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70年代は元ビートルズの4人が、それぞれソロで大活躍した時代だった。
ジョンは特に70年代前半から中盤にかけていくつものヒット曲を飛ばし、中には「イマジン」という代表作ともいえる名曲をものにした。
ポールは、初めこそ少しジョンから出遅れたはしたものの、やがてウィングスというバンドを結成してからは、かつてのメロディメーカーぶりを取り戻し、次々とヒット曲をかっとばしていった。
ジョージはビートルズ解散直後に、ビートルズ時代に書きためていた自作曲を一気に解放して爆発させたし、チャリティコンサートでも大きな話題になった。
当初ソロ活動が心配されたリンゴは、ソロアルバムでビートルズの他のメンバーからの協力を引きだして、しっかりとチャートイン。
そんな70年代のジョン・ポール・ジョージ・リンゴの4人のソロでの活動の映像をそれぞれ見てると、こんなメンバーが60年代には一緒にバンドを組んでいたんだなあと思うと、あらためてビートルズはすごいメンバーがそろっていたんだなと思う。
70年代の元ビートルたちの活躍は、60年代のビートルズ活動の経験の上にある・・ということは誰もが分かってはいる。
そう考えるのは正解であろう。
60年代でのビートルズの才能はすごかった。だが、70年代の元ビートルたちの才能や活躍ぶりもたいしたものだった。
ここで私はふと、妙な妄想を持ってしまった。
こんな考え方はどうであろう?
70年代の才能あふれる4人のミュージシャンが、60年代にタイムスリップして、10年分くらい若返って、60年代に組んだスーパーバンド・・それがビートルズであった・・という考え方は。
というのは、70年代にソロでそれぞれ大ヒットを飛ばしていた才能あふれるジョン・ポール・ジョージ・リンゴという4人のミュージシャンが、60年代に同じバンドにいたという事実が、70年代での4人の活躍を見るにつけ、あらためてスゴイと思うからだ。
ビートルズというのは、なんて豪華なメンバーだったんだろう・・と。
70年代、世にはスーパーバンドというものが流行ったころがあった。個別に活動していた有名ミュージシャン同士が一緒にバンドを組むと、それはスーパーバンドと呼ばれたのだ。
ならば、70年代に個別で活動して成功していたジョン・ポール・ジョージ・リンゴが、60年代にタイムスリップして組んだのがビートルズ・・と考えると、まぎれもなくビートルズはスーパーバンドだった。
・・とまあ、こんな妄想である。
もし仮に。
ビートルズ結成前に、ジョン・ポール・ジョージ・リンゴの4人がそれぞれ個別に活動していて成功していて、それぞれ熱狂的なファンがいたとする。
それがある日、そのスーパースターたちが一緒にバンドを組んでビートルズと名乗ったとしたら。
まさにビートルズは夢のスーパーバンドである。
「マザー」「イマジン」「ウーマン」「ハッピークリスマス」のジョンレノンと、「マイラブ」「バンドオンザラン」「007・死ぬのは奴らだ」「夢の旅人」のポール・マッカートニーがソングライターとしてコンビを組んで、同じバンドにいたわけだ。
今改めて、ビートルズの音源を耳にして、そのジョンとポールが2人でハモりながら歌っているのを聞くと、なんてすごい、夢の組み合わせなんだろう・・と思えるし。
これだけでもとんでもないメンバーだが、更に「マイスイートロード」「美しき人生」「ギブミーラブ」「バングラデシュ」のジョージ・ハリスンがレノン&マッカートニーの横に控えていて、「明日への願い」「思い出のフォトグラフ」「ユアシックスティーン(カバーだけど)」のリンゴスターも背後にいたわけだ。
同じバンドに。
前述の通り、70年代の4人の活躍は、60年代のビートルズ活動で成長し開花した才能の成果ではあるが、それでも潜在的にそういう才能があったからこそ、ビートルズ解散後にソロになっても活躍できたのも確かなわけで。
じゃなかったら、元ビートルズの肩書きだけでは、あそこまで活躍はできなかったとも思う。ヒットチャートはそんな甘いものではないだろうし。
70年代の4人のソロ活動での活躍ぶりを見ていて、いかにビートルズが「夢のスーパーバンド」であったかを、実感したものだった。
もしも、70年代の4人のスーパースターが60年代にタイムスリップして、若返って組んだバンドがビートルズだった・・という考え方に無理があるのだとしたら、以下の考え方はどうであろう。
それは・・・。
私は60年代のビートルズをリアルタイム体験することはできなかった。
それは、後になって思うと、残念なことではあった。
だが、70年代のビートルたちの活躍は、なんとかリアルタイム体験することはできた。
それはそれで幸せなことであったと思っている。
70年代は、ジョン・ポール・ジョージ・リンゴが皆元気で、それぞれソロワークでピークを迎えた時代だ。
4人は、一緒にバンドは組んでいなくても、互いにそれぞれの活躍ぶりには刺激しあっていたことだろう。時には実際に互いに協力しあってもいたわけだし。曲を提供したり、セッションに参加したり。時には、私宅を訪問もして。
解散時の仲たがいは時間と共に解消され、和解していたのだし。
それはそれぞれの活動のモチベーションアップにもつながっていたはずだし、創造性にもつながっていたはず。
それがあったからこそ、あれだけの成功を収めたのだろう。
ということは・・
見た目では4人は一緒の場にいなかっただけで、4人はそれぞれの場所にいて、ビートルズは続いていたのだと、私は思う。
そう、ビートルズの名前を使わなかっただけで、70年代にもビートルズは続いていたのだ。特に、精神的に。
私は・・70年代のビートルズは・・リアルタイム体験したのだ。
元ビートルたち・・ではなく、70年代のビートルズを。
・・・という考え方である。
以下、70年代のビートルズ。↓
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