駅や電車などで、自分の母校の制服を着てる学生を見かけることがある。
つまりその学生さんは、私の後輩ってことになる。
その学生さんを見てると、自分がその学校に通っていた頃のことをふと思い出したりしてしまう。
向こうは、目の前のオジサン(この場合、私)がまさか自分の先輩にあたるということは分からないが、少なくてもこっちは分かる。制服で。
親近感を持ってしまう。
つい話しかけたくなることがある。
だが、それが女生徒だった場合、声をかけた瞬間警戒されそうだ。今や物騒な事件が多いからね。
その後私が母校の先輩であることが分かれば許してくれるかもしれないけど。
もっとも、最近ではそういうのを利用して近付き事件がおきることもあるので、まったくイヤな世の中になったものだ。
話しかけて、どんな話を切り出すかというと、自分がその母校の生徒だった時の先生の話になるとおもう。
例えば「美術の○○先生、お元気ですか?」とか、「世界史の○○先生、今はどうなさっていますか」とか。
だが、私がその学校に在籍したのはもうかれこれン十年も前。
当時の先生は、とっくに退職されているだろう。
となると、会話はそこで一瞬途切れてしまいそうだ。
さらに会話を続けるとなると、
「今も昼休みになると調理パンの売り子は来てますか?」とか、
「あの校舎はそのままですか?」とか
「あの窓からの景色は、今はどうなってますか?」とか、そういった会話になるだろう。
母校の現状を知りたい・・という気持ちもあるのだが、本音を言えば、自分の遠い後輩と何か話がしたい・・という気持ちも強い。
でも、中々声はかけられない。遠巻きにして、暖かい目で見て微笑むだけだ。
もしその子が誰かにからまれたら、「インスタント正義の味方」になってあげたくもなる。
まあ、敵がヤ○ザだったらなれないかもしれないけど(笑)。
こんな時、私のことを全く知らない他人である後輩ではあっても、可愛く思えてしまう。
おそらくその気持ちは・・・その生徒そのものが可愛いというよりも、その母校の制服が可愛く思えるということなのかもしれない。強いてあげれば、可愛い母校の制服を着てるから、その生徒も可愛い。そんな感じ。
そんな時、ふと気づく。
なんだかんだいっても、母校は可愛いものなんだなということ。
母校愛なんていう堅苦しいフレーズは苦手だが、自分の中にも母校に対する愛情はあったのだなということを自覚する。
そんなことを考えて、ちょっと感慨にふけったりして、暖かい気持ちになっている間にも時間はとっとと過ぎる。
その生徒は人ごみの中に消えてゆく。あるいは、気づけばどこかの駅ですでに降りてしまった後だったりもする。
心持ち、取り残された気分を感じながらも、少し元気をもらったような気分で私も自分の時間の中に戻っていく。
で、ふと思う。
色々やっかいなことが多い世の中だけど、とりあえず明日も頑張るしかないね。
あの制服を着てた時に描いた未来とは、ちょっと違った未来を自分は作ってしまったけど。
あの制服を来てた頃に描いた未来の自分と、現実の今の自分に、ギャップを感じたりしませんか?
町の中や電車などで自分の母校の制服を来ている若い学生さんを見ると、自分がその学校に通っていた頃のことを思い出したりしませんか?
で、何かふと思うことってありませんか?
例えば・・しみじみと、「自分は予定ではボブ・ディランになるはずだったのになあ」とか(爆)。
例えば・・自分にもあんな頃があったなあ、で、あの頃は恋ばっかりしてたなあ・・とか(笑)。
あるいは、あの頃好きだったあの人は、今は何をやってるだろうなあ・・とか。
時には、通学路などの風景や、母校の先生や廊下や教室、そしてグランドなどの風景などを思い出したりとか。
え? ・・・・思うことは、「私も、老けたなあ」??
・・・・ソレヲ イッチャ オシマイヨ・・。
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