
どこかに出かけた時に、おみやげ屋に寄り、あれこれ買い物をしてた時、あるTシャツに目が止まった。
そのTシャツは、なんと・・四谷怪談のTシャツであった。
そのTシャツには大きな提灯が描かれており、その提灯には顔があり、その顔は・・・お岩さんの顔であった。
お岩さんの顔のTシャツがアップになっていて、しかも、そのお岩さんが口を開けている絵柄であった。
つまり、お岩さん提灯の絵が描かれたTシャツであった。そう、人呼んで「提灯お岩」さん。
うっ!なんというTシャツだ・・こういうTシャツがあったとは・・そう思いながらもインパクトは絶大。
思わず私は・・・買ってしまったのだった。
このTシャツを着て、町を歩いたら・・・注目を集めるか、あるいは人は私を避けて近付かないかもしれない・・・そう思ったかどうかはさだかではないが、そのインパクトにつられたのは確かであった。
こういうTシャツを着ている奴なんて、そうはいないぞ・・・と思ったはず。
確かにこういうTシャツを着ている人など、いまだに見たことが無い。
町だけでなく、ステージ衣装でも見たことがない。
自分で着るつもりで買ったのか、あるいは誰かへのおみやげにするつもりだったのかは、今となっては思い出せない。
妖怪をデフォルメして可愛いキャラにして、それをプリントしたTシャツなら見たことがある。その場合、妖怪とは水木しげる先生の妖怪である。
一反木綿など。
ただ、水木妖怪というのは、どこか愛嬌がある。水木先生のそのキャラへの愛情も感じるし、なにより水木妖怪は今は日本中に浸透して、愛されている。
なので、水木妖怪のTシャツは何度も見かけた。
だが、あのお岩さんTシャツのお岩さんは、水木妖怪とは違い、おどろおどろしかった。
江戸の昔の絵師によって描かれた、迫力や怖さもある絵だった。
試しに「お岩さん 提灯」のワードで検索してもらうと、江戸の昔の絵師によって描かれたお岩さんの提灯の画像が見つかるはずだ。
で、私が買ったTシャツは、その画像がプリントされていた・・・そう考えてもらうとわかりやすいだろう。
ともかく、そのTシャツを買って帰り、あらためてそのTシャツを見てみたら・・・けっこう怖いんだよね。
珍しいTシャツだから、誰かにプレゼントしようと思った。
でも・・・誰にあげようか考えていたら、別の考えが頭に浮かんできた。
このTシャツ、誰かにあげて、喜ばれるだろうか?という疑問だ。
特に女の子にあげようものなら、かえって嫌われそうな気がした。
女の子は・・普通はこういう怖いのは苦手な子が多いだろうし。
かといって・・
男にあげても、・・・不吉に思って、着ないかもしれない。
それどころか、処分したいと思うかもしれない。
だが、処分したくても、相手がお岩さんTシャツでは、うかつに扱うこともできないかもしれない。
つまり、扱いに困るのでは。
・・・そう思うようになっていった。
ならば、私が着ればいいか。
そうも思った。
だが・・いざ着ようとしてみると、どんな時に着ようか・・とか、お岩さんをこういうふうに扱ってもいいのか・・・とも思うようになった。
しまいには私自身も、そのTシャツの扱いに困るようになっていった。
で、同時に思ったのが、「よかった、女の子にあげなくて・・」。
結局、そのTシャツは私も着ることはなかった。
そのTシャツ、結局どうしたのだろう。
よく覚えていない。気が付いたらなくなっていた・・気がする。
私は日本人だ。
平均的な日本人なので、平均的に四谷怪談のことは知っている。
ストーリーも、お岩さんという存在の境遇や設定、キャラクターも。
更に書くと、実在したお岩さんは、良妻であったことも知っている。あくまでも、四谷怪談のお岩さん像は、架空のキャラである。でも、いくら架空の幽霊であっても、四谷怪談を演じたり、映像化する場合は四谷稲荷にお参りしないと、よくないことが起こる・・という説も知っている。
なまじ知っているから、気分的にかえって着れなかったのかもしれない。
ならば、四谷怪談のこともお岩さんのことも知らない外国人なら、あまりこだわりなく、絵柄のインパクトで気に入ってくれたかもしれない。
あくまでも古い和風のデザインを新鮮に感じてくれたかもしれない。
お岩さんも、外国人が相手では仕方ない・・・と思ったのでは。
そういえば、あのTシャツを買ったおみやげ屋には、外国人客も多数来ていた。
・・・あ、そうか、あのTシャツはむしろ日本人ではなく、外国人をターゲットにした外国人向けのTシャツだったのではないか。
それに気づくのが私は・・遅かった・・・。
今思うと、あのTシャツを買ったのは、多分・・浅草あたりだったと思う。
浅草には、外国人をターゲットにしたおみやげ屋は豊富だからね。
ともかく、上記の一件以後、私はああいうTシャツは、もう買うのはやめようとは思うようになったのは確かだ。
ちなみに・・・あなたは、お岩さんがプリントされたおどろおどろしいTシャツを貰ったら、喜びますか?着ますか?
あ、コンセプト次第では、バンドのステージ衣装には使えるかもしれないね。
パンクやヘビメタあたりとか。
ある年代以上の日本人にとっては「四谷怪談」や「お岩さん」は恐怖の対象ですが、
オリジナルの話というかキャラクターの謂れを知らない外国の方にとっては、
グロテスクさよりもユニークであったりポップに映るのかもしれません。
和柄のTシャツもよく見ますが、龍とか虎とか、あとは風神雷神みたいなのが
一般的なモチーフなのかな…
妖怪柄(水木先生系は除いて)とかお化け・幽霊の描かれたTシャツってあまり見ませんね。
売ってるのもあまり見ませんので、それなりにレアなのでは(笑)
それにしてもお岩さん、
自分が日本一有名な怪談話の主人公にされている事を知ったらどう思うでしょうね。
確かに、西洋人向けですね。
そういう「日本土産で、日本らしさ」が、よく表現されている衣類は、西洋人は大変喜びますから。
もし私が、そのTシャツもらったとしたら、「寝巻きに、ちょうどいい」とお気に入りにしていたかも(笑)
普段から、仕事ではもちろん、私服としてもレディース・スーツばかり着ている私には、そういうTシャツで買い物や友達と遊びに行くのは、とても新鮮ですよね。
もし見つかったら、私が予約します(笑)
ふとした時に、出てきますよ、きっと…。
その絵がTシャツの真ん中に大きくプリントされてたので、インパクト絶大でした。
日本人は四谷怪談をよく知ってるので、あの絵に対して恐れや畏怖を感じますが、西洋人に提灯お岩さんはどう映るのでしょうね。
あ、でも北斎は今は世界中で有名ですし、リスペクトされてるから、案外提灯お岩さんも知られていたりして、、、。
最近は、日本人以上に着物をきれいに着こなす西洋人も増えてますし。
四谷怪談のTシャツが今も売られているかどうかはわかりませんが、外国人へのお土産には喜ばれそうな気がします。
レディーススーツの中からいきなり四谷怪談の絵柄のTシャツがあらわれたら、相当なインパクトだと思います。
さて「yurei」「obake」「youkai」等の日本語が、海外でメジャーになる日が来るのかな。
背筋がぞっとする事を考えれば、まさに「cool japan」なんですがね(笑)
怖さの質が違います。
まあ、妖怪は幽霊よりはモンスターに近い気もしますが、水木先生の功績もあるのか、ちょっと愛嬌がありますね。
youkai, obake, yureiなどの言葉が海外にも広まると、嬉しいですし、楽しいです。
いずれ、サムライや忍者などと並ぶ、日本の生んだキャラクターとして。
一方、日本の怪談の主人公は、視覚的な恐怖で相手を精神的に追い詰めて破滅させる…
怖さに対する基準というか、質が違うんでしょうね。
私は日本の怪談も外国のホラーも両方苦手です(笑)
ホラー映画なんて高校生の時に観た「エクソシスト」以来、観てません。
「リング」なんかは向こうでもそこそこヒットしたし、
今の技術を使って「東海道四谷怪談」を映画化して、世界配給したらヒットするのでは〜?
あの戸板返しのシーンなんてアメリカじゃ映画館で悲鳴が上がりますよ、きっと。