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気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

おしん 再放送 を見て。

2020年04月12日 | レビュー(テレビ、ゲーム、本、映画、その他)

 

 

出社する時間が昔より少し遅くなったので、毎朝NHKの連ドラ「おしん」の再放送を観続けた。

仕事の都合上出社が早くなることもあり、そんな日は見れなかった。だがそれ以外の日は、大概観ていた。

観逃した回があった時は、土曜の深夜の1週間分まとめてのアンコール放送を見るようにしていたので、観逃した回というのは、ほとんどなかったと思う。

先日その再放送も終わったし、ここに取り上げておくことにする。

 

連ドラ「おしん」の本放送は、1983年4月4日から1984年の3月31日までだった。

この記事を書いてるのは2020年だから、リアルタイム放送は40年近く前だったことになる。

 

当時私は連ドラを観るという習慣はなかったので、リアルタイム放送時は観ていなかった。

だが、「おしん」がとんでもない視聴率をあげていたのは知っていたし、巷ですごく話題になっていたのも知っていた。

また、その後海外にも輸出されて、海外でも広く知られ、国によっては日本同様にとんでもない視聴率をあげたりもしていたらしい。

そんな逸話を知っていたので、いつか観てみてもいいかなとは思っていた。

なので2020年の再放送は私にとって、観るのに良いきっかけになった。

 

朝ドラ最高の視聴率を稼いだ伝説的な番組として、たまにあちこちの番組で「おしん」が紹介されることはあった。

そのたびに使われていた映像は、幼少時代におしんが奉公に出される時の「イカダ」のシーンであった。

そのシーンは何度となく観ていたので私は知っていたが、実は知っていたのはそれぐらい。

 

今回「おしん」を観始めた時、正直「暗い」と思った。「重たい」とも。

朝ドラの作風は時代によって変わってきてるんだろうなあ・・と思った。

最近の連ドラは、たとえ暗さのある物語ではあっても、「おしん」ほど暗くはなく、正直「おしん」を観始めた時「こりゃ、最後まで観れるかなあ・・」と思ったのを覚えている。

 

でも、物語が進むにつれ、なんだかんだで引き込まれてしまった。

「暗さ」は相変わらずだと思ったが、それには慣れていった。

 

子供時代、そして若い時代で、おしんのことをいじめるキャラがいた。

子役時代では、奉公先の「つね」が。

そして若い時代では姑の「清」が。

そのいびりかたはかなりのものだったが、「あ、リアルタイム放送時、いびられるおしんのことが話題になっていたが、これがそうだったんだね」などと思いながら観てたが、いびり役を演じた女優さんは大変だったんじゃないかな・・とも思った。

「つね」を演じた女優さんも、「清」を演じた女優さんも、役でそういうことをしていただけで、実際にはそういう女性じゃなかったんだろうし・・などと思って。

 

とはいえ、その「いびり」が強烈なインパクトがあったのは確かだった。

 

「おしん」には多数の登場人物がいたが、その中には個人的にあまり好きになれないキャラもいた。

おしんをいびる「にくまれ役」としての前述の「つね」や「清」は分かりやすいぐらいの「嫌われ役」だが、それ以外で竜三と仁(ひとし)。

竜三はおしんの旦那で、仁はおしんの次男だ。

この2人はどうも私は好きになれなかった。

竜三は、視聴者によっては印象は変わるかもしれないが、次男の仁はちょっと(笑)。

ラストの方でほんの少し持ち直した部分はあったかもしれないが、それまでの仁の生き方ゆえ、どうも好きになれなかった。最後まで。

あまりに自己中すぎて。

 

ある意味、「仁」は、「つね」や「清」に負けないぐらいの嫌われ役だったのではないだろうか。少なくても物語上の問題児ではあった。

仁の妻の道子に関してはわがままではあったとは思うが、私は当初おしんの態度にもいくばくかの問題はあったように見えたので、多少は弁護してもいい。そう、多少は・・ね。

もちろん、道子自体、少なくても終盤まではあまり好印象で描かれてはいなかったし、「おしん」の視点でみると、問題のあるキャラではあったとは思う。

まあ、道子も最後はおしんと和解して、終盤でやや持ち直した部分はあったけど・・。

だが、こと仁に関してだけは・・。

 

「つね」や「清」は、徹底してにくまれ役をやってるなあと思って、ある意味私は苦笑しながら観ていた。

だが、仁は・・。

 

 

まあ、でも、そういう嫌われ役がいたからこそ、ドラマが面白くなったのだろう。

それは多くのドラマがそうであるように。

 

 

でも・・やはり私は仁は好きになれなかった。

仁は終盤に、それまでの生き方ゆえの「しっぺ返し」が来たが、それぐらい当然だろうと私は冷めた目で見ていた。

 

 

あと、「おしん」を観ていて戸惑ったことがある。

それはおしんを演じる役者の交代。

子供時代と大人になってからの配役が変わるのは普通だし、他のドラマもそうだし、気にはならなかった。あ、でももう少し似てる人にしてもよかったかな・・とは思ったが、若者時代を演じた田中裕子さんが素晴らしかったので、入り込めた。

だが、晩年時代は田中さんにもう少し似ている女優さんでもよかったんじゃないかなあ。

乙羽さんの演技力はさすがだったのだが、同一人物を演じるには田中さんとあまりに似ていなかったし、なにやら晩年になってからのおしんのキャラが違いすぎて、どうも同一人物としては観れなかった。口調も、顔立ちも。

 

田中さんか乙羽さんのどちらかに、大人になってからのおしんを通して演じてもらうわけにはいかなかったのかなあ・・・という思いは持った。

 

少女時代を演じた小林さんは、くっきりした顔立ちの女性だった。

若者時代を演じた田中さんは、和風のさっぱりした感じの顔立ちの女性だった。

晩年時代を演じた乙羽さんは、くっきりした顔立ちの女性。

なので、少女時代の小林さんが晩年になって乙羽さんになるのは、顔立ちの系統からあまり違和感なかったかもしれない。

田中さんだけ醤油顔美人だったからね。

とはいえ、おしんの若者時代の田中さんの素晴らしさも「おしん」の代名詞的なイメージだったしなあ。

 

できれば大人になってからは田中さんに通して演じてもらい、おばさんになってからもそのまま田中さんにメークで老け役を演じてもらい、孫の圭と一緒に旅をする老女時代を乙羽さんに演じてもらう・・そんなバトンではいけなかったのだろうか・・などという思いは私の中にある。

浩太役を、渡瀬さんが老けメークを使って、若者時代から晩年まで通して演じたのだから、おしんにもそれはできたと思えるのだが・・。

 

まあ、古いドラマだし、今更こんなことを書いても仕方ないんだけどね(笑)。

 

 

ともあれ、初めて通して観た「おしん」。

なので私には新作ドラマのようなものであった。

見ごたえがあったのは確かだったし、ついハマって観続けてしまった。

それだけ面白かったということだろう。

暗い作風に時代性を少し感じたが、観続けているうちに、暗さはあまり気にならなくなっていった。

配役のチェンジにはとまどいも感じたが・・。

 

 

さてさて・・・今後「おしん」を超えるような視聴率を叩き出す連ドラは、現れるのだろうか。

ともかく、「おしん」が視聴率面でとんでもなく高い「ハードル」を作ったのは確かなのだろうね。

 

 

 

 

 


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2 コメント

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Unknown (鮎川愛)
2020-04-16 03:57:47
『おしん』、噂はかねがね聞いています。


「主人公おしんを酷(むご)く虐(いじめ)るドラマ」として。


私は、そういう内容は辛くなって来て、放送途中でチャンネルを回しますね…。

双方対等な“喧嘩”なら、まだ良い方ですけど…。


さて、『おしん』は、放送を重ねていくごとに成長していく内容だったのですね。

“少女おしん”ばかりが印象的のあまり…。


おしんをいびり役だった方々には、視聴者(もちろん匿名で)から脅迫状や刃物が郵送されてきたり、やはり大変だったそうです。

それほど真実味がある迫力ある演技が出来たことは、俳優・女優として超一流である証しでもありますね。

再放送『おしん』だからこそ良かったですが、リメイク『おしん』では、真実味も迫力も無い、不評なドラマだったかもしれませんね。
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Unknown (だんぞう)
2020-04-16 10:14:29
おしんは、海外でも大人気を博したようで、特に中東エリアの国での視聴率はすさまじい数字だったそうです。
まあ、日本での視聴率も歴代最高だったみたいですが。

見始めた時は、正直「暗い」感じがしてましたが、観続けると段々見逃せなくなっていきました。

確かに少女時代のおしんは印象的でしたが、中期の田中裕子(←字、合ってるだろうか)さんが演じたおしんもかなり印象的でしたよ。

いびり役だった女優さんたちは大変だったでしょうね。かなり強烈でしたから。
まあ、それだけ良い女優だったということでしょうね。

リメイクはされたのかどうか、私は知らないのです。
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