ちょっと前のことになるが、お気に入りのテレビ番組「こころ旅」を見ていたら、番組内で、「わんぱく砦」という古いドラマの名前が出てきた。
「こころ旅」は、以前にもこのブログで取りあげたこともあるぐらい私の好きな番組。
視聴者が、それぞれの思い入れのある場所と、それにまつわる思い出を綴った手紙を番組あてに送り、番組のメインパーソナリティである火野正平さんがその投書に綴られている場所に自転車で実際に出向き、その場所が今はどうなっているかを紹介する「旅番組」だ。
ある日、いつものようにこの番組を見ていたら、火野さんが読み上げる投書の文の中に、私の聞き覚えのある「古いドラマの主題歌」の歌詞が出てきた。
出だしの歌詞だけ抜き出すと・・
「♪ 昔の兵隊さんは鉄砲かついでトットコト~、今の兵隊さんはジェット機飛ばしてゴーゴーゴー」
だ。
「お、この歌、知ってる。懐かしい」なんて思いながら番組を見ていたら、なんと!それを読み上げている火野さんは、若いころにその番組に出ていたというではないか。
びっくりした。
上記の出だしで始まる主題歌は、今でも私は覚えているし、その気になればギター弾いて歌うこともできる。それぐらい、はっきり覚えている。
だが・・その主題歌を覚えているだけで、番組の内容の方は私は全く覚えていない。
歌を覚えているぐらいだから、私はその番組を見ていたのだ。
しかも、番組の内容だけでなく、実はそのドラマのメインタイトルすら私は覚えていなかった。
ただ主題歌のその出だしの歌詞に反応し、その歌詞が火野さん自身に読み上げられている「こころ旅」を見続け、そのドラマのタイトルは「わんぱく砦」というものだということが分かった。
そのドラマの出演者だった火野さんいわく、「かなりの人気ドラマだった」らしい。
出演時には、当時10代だった火野さんあてには、大量のファンレターが届いていたそうだ。
私のうろ覚えでは、その主題歌は、てっきり何かのアニメのエンディングソングかと思っていた。
だがそれは間違いで、若かりし頃の火野さんが出ていたドラマの、しかも「主題歌」である・・というのが正解だったわけだ。
それがわかったので、ちょっとネットで調べてみた。
すると・・1960年代後半にTBS系で毎週日曜18時30分から19時にかけて放送されていた30分ドラマで、子供向けの時代劇であったことが分かった。
原作は、漫画家・中島たおさんだったらしい。
そうか、時代劇だったのか・・・。
私が見たのはリアルタイムだったのか、あるいは再放送だったのかは、わからない。
幼かったため内容の方は全然思い出せないのに、主題歌だけは覚えている・・というのは、いかにその主題歌が私にとって印象的であったかの証拠だろう。
子供向け時代劇ということで、時代劇であるにもかかわらず宇宙人は出てくるわ、UFOは出てくるわ・・・の、コメディドラマだったらしい。
それにしても・・そのドラマに火野さんが出ていたとは・・・。
しかもメイン級の役で。
火野さんが演じていたのは、そろばんが得意な伴刀左ェ門の役。
歌詞の中にも役名が出てくるぐらいの、メインの役。
ちなみに、火野さんは「二瓶 康一」という本名で出ていたようだ
その頃のことを思い出しながら火野さんは、「わんぱく砦は大人気番組で、ファンレターは大量にきたし、多数のファンが家の前まで押しかけてきた。」と語っていたが、同時に「でも、番組が終わって半年もしたら、手紙はまったく来なくなったし、ファンが家まで押し掛けてくることもなくなった。その時、芸能界の厳しさというものを教わった」とも語っていた。
そういう風潮は、きっと今でも基本的にはあまり変わっていないのだろう。
つくづく、人の関心・・・というものは、今も昔も移り気なものだ・・ということだろう。
ドラマの内容を全く覚えていない私としては、一度くらいそのドラマを見なおしてみたい気もする。
10代の火野さんが出ている・・ということを踏まえて見直したら、余計に楽しめるかもしれない。
ちなみに私が火野正平さんという役者を初めて認識したのは、青春ドラマでだった。
特に印象に残っているのは「飛び出せ青春」だった。
確か、不良系の高校生の役柄だったと思う。
どこか世の中をすねたようなキャラクターぶりが、かなり印象的だった。
でも、それから何十年もの年月が過ぎ、今では火野さんは、日本全国、訪れる先々で愛されるおじさん・・というか、年齢的には爺さん(←失礼?)になっている。
そう、好感度の高いお爺さん。
番組を見てると、愛されるのも分かる気がする。
「こころ旅」という旅番組のオファーを受けた時、それを受けた理由を火野さんは「生活苦のため」と語っていた。
あれほどのベテラン役者が。
でも、受けて大正解だったのでは。
「こころ旅」が面白いのは、火野さんのキャラによるものも大きいから。
なお、写真は「こころ旅」とは関係ありません。
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