昔「大正テレビ寄席」という番組があった。
確か、お昼頃に放送されていたはずだ。
この番組の中で「バーゲンだよ~~~」という妙な歌で始まるコーナーがあった。
司会は牧伸二。通称「マキシン」。
このコーナーが好きだった。
マキシンが舞台の上の机(台?)の後ろに立ち、品物を提示。
それに対して、会場のお客さんがセリのように値段を言っていき、一番高い値段を言った人のものになる。
まあ、オークションといっていいだろう。
けっこう高い値段があがり、それはたいがい品物の値段以上の金額になった。
だが、それに誰も異を唱えないし、損だとも思わない。
なぜなら、セリ落とした品物には、必ず「おまけ」がついたからだ。
この「おまけ」がまたすごかった。
本来の品物以上の「おまけ」が貰えたのだ。
中には「え??こんなものまでつけてしまうの??」と思わされることが多く、結局お客さんは値段以上の品物をもらうことになり、損どころか得だったのだ。
もし今出ていたら、ギターで例えれば、5~6万円くらいギターの中級機種を10万円くらいで競り落としたら、「オマケ」でマーチンギター本体、キャリングバック、エフェクター、スペア弦1ダースなどが付いてくるような感覚かもしれない(?)。
ずいぶん太っ腹な番組に思えた。
このバーゲンに参加したお客さんのほとんどが、この「おまけ」目当てだったに違いない。
なにしろ、本来の品物を貰えるだけではどう考えても損になる金額で競り落とす。
でも、本来の品物以上に、「これでもか!」ってぐらいの豪華な「おまけ」がつく。
こんな大盤振る舞いな企画を続けてて、テレビ局は・・番組は大丈夫なのか?と、幼心に思ったもんだった。
このコーナーは非常に人気があり、確か番組そのものが終了するまで続いたのではないだろうか。
いつか大人になったら、大正テレビ寄席の番組を収録している会場にいき、この「バーゲン」に参加してみたいと思ってたもんだ。
でも、気づけばいつのまにか番組は終わってしまった。
私が大人になる前に。
この番組が放送されてた頃は、私はまだまだ小さい少年だったし、もう今となっては記憶もおぼろげだ。
でも、払ったお金以上の品物が貰えるこのバーゲンのインパクトは忘れられない。
今思えば「大盤振る舞い」の元祖のような番組だった。
そういや、マキシンは最近あまりテレビで見かけなくなった。
彼のウクレレ漫談は好きだった。
私はたまに家でウクレレを弾くことがあるのだが、油断すると(?)ついマキシンの「♪あ~~やんなっちゃった~」を弾いてしまう(笑)。
あの曲にはハワイアンで原曲があるのだが、日本ではマキシンのトレードマークとしてすっかり定着している。
あのウクレレ漫談という芸を、誰か若手が次世代に頑張って伝えていってもらいたい。
おそらく、お弟子さんはいると思うのだが。
マキシンの代で終わらせるのは、もったいないヨ。
残していくべき芸能だと思う。
廃れてしまっちゃ・・・それこそ「♪あ~~ やんなっちゃった」だよ。
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