲は、昔CMでも使われた曲。

海辺の桟橋か何かにどこでもドアが置かれており、ドラえもんがこちらを覗いている・・・・そんな映像だったような記憶がある。

で、そのバックにこの曲が流れていた。

 

遠い目になりそうな気分になってくる映像と楽曲であった。

個人的な思いでは、大人になったのび太が久しぶりにドラえもんと再会したようなシチュエーションにも思えた。

で、ドラえもんと過ごした少年時代へのノスタルジーで胸がほっこりし、再会したドラえもんがどこでもドアで、どんな場所に案内しようとしてるのかというワクワク感をも感じた。

CMでは、のび太は出てきてなかった。

でも。カメラの視点は、大人になったのび太の目であるかのように思えた。

 

そして、そのバックに流れた、あがたさんのこの曲が良くて。

遠い遠い世界にいざなわれているような気にさせられた。

 

CMのドラえもんは、まるで少年時代の世界に誘おうとしてるかのようだった。

さながら、どこでもドアはタイムマシンを兼ねているような感覚で。

 

あがたさんの音楽は、いつもどこかレトロなムードとファンタジー感を醸し出しており、その要素や作風や世界観はこの曲にも見事に反映されていた。

 

♪ どこへ~行ったのだろう~

 

という冒頭ののびやかなメロディ、そして「だろう」の最後の「う」の旋律が大きく上に跳ね上がることで、思いが天空へ舞い上がっていくような魅力があった。

 

私の自作曲の中にも、あがたさんのこういう世界観からも影響を受けたのかもしれないと思える曲はある。

作ってる時に自分では意識してはいなかったけど。後になってそう思うことがあった。

メロディの流れやテンポは全然違っても、あがたさんのこの歌に感じられる色や広がりなどが。

思いが空に跳ね上がっていくような感覚など、特に。

 

それほど、私はあがたさんのこういう作風が好きなんだと思う。

 

 

人間は皆、人それぞれ。

当然、遠くに見えるモノや、遠くにあるような気がしているモノは人それぞれ違う。

 

それはその人が欲しがっているモノなのかもしれないし、人によっては憧れの対象であったりもするし、人によっては目標や夢なのかもしれない。

あるいは行きたい場所なのかもしれないし、人かもしれない。

別のものかもしれない。

 

言えるのは、その人の視線の先の遠くに、何かがあるということ。

それは届くものかもしれないし、結局届かずに終わるものなのかもしれない。

 

だが、視線のはるか先に、何を見るか・・によって、人はそれそれ違ってくる。

 

そんな思いを、私は自作曲に込めて作ったことはある。

歌詞の中に上記のことは明記しなくても、歌詞のバックボーンにはあった。

 

それに共通するものを、あがたさんのこの「キットキット!!遠く遠く!!」にも感じてしまっている私がいる。

 

だから・・この曲が私は大好きなのだろうと思う。

 

あがたさんの名曲、有名曲というと、必ずあがるのが「赤色エレジー」。

その大正ロマンな作風も好きだが、この「キットキット 遠く遠く」はそれ以上の名曲だと私は思っている。

 

あがたさんが一般的に取り上げられる時、とかく「赤色エレジー」だけで済まされることがままある。

確かに「赤色エレジー」はあがたさんの看板曲なんだろうとは思うが、その1曲だけであがたさんを判断してもらいたくない気持ちが私は強い。

 

この日記で取り上げた「キットキット!!遠く遠く!!」を聴いていただければ、その辺をわかっていただけるのではないだろうか。

 

ともかく、素敵な曲だと思う。

 

あがたさんの凄いのは、根底にある音楽の世界観にブレがないことだと思う。

初期から今に至るまで。

 

もっともっと評価されるべきシンガーソングライターだと思う。

 

 

こちら ↓

キットキット!!遠く遠く!!  あがた森魚

 

 

こんなことを書いたら不謹慎かもしれないが、誰かの葬儀などでこの曲が流れたら………切なすぎるかも。

 

 


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2 コメント

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Unknown (鮎川愛)
2021-07-30 13:30:48
こういう曲調の楽曲は、初めて聴きました。

ハミングから始まり、雄大にして甘味なバラードと謂いましょうか…?

他人が決して真似できない歌唱法ですよね。

だんぞうさんの音楽的ルーツは、本当に幅広いですね。
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Unknown (だんぞう)
2021-07-30 17:54:03
こうしたアカペラで始まるアルバムは、たまにありますよ。
メジャーどころでは、ブライアン-ウィルソンの「スマイル」というアルバムなんかがそうです。
本来は1960年代後半の時代に、ビーチボーイズ名義で発表されるはずだったアルバムでした。
今聴いても圧倒されます。

ライブで生で再現された時は感激でした。
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