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駄菓子屋は子供にとっては秘密のお店であり、小道具の宝庫であり、少ない小遣いでもお菓子を買える、「子供のワンダーランド」だった。
そこには色んなおもちゃが売られていたが、今回はメンコを取り上げたい。
厳密には「メンコに描かれていた漫画キャラ」についての話。
メンコには、さまざまな形があり、さまざまな絵が描かれていた。
一番多かったのは、やはりアニメキャラクターではないだろうか。
時々よくわからない侍(今ではその侍のことは知ってるけど)や、外国のキャラや、乗り物なども描かれてはいたが、一番親しみが湧いたのはやはりおなじみのアニメ&漫画キャラが描かれたメンコだった。
色んなアニメキャラが描かれていたが、個人的に一番記憶に残ってるのは鉄人28号かな。
そう、確かにそこにはお気に入りのキャラが描かれているのだが・・・・どことなく本物とは違うんだ(笑)。
確かにこれは鉄人に違いない・・でも・・・。う~~む。
なぜそんなことを思ったかというと・・・・メンコに描かれているキャラは・・・絵がヘタだったのだ(爆)!
どうもパースが違う。デッサンが狂っていたりする。いわゆる「海賊版」みたいなものだったろう。
おそらく、権利所有者の承諾を受けずに描いて、売っていたのだろう。
だって、もし作者が見たら、ああいうキャラ崩れした絵は許さなかっただろう。
でも、子供心に察しがつくこともあった。
それは・・
おそらく作者の承諾を得た「正規版」は、もっと高いだろう・・ということだ。
(実際、作者の了承を得てると思われる原作通りの絵のメンコもあるにはあったのだが、私が入手できるメンコは絵がチープなバージョンばかりだった)
だから、安い値段で買えるからこそ、この絵なのだ・・と、子供心に納得してた覚えがある。
もっとも、正規版のメンコだと、もったいなくてあまり使えなかったかもしれない。
チープな絵のメンコだったからこそ、遠慮せずに使えたような気がする。
実際、メンコは友達と勝負を重ねるうちにボロボロになっていったからね。破れてきたり、折れて来たり、絵が剥げてきたり。
また、ヘタな絵はヘタな絵なりに、妙な味があることも感じていた。
怪しい魅力・・とでもいおうか。ニセモノの魅力とでも言えばいいのかなあ。
どこか秘密めいたものを感じたし、「シ~~ッ、この絵を見たことはナイショだよ」とでも囁かれているような気もした。
とりあえず、そのメンコで遊ぶ子供にとっては、その「ニセキャラ」は「一応、鉄人」であり「鉄人のつもり」であった。
でも、とりあえず、メンコとしては十分に遊べたし、問題なかった。
あれらのメンコの「ニセキャラ」の絵を描いてた人って、どんな人だったんだろうね。
メンコを作ってる会社の「ちょっと絵が描ける」社員が描いていたような気がしてならない。
あるいは、専属の「町の絵描き」みたいな人に頼んでいたのかもしれない。
その絵の中には、一応あるアニメキャラの絵を描いてるのに、デザインが間違ってるのもあった(爆)。
また、既成の漫画キャラのパクリのオリジナルキャラもあった。
かと思えば、既成キャラでも、ありえない行動をしているシーンが描かれたりもしていた。
更にいえば、まったく得体の知れない、ただただ妖しいだけのキャラもいた。「こいつ、一体、何者?」ってなもんだ。
でも、なぜか子供はそんなことあまり気にしなかったなあ。
アニメは、原作漫画を描いてる漫画家がアニメの画も描いている・・・と昔の私は思ってた。
だが、メンコの絵は明らかに違う人が描いているのが子供心にも分かったし、だから許していたのかもしれない。
中には、あまり絵が得意でない人が描いているような絵もあったけど(笑)。
そんな時はさすがに「なにこれ?違い過ぎるよ、ヘタすぎるよなあ」なんてつぶやきもしたっけ。
でも、だからといって、ニセモノだからといってイヤになることはなかった。
本物のアニメキャラとは別物の「ニセモノ・キャラの世界」がそこに存在し、子供たちの間で居場所を確保していたのだ。
さらにいえば、チープなメンコ絵だけのワンダーランドがそこに存在していた。
今、昭和の時代が見直され、昭和の時代の色んなグッズを特集した本や、展示館みたいなものがあり、そこでは「ニセモノ・キャラ」の描かれたメンコの姿を見つけることができる。
で、今改めて見てみると、やはりホンモノのキャラとは違って、ヘタな絵のまま。
そのチープさはそのままだ。
でも、・・・・憎めないんだ、なぜか。つい、ニコッと微笑んでしまうんだ。
メンコに描かれたチープな絵ばかりを集めた図鑑なんてのがあれば面白い。
で、それぞれの絵に著者のコメントが付いてればなお楽しい。
ついでに言えば、メンコの裏にも、チープな絵が描かれていることがあり、それは表絵のような色は付いていなくて、更にチープだったような気がする。
で、カードゲームとしても使えるような設定も表記されていたが、メンコをカードゲームとして使ったことはない。
使い方もよく分からなかったし。
メンコの裏面を使って、カードゲームとして遊んだ子はいるのだろうか?
そのへんは、今もって謎。
どなたか、メンコの裏面にあった「カードゲームとしての機能(?)の謎」の答えをご存知の方は、ぜひご教示下さい。
ちなみに写真は、よくわからない謎のキャラのメンコ。
当時のメンコには、こういう正体不明の怪しいキャラが描かれたメンコは多かった。
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