もうすぐクリスマス。
さまざまなミュージシャンによる、さまざまなクリスマスソングがあちこちで流れている。
世の中にはクリスマスソングというのは、実にたくさんある。
有名な曲もあれば、あまり知られていないクリスマスソングもある。
そんな中で、歌っているのは超有名なミュージシャンなのに、クリスマスソングはあまり知られていないケースもある。
例えば、ビートルズ。
ビートルズといえば、世界でもトップの知名度を誇るスーパースター。というか、ポピュラーソングを聴く人で、ビートルズの名前を知らない人は少ないはず。
だが、ビートルズのクリスマスソングというと、あまり知られていない。
ジョンレノンやポールマッカートニーのソロ名義でのクリスマスソングはかなり知られてはいても。
しかも、そのクリスマスソング、決してカバーソングではなく、ビートルズのオリジナルなのに。
なぜ、ビートルズほどのウルトラメジャーバンドのクリスマスソングがあまり知られていないのか。
それは元々その曲は、ファンクラブ用に作られたものだったからだろう。
ビートルズの公式オリジナルアルバムには収められていない。
なので、チャートインすることもなかった。
ビートルズのクリスマスソング・・・・もうそれだけで、相当な知名度がありそうなものだし、注目もされそうなものだ。
だが、実際は、ビートルズの知名度、他のビートルズソングの知名度に比べたら、比較にならない。
曲を聴いてもらえばわかるが、曲自体は非常にシンプル。
同じメロディを繰り返すのみ。
気負わず、気軽な感じでリラックスして作られた小品・・そんな感じの曲。
特有の親しみやすさはあるし、シンプルなメロディと歌詞なので、誰でもすぐに覚えられそうな曲だ。
高尚なスタンダードナンバー狙いというわけではなく、練り上げられた曲という感じでもない。
もちろん、正規アルバムには入っていないので、あまりヒット狙いという感じには仕上がっていない。
あくまでも、気軽なサービスソングという感じ。
知られていないのは、だからなのかな・・。
ソングライトのクレジットは、メンバー4人ということになっているらしい。
ビートルズ4人全員の作曲名義の曲というと、正式曲では「フライング」「ディグイット」「マギーメイ」ぐらいしかないはず。
「フライング」はインスト曲だったし、「ディグイット」はジャムセッションで演奏された遊びのような曲だった。
「マギーメイ」は本当は伝承曲なのを4人でアレンジした感じ。
その点「Christmas Time(Is Here Again)」は、一応歌詞もあるし、メンバーのオリジナルでもあったことを考えると、この小品は4人名義での共作として、けっこう貴重にも思える。
とはいえ、長らくあまり貴重扱いされてこなかった。
あの世紀のスーパーバンド・ビートルズのオリジナルソングとしては、ちょっと肩すかしをくらうような曲ではある。
あの4人の才能を考えれば、本気になればとんでもない名曲だって作れただろうに・・とも思うが、まあ、ファンクラブへのサービス曲だったことを考えれば、「あまり公にはしないで、ファンクラブのメンバーだけへの、特別プレゼント」という感じだったのだろう。
とりあえず、あまり有名にならなかったからこそ、今となってはそれがこの曲の存在価値につながっていそうな、面白い存在の曲かもしれない。
この曲、多分、その場で急きょ作って録音した曲なのではないかなあ。曲の感じからして、そんな気もしている。
もしも、正規のアルバムに収めたり、シングルにするつもりだったら、サビはこのまま使うにしても、サビ以外のメロディパートも作って加えていたような気はする。
ともあれ、メンバーがリラックスして、肩の力が抜け、気軽に作ったがゆえの楽しさを感じる曲ではある。
ビートルズはビートルズレベルの曲を作らなければいけない・・・というプライドとプレッシャーからのがれて、純粋に音楽を気軽に楽しんで作った曲・・・ということだったのかもしれない。
http://www.youtube.com/watch?v=wt7O2s4I5yM
後年、ビートルズのアンソロジーが発表されましたが、そこに収録されてもおかしくなかった気はします。
でも、かえってこの曲の貴重さを高めているような。
曲の出来としては、そんなたいそうな名曲というほどではないのに、逆に貴重になるというのがビートルズの凄さかもですね。
ジョンがソロ名義で発表したクリスマスソングは、今ではスタンダードナンバーで、クリスマスの定番曲になっていますね。
染み込んでくるような名曲でした。
一方、ポールのクリスマスソングも私は好きでした。
私にはやはりジョンとポールは同格です。
後半は、もはや歌ではなく、「吹雪の中のメッセージ」になっていますね(^-^;
恐らく、この歌は、ビートルズ史上、最も知られていない歌かもしれませんね。
しかし、ビートルズ企画アルバムは、彼らの解散後、多数あるにも関わらず、この歌は、いづれのアルバムにも収録されないことは、謎でさえあります。
当時のファンクラブ限定曲にしても、当時から評判悪かったのでしょうか?( ̄▽ ̄;)
リズムも歌詞も、彼らにしては極めて余りにも平凡ですよね!
これは、売れないミュージシャンに楽曲提供してやるのが、ちょうどふさわしいほど、ビートルズの中では、極めて平凡な歌だと考えます。
ジョン・レノンがソロになってから制作した「ハッピー・クリスマス」は、これに比較したら、遥かに名曲ですね(笑)