時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

当たり前であることの、ありがたみ。

2013年08月30日 | 

皆さんが、自分の小遣いで初めて買った写真集は何だっただろうか。

私が自分の小遣いをためて初めて買った写真集は、アイドルの写真集でもなければ、ロックスターの写真集でもなく、特撮ヒーローの写真集でもなかった。上高地の写真集であった。

買った当時の値段で500円以上した。それは中学1年の頃だった。

当時の中学生にとっての500円以上の値段というのは相当な相場だった。

やっとの思いで入手したその写真集は、私の宝物になり、毎日学校から帰ると、その写真集を見ていた。

そして、上高地の美しい風景写真を見てはトリップして、あれこれ想像を膨らませていたものだった。

で、いつか必ず行こうと思っていた。その思いは、途切れることはなかった。

だが、中々行く機会はなかった。

やっと行けたのは、その写真集を買ってからン十年もたってからだった。

東京からは地続きだし、行こうと思えば行けたはずなのだが、なぜ中々行かなかったのだろう。

それは・・きっと・・あえて「とっておいた」のかもしれない。

それゆえ、オジサン年代になって初めて現地に行った時は、えらく感動したのを覚えている。

「やっと来れた・・」と思うと、感慨深かった。「とっておいた」のは正解だった気がした。

現地に行ってみたら、私が中学の頃に買った古い上高地の写真集に収められていた風景とほぼ同じ風景もあれば、長い時間の流れの影響で失われた風景もあった。

でも、次々に現れてくるどの風景も絵になっていた。なにげない、名もないような風景も。

出会う風景一つ一つに癒される気がした。

初めて行った時は、大正池や河童橋から明神池あたりまでの行程で終わった。上高地と呼ばれるエリアは、大正池から明神池あたりまでのことを指し、そこから先は奥上高地になる。

なので、再び行く時は、もっと奥まで行こうと思った。そう、奥上高地に。

そして今回。久々の上高地。今回は、奥上高地である、横尾まで足を伸ばした。

 横尾から先は、本格登山の世界。例えば槍が岳登山など。

登山の趣味を持たない私は、横尾までが今回の目的であったし、横尾から蝶ケ岳を少し登った地点から槍が岳をこの目で見ることが目玉になった。

蝶ケ岳の途中にある槍見台から初めて槍が岳をこの目で見た時は感慨深かった。

日本山岳界のスーパースター、槍が岳の雄姿を見た時、そこに登りたくなる人の気持ちは分かる気がした。

遠くから肉眼で見る槍が岳は、まるで山頂のピラミッドのようにも見えた。

 

それにしても、今回の旅で、「あたり前であることが、当たり前に存在することのありがたみ」というものを痛感。

山小屋系の宿にはこれまでも何度も泊まってきてるし、そういう場所では贅沢は禁物なのは分かっている。

ご飯、消灯時間、設備などは贅沢言ってもしようがないのだ。本来山小屋は、雨露をしのげ、外気の気温から身を守れるだけで、山では十分「貴重」なのだ。

でも、今回、3泊のうち、別々の「山小屋系の宿」に2泊した後に、3泊目を普通の宿で過ごした時、普段自分が旅行で泊まっていた「普通の宿」の贅沢さを痛感。

・部屋にゴミ箱がある、ありがたみ。

・部屋でタバコが吸える、ありがたみ。

・トイレが水洗である、ありがたみ(まあ、これに関しては、個人的にはくみ取りでも大丈夫だけど。)

・宿の収容人員に応じたトイレ数がある、ありがたみ。

・好きな時間に風呂に入れる、ありがたみ。

・部屋が個室である、ありがたみ。

 

・・などなど、他にも多数ある。

トイレは、個室に備え付けがあるというのが一番ありがたいが、ひなびた宿に泊まると共同トイレは多いので、そのへんは私はある程度慣れてるつもりだ。

ただ、宿の収容人員に応じたトイレ数がないというのは、朝の出かけ前のラッシュ時には辛い。

テレビに関しては、私は旅行に行くと、部屋にテレビがあっても、つけないことが多い。静けさのほうが癒されたりするので。なので、テレビはなくてもいい。

消灯時間も、慣れてしまえば9時でも大丈夫。

食事に関しては、今の山小屋系宿は昔よりは豪華になっていると思う。

さすがに、部屋にゴミ箱がないのは・・・不便を感じたかなあ。

それと・・・やはり相部屋だけは・・・・苦手。なので、今回の宿泊は、相部屋だけは避けた宿選びになった。

私がもし相部屋が大丈夫なら、横尾山荘に泊まったことだろう。

そう、こういう場所では、個室であるということは、大きな贅沢なのだろう。

 

ともあれ、私は・・普段の旅行でひなびた宿が好きだと言っているくせに、普通の宿のありがたみも実感した次第。

 

相部屋に苦もなく泊まれるようになれないと、私もまだまだなのかもしれない。

皆さんは、旅行での宿が、相部屋でも大丈夫ですか?

登山が趣味の方にとっては、なんでもないことなのだろうが・・・・・。

 

当たり前であるように思えた事柄が、当たり前のようにそこにある・・・それって、本当は何より幸せなことなのだ。

当たり前であることのありがたみ。

普段の生活で、もっとそういうことを感じないといけないのかもしれない。

 

 

なお、写真は新島々駅と上高地線。もしや、このデザインは・・特別車両???

 

 


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