大学時代、私は音楽サークルに所属していた。
同学年のサークル仲間の中に、熱心なオフコースファンのI君がいて、彼はオフコース以外は音楽じゃない…みたいな惚れ込みようで、音楽活動ではオフコースの曲ばかりカバーしていた。
彼が文化祭用にオフコースバンドを組む時、私にギターで参加してほしいとオファーしてきた。
せっかくのオファーだったので私は気軽に了承した。
まあ、後に私は自分でバンドをくみ、オフコースバンドからは離れてしまったけど。
オフコースコピーバンドに入った時は、当然のことながらバンマスからオフコースの曲が収録されたカセットテープを渡された私は、とにもかくにもオフコースを聴いてみた。
それまで私はオフコースの曲は、ヒットした曲くらいしか知らなかったのだが、テープを聴いてみたら、これが凄く良かった。
I君のオフコース普及活動はサークル内にだんだん広がり、しまいにはサークル内の多くのメンバーがオフコースを好きになった。
サークルではちょっとしたオフコースブームがおこり、女子部員の中には鍵盤の弾き語りでオフコースを歌う子もでてきたし、自身では楽器を弾かない人K君も誰かにバックをやってもらってオフコースの曲を人前で歌うようになった。
で、今回取り上げる「愛の唄」は、そのK君が取り上げてた曲。
本当に心に染み込むような名曲だった。
作詞作曲は小田和正さん。
メロディーラインなど、いかにも小田和正さんらしい流れの、きれいでセンチなメロディー。うっとりするようなメロディーだ。
こんなにきれいなメロディーが、あの小田和正さんのソフトでありながらも芯のある歌声で歌われると、思わず「ズルイ」と思ってしまうほど(笑)。
私のサークルの中では、K 君の代名詞的なレパートリーに思えていた。
オフコースの曲には良い曲が多いと思うが、その中でも「愛の唄」は掛け値無しの名曲だと思う。
初めてこの曲を聴いた人の中には、聞き惚れてしまう人は多いのでは。
話によると、この曲は、70年代の後半頃、アメリカ進出を考えてたオフコースが、この曲のデモテープを、あのカーペンターズに送ったらしい。ただし、歌詞は英語版で。
なのでこの曲はカーペンターズによってカバーされる可能性もあったようだ。
噂では、カーペンターズ側もこの曲を気に入ったらしい。
だが何らかの理由があったのかどうかは知らないか、それは実現しなかった。
そんなことを知った上でこの曲を聴いてみると、なるぼど確かにカーペンターズが歌ってもおかしくない曲調だし、カーペンターズにはピッタリな曲にも思えるし、似合いそうだ。「イエスタデイワンスモア」系のアレンジでも、しっくりくるし、違和感がない。
カーペンターズが歌う「愛の唄」もきっと素敵な仕上がりになっただろうね。
聴いてみたかった。実現しなかったのは、あまりに残念。
カーペンターズがこの曲を歌ってたらどうなったか…ということを、少し想像してみてほしい。
割と違和感なく、すんなりとイメージできるのではないだろうか?
昨今、70年代後半から80年代の日本のニューミュージックと呼ばれた音楽がシティーポップとして諸外国から人気を集めているが、いっそこの曲をカバーする外国ミュージシャンが出てこないかなあなどと思ったりする。今からでも遅くないから、
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