時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

滝見台への道

2014年09月12日 | 

天人峡の名所、羽衣の滝と敷島の滝の両方を上から眺められるというビューポイントである滝見台への登山道に私は入ってゆく。

昨日から手持ちのカメラのバッテリーが切れてしまい、やむなく携帯のカメラでの撮影になってしまっているのが、少し残念だった。

買ったばかりの新品カメラだったので、バッテリーがどれぐらいもつかをよく把握してなかったのが悔やまれた。

まあ、それはともかく。

 

登山道の入り口は、宿の前の橋を渡ったところにあった。位置的には宿のまん前みたいな感覚。

 

 

 

入り口には、入山届けの帳面があり、そこに自分の名前と、入山時間を記し、いざ登山道へ。これを記しておかないと、万一遭難した時に、気づいてもらえないかもしれない。

 

コース的には「軽登山」ということだが、これがいきなりキッツイ。かなりの急傾斜を延々と登ってゆくことに。なめると、苦労することになると思う。

登山道は、ジグザグに続いている。後で聞いたところによると、ジグザグは33もあるようだ。33ものジグザグの急斜面を登っていくわけだ。

 

 

 

登り始めて振り返ると、木々の間に、下界の様子が見える。私が泊る宿が、いつのまにかはるか眼下に小さくなっているのが分かる。

 普段の運動不足も祟ってか、この登りがだんだんしんどくなってくる。

なんでも、この登りの高低差は230メートルだとか。これが、非常に長く感じた。

本格登山をやる人にとってはたいしたことはないのかもしれないが・・。

やがて、私は休み休み登ることに。

汗が吹き出しまくる。

 

 

 

 

 

ふうふう・・としばらく登ってゆくと、木々の間に滝らしきものが見えてくる。水が落ちる音も聞こえる。きっとあれが羽衣の滝なんだろう。ということは、もうすぐ滝見台か?などと思うが、いっこうに着かない。

 

 

 

やがて、看板が見えてくる。

滝見台まであと1500メートルとある。まだそんなにあるのかあ・・・とため息。

 

 

 

だが、このジグザグの急な登りが滝見台までずっと続いているというわけでもなく、登り坂が終わった後は、あとは案外平坦な道が続く。

ここで少し救われた気になる。歩くスピードもペースアップ。

きっと、もうすぐだろう・・・そう自分に言い聞かせて進む。

やがて・・・道の先に開けた場所が現れた。ベンチも置いてある!

ここだ、ここに違いない!やっと着いたのだ・・そう思い、はやる心を抑え、前に進む。

滝見台と書かれた看板はないけれど、どう見てもここが滝見台であることは一目瞭然。

 

 

 

前に進むと、木々の間から・・・存在感のある滝が見える。しかも、滝の全景が見える。

これが・・・羽衣の滝だ・・。

確かに、美しい。

水の落ち方は何段かに別れ、その流れが細くなってる個所によっては糸のようにも見え、風流な趣がある。なにやら上品でもある。

天人峡まで来たからには、こりゃ見ておきたくなるのは人情だと思う。

 

 

 

話によると、本来観光客が行けるはずの谷の遊歩道からは、近くて手軽に行けるかわりに滝の全景は見えないらしい。少なくても、上のほうは見れないらしい。

だが、この滝見台からは、羽衣の滝の全景が見えるのだ。上の方もしっかり見える。ズームすると、2箇所から水が流れ落ちているのが見えた。

 

 

 

ここまで来るまでの苦労もあって、しばし滝に見とれながら一休みし、時間をやりすごす。

 

 

 

 

 

ふと視線を右にずらせば、遠くにもうひとつの滝らしきものが見える。

それが敷島の滝であろう。だが、遠いので、やや分かりづらい。

 

 

 

敷島の滝は少しここからでは分かりづらいが、とりあえずこの滝見台からは羽衣の滝と敷島の滝の両方が、ここから見ることができる。

 

比較するのもナンだが、この場所からだと二つの滝が見れるので、つい比較してしまった。

やはり羽衣の滝の存在感が圧倒的で、遠景で見くらべると、どうも敷島の滝は見劣りしてしまって見えた。

きっと、敷島の滝も、近くで見たら、羽衣の滝とは違った良さがあるのだろう。

 

 

なんでも、羽衣の滝は本来遊歩道で15分くらいの歩きで行けるが、敷島の滝は位置的に羽衣の滝よりも奥にあり、敷島の滝へのルートは、決して楽な道ではない・・と書かれた記事をネット上で見かけたことがある。あまり手軽に行けるルートではないらしい。

まあ、どちらにせよ、2014年現在の段階では、そのどちらの滝にも歩きでは近づけない。

見るなら、この滝見台に登って見るしかないのだ。まあ、ひょうたん沼コースというのもあるらしいが、整備されていないということは、この滝見台への登山ルートよりもきついのだろうか。

 

 

思うに、この滝見台への登山ルートは、普段登山をしないお年寄りには、あまりお勧めできない気はする。なにより最初の高低差230メートルの登山は、バスツアーなどで気軽に観光にきたお年寄りには無理な場合もありそうだ。

そうそう気軽に来れるルートではないと思えるから。

 

登山道は場所によってはかなり狭く、ましてや急こう配なので、一歩間違えたら足を滑らせて滑落する危険性は感じた。きついのは登りだが、より危険なのは下りかな。実際、この登山道での事故は、下りのほうが多いらしい。

 

2014年現在、せっかく天人峡に来たのに、羽衣の滝への遊歩道が閉鎖されていて行けなくて、諦めきれずにこの滝見台登山をする人は、下りの時こそ気をつけてほしい。

羽衣の滝目当てで天人峡に来た人は、滝見台登山をする人は多いとも思えるから。

この滝見台登山道は人気のコースらしいが、2014年現在の段階では羽衣の滝の全景を見るにはここを登るしかないから・・というのもあるだろう。

 

今更ナンだが、この滝見台で羽衣の滝の全景を見たら、なおさら滝を近くで見たくなったのも事実だった。羽衣の滝への遊歩道をふさぐ土砂を取り除くには、莫大な費用がかかるらしい。それゆえ、そのコストがネックになって、閉鎖されたままになっているらしい。

かといって、このままの状態でいたら、天人峡はますます寂れていくだろう。

 

羽衣の滝は観光名所にふさわしい美観だと思うので、滝見台まで登っていける体力や時間の余裕がある人だけが見ることができる・・・そんな状態にしておくのには、もったいなさすぎる気がするので、個人的に早く遊歩道が復興すればいいのに・・・と思う。

 

滝見台では、晴れていれば旭岳の山頂も見れるらしい。看板もある。この日、旭岳の山頂は曇ってて見えなかったが、はるか遠望で、旭岳ロープウェイが動いているのが見えた。

 

 

 ↑ 旭岳方面はガスってて、この携帯写真からじゃ分かりづらいが、この角度から一番奥に写っている山が旭岳方面で、そこにロープウェイが動いているのが見えた。

 

滝見台のベンチに座って、先ほど滝見台のベンチの写真を撮ったアングルと逆のアングルでも写真を撮ってみた。

 

↑ 写真の右側には、ベンチの向こうにさっき私が歩いてきた道が写っており、ベンチの左側の向こうには、更なるルートがあるのが分かるだろう。

そのルートはトムラウシ山方面への登山口になっているようだ。

本格登山で、縦走などをする人は、このルートを歩いてゆくのであろう。

 

 

しばし滝見台で、滝が流れおちる音があたりに響いているのを聞きながら、滝の美観に見とれながら一休みした後、私はさっき来た道を戻って一気に下山した。

滑落に注意しながらの歩きではあったが、さすがに体力的には下りは楽であった。

 

登山道の入り口に戻った時に、さっき記した入山帳に、下山した時間を記したのは言うまでもない。

結局、登りに1時間ちょっとかかり、下山には一時間もかからなかった。登りは途中で休みながら登ったが、下りは休憩なしで一気に進めた。

ちょっとした達成感はあった。

 

さあ、あとは宿でゆっくりしよう。時間的にはもう十分にチェックインできる時間であった。

 

 

 

 


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