以前、某歴史雑誌で、三国志の人物人気ランキングが発表されたことがあった。
それによると、そのランキングの結果は以下の通りだったらしい。
1位 諸葛孔明
2位 関羽
3位 曹操・趙雲・劉備
6位 呂布
7位 張飛
8位 姜維
9位 張遼
10位 徐庶
主だった所は、妥当な結果かもしれないね。
三国志といえば、魏・呉・蜀の3国で、それぞれの国に魅力的な人物は多数いる。
にもかかわらずランクイン武将が蜀の武将が多いのは、三国志ドラマやコミックなどでは蜀が主役的に描かれることが多いので、仕方ないか。
それは三国志が映像化される場合、「正史三国志」よりも、史実をフィクションで膨らませた「三国志演義」が元にされることが多いからであろう。
三国志の人気人物ランキングでは、孔明に関しては別格扱いにして、もう殿堂入り人物にしてもいいのではないか。
じゃないと、トップが固定化してしまいそう(笑)。
個人的には、姜維が8位に入っていたのが少し意外でもあり、嬉しくもあり。
というのは、私自身が「三国志お気に入り人物リスト」を作ったら、姜維は筆頭クラスだから。
「蜀の五虎将」のうち、関羽・張飛・趙雲の3人は無事にランクイン。
「蜀の五虎将」の残り2人の武将である馬超と黄忠はランクインならず・・。
個人的には馬超などは大のお気に入りなので入ってほしかったが、そうなると黄忠だけがランクインならずみたいになってしまうので、それはそれで心残りになりそう。黄忠は、あの夏侯淵を討取るという、蜀にとっての大手柄をあげているしね。
まあ、馬超は正史三国志と三国志演義とで描かれ方が違うのは他の武将と同じだが、とりあえず劉備軍に入ってからは、あまり目立った活躍はしてないようではあるし、仕方ないのかな・・。
ちなみに張飛に関しては、日本よりもむしろ本国中国での人気が高いようだ。中国で人気投票したらベスト3以内に入るのかもしれない。
個人的に特に残念なのは、鳳統が入っていないこと。彼は劉備の入蜀の際の功労者なのに。
私は孔明と同じぐらい好きな人物は、姜維と鳳統なのだが、姜維と共に鳳統にも入ってほしかった・・。
なぜ私が姜維と鳳統に肩入れするかというと、明確な理由がある。
それは2人とも三国志演義では実力も才能もトップクラスの評価なのに、運に恵まれず、あまり報われなかった気がするから。だからこそ、票を入れたい。
まあ、姜維は三国志正史では賛否両論ある人物ではあるし、鳳統は活躍した期間が短いからなあ。
でも、そういう意味では徐庶もそうだと思えるのだが。
徐庶に関しては、どうも不完全燃焼に終わった気がしているし。
魏の国からは、君主である曹操は当然として、武将としては張遼が孤軍奮闘的にランクイン。
張遼は、魏の武将でありながらも、蜀の関羽とも仲が良かった。
張遼の武力の魅力もさることながら、忠義を重んじるキャラクター性と、関羽と仲が良かったという点もランクインの理由ではないだろうか。
他には、このランキング入りならなかった夏侯淳などは、最近ゲームなどの影響で人気上昇中なので、将来はランクインがあるかもしれない。
ちなみに、やりとげた結果を考えると、司馬仲達などは入ってもおかしくないのだが、相変わらず人気は低目。
まあ、彼は最終的には大きく報われた気がするので、名より実を取った・・・ということにしておこう。
日本でいえば、徳川家康みたいなもの???
気の毒なのは、呉の国の武将。
魏・呉・蜀の3国以外の人物である呂布がランクインしてるのにもかかわらず、呉の国からは1人もランクインしていない・・。
君主の孫権すら入っていない。少なくても周癒ぐらいは入ってもおかしくないのに。
私なら絶対に周癒も入れるなあ。だって・・レッドクリフこと「赤壁の戦い」での事実上の主役であり、勝利者でもあるのだから・・。
三国以外の勢力で唯一ランクインしてる呂布は、まあ、その武力を考えれば、納得。
なんてったって、三国志界で最強の武力を誇る人物だもの。
中国史上最強クラスの武人としては、「史記」に出てくる項羽か、はたまた「三国志」の呂布か、、、とも言われるくらいだもの。
もし項羽と呂布が戦ったら、どちらが強いんだろう、、、などと妄想すると、ちょっと楽しい。
なんか、項羽と呂布って、イメージが似てるんだよなあ。どちらも最強武人であり、どちらも絶世の美女が関わっているし。
とりあえず、上記のランキングで漏れた人物では、個人的には周癒と鳳統には、いずれ入ってもらいたいかな。周癒に至っては、入っていないのがおかしいくらいに思える、メイン級の人物だし。
きっと、ランキングをベスト30ぐらいまで広げれば、呉の国の武将はけっこう入ってくるんだろうね。
もっとも、こういうランキングは、どういう媒体が、どういうファンをターゲットにアンケートをとるかによって、ランクインしてくる人物は、多少違ってくるとは思う。
違う媒体が「三国志人気人物人気投票」でもしたら、周癒などは上位にランクインしてもおかしくない。
ちなみに、こういう人気投票ランキングではまず入ってこない武将ながら、後世の三国志ゲームなどで、理不尽なくらい最低の評価・能力値を設定される超ザコ武将がいる。
それは曹豹(そうひょう)という武将だ。
曹という姓ではあるが、曹操とは何の関係もなければ一族でもない人物。
昨今の三国志ゲーム上で、そのあまりのザコぶり、能力値的にひどい扱いゆえ、かえって一部の三国志マニアの間ではカルト的な大人気を誇る。
ある意味、隠れたスーパースターなのかもしれない。いわば、スーパー・ザコ・スターか。
こんな人物がランキングにもし入ってきたら、その投票者たちは相当なマニアであろう。
曹豹は、死後1800年も未来の時代に、まさかこんなに人気を集めようとは、夢にも思っていなかったに違いない。
あの世でひそかに曹豹はこう思っているかもしれない。
「ヘッヘッヘッ、張飛の奴め、さまあみろい。三国志の時代では、よくもコケにしやがったな。あの時代ではお前にやらちまったが、21世紀の世界では、いつしかお前の人気を抜いてやるわ。酔いつぶれて待っていやがれ。」
もっとも、、、そんな曹豹ではあるが、最近ではゲームなどで、彼を上回る、、、じゃなかった、彼を下回るウルトラザコ武将も登場している。
それは、蜀の宦官だった黄皓という人物で、劉備や孔明たちが命をかけて築いた蜀の国を内部から堕落させた張本人とみなされることが多い人物だ。
これはもう、、どうしようもないくらいの能力値でゲームに登場したりする。
蜀のファンの恨みを一身に集める黄皓の能力値に比べたら、曹豹はまだまともに思えるぐらいだ。
まさに最弱の極み。
さて、黄皓が曹豹を抜いてスーパーザコ武将としての人気を集める日は来るのだろうか(笑)。
でも、多くの三国志ファンの黄皓に対する思いは、「お前だけは絶対に許せん」だからなあ。
なんていうか、曹豹には、黄皓には感じられない「憎めない」イメージがあるんだよなあ。実際の曹豹がどんな人間性だったかは、今となっては誰もわからないのに、不思議。
ん?
何やら、声が聞こえるぞ。これは黄皓の声のようだ。
「キ~~ッ、くやしい。どうせ、あたしゃ嫌われものですよ~だ。ふん!」。
・・・。
あれれ?
なにやら、曹豹の声も聞こえるぞ。
「ヘッヘッヘッ、・・・やっぱ、俺だろ?俺のような三国志スターもいるってことよ。」
特に諸葛孔明は、本家中国でも、韓国でも圧倒的ダントツ人気らしいです。
「東アジア親善友好のシンボル」にふさわしいですね(笑)
『三国志』でも、『水滸伝』でも、膨大な人物が登場する譚(はなし)は、昔から大変人気がありますよね。
かなり昔ですが、「中国を理解するには、「四書五経(儒教経典)」よりも、『三国志』『水滸伝』を読もう!」というキャッチフレーズがありました。
道徳的古典を読むよりは、武人たちが縦横無尽な活躍を見せる譚の方が圧倒的に楽しいに違いありません。
中国では儒教は一部特権階級だけの専有物でしたが、『三国志』は階層を越えて幅広く愛され読まれてきました。
「中国を理解するには…」というのは、この事にあるからでしょう。
ということは、韓国でも三国志は人気あるんですね。
まあ、世界的な歴史文学でもありますからね、三国志は。
三国志も水滸伝も多数の登場人物がいて、また、それぞれ魅力ある人物が多数いますものね。
以前何かの本で読んだんですが、中国では、子供に三国志を読ますとずる賢くなり、水滸伝を読ませると反骨の人になる、、、そんな説があるみたいですね。
まあ、今もそういう説があるかどうかは私にはわかりませんが、、、。
でも、、、その説、ある程度はなんとなくわかる気はします。