私の漫画遺産7 「冒険ガボテン島」。そして無人島への思い
以前、ある番組で、さだまさしさん所有の無人島に建つ建物をリフォームする番組があった。
思えば、昔さだまさしさんが無人島を購入した時は、妙に羨ましかった覚えがある。
と同時に、親近感を持った覚えもある。
しかも、購入した無人島に「詩島(うたじま)」という名を付けるなんて、いいなあ・・などとしみじみ思ったものだ。
さださんはその詩島に別荘みたいな邸宅を建て、その別荘のまわりには、友人たちが訪れた時のための宿泊設備も建てたのだが、その後さださんは自主映画で興行的に失敗し、多額の借金を背負ってしまった。
で、その借金返済のために働きづめになることで、無人島の管理もままならないまま、年月が過ぎていったらしい。
その結果、詩島の建物は朽ちてボロボロになってしまった。
で、番組としては。それをリフォームする・・という企画であった。
さださんが無人島を購入した時、その気持ちは私にはわかった。
私自身も、無人島への憧れは、子供の時からあったから。
私が無人島に憧れるようになったきっかけは、子供の頃に見たアニメ「冒険ガボテン島」の影響が大きい。
「冒険ガボテン島」は、海外の小説「十五少年漂流記」をヒントにした作品であったろう。
「十五少年漂流記」は、私は小学校の頃に読んだかもしれないが、内容を覚えていなかったので、大人になって文庫本を買い直して、読みかえした覚えがある。
なので「十五少年」に関しては、子供時代の記憶はほとんどない。
私の「十五少年」に関する記憶は、もっぱら大人になって読みかえしてからの記憶であり、感じ方。
だが、「ガボテン島」は違う。
子供の頃「ガボテン島」を見てた時、無人島は究極の「秘密基地」に思えた。
そう、秘密基地。今の子供は知らないが、私が子供の頃は、友人同士の集合場所として「秘密基地」を作ったものだった。
その秘密基地というのは、もっぱらその子たちの活動範囲にある環境を利用してつくったもので、私の場合は、家の裏の空地にあった木の途中の枝の上に、板や段ボール箱を乗せて、それを秘密基地にした。
川べりに住んでる子供たちは川べりに作っただろうし、廃屋を利用して秘密基地にした子たちもいただろう。もちろん、他にも、その子の住んでる地域の環境にあったものを利用してつくっていたと思う。
だが、そういう秘密基地は、なにぶん子供が作るものだから、あまり広くないし、自分たちでは「秘密の基地」と思っていても、実は簡単に見つかってしまうような「集号場所」であった。
だが、無人島となると、話は違う。
おいそれと来れる場所ではないから、誰かが来ることもまずない。というか、そもそもその場所を知られていなかったりもする場合もあるだろう。
まさにそこは、究極の秘密基地に思えた。
無人島ガボテン島に竜太たちがたどりつき、皆で生活できるための住居などを作るところからはじまっていくくだりなど、ワクワクした。
そんな冒険を、自分も友人と味わってみたいと思ったものだった。
自分たちで思い思いの住居を作り、ハンモックなども設置し、出来あがった居住地は、まるで自分らの王国のようにも思えた。
そして、時にはぶつかったり反発しあったり、ピンチに陥ったりしながらも、団結して、島の中を探検しながら、島で暮らしていく。
島を脱出できる日がくる・・という望みを捨てず。
冒険ものの作品はあっても、こういう無人島サバイバルコミックやアニメは他に中々なかったので、この作品には独自の魅力を感じたものだった。そう、意外に、ありそうで中々なかったのだ。
だからこそ、この「冒険ガボテン島」はの心の中に残り続けたのだろう。
無人島への憧れと共に。
ほんと、探れば探るほど謎のあるガボテン島のような無人島を、探検したくてしょうがなかったのを覚えている。
ちなみに、私がこの作品を最初に知ったのは、アニメ版でだった。
アニメ版で見た時期は私は幼少だったので、その内容は断片的にしか覚えていなかった。
後年・・本屋でこの作品の単行本が出ているのを見つけ、コミック版を読んで、この作品の冒頭から結末までを知ったのだった。
なので、今ここで書いているのは、コミック版で知ったストーリーと、アニメ版で聴いてた主題歌の記憶によるものである。
アニメ版では、まずなんといっても、ノリの良い主題歌が良かった。
考えてみれば、登場人物である少年少女たちは、普段の不自由ない生活から隔絶された、絶海の孤島に放り出されたわけで、そこには親をはじめ、助けてくれるような大人はいない。ずべて自力で解決していかねばならない。
まずは、家がない。
また、水の問題もあれば、食料の問題もある。
そして、誰かが助けに来てくれる保証もない。
危険だって島には潜んでいるだろう。
また、ケガしたり病気したりしても、医者がいない。
世間からの情報も入ってこない。
こんな状況が実際にあったら、相当困難な状況である。絶望的な気分になってもおかしくない。
昔、某バラエティ番組で、お笑い芸人が無人島に連れて行かれ、そこで生活し、やがては自力で無人島脱出をするという企画があったが、その映像を見てたら、リアルな無人島生活というのは、生易しいものではないことを実感した覚えがあった。
無人島生活は、そういう意味では極限状況ではあるが、あの陽気でノリのよい主題歌は、無人島でのサバイバル生活を描いたあの作品を、楽しそうで冒険あふれる作品として印象づけていたように思う。
この作品のコミック版を描いていたのは、久松文雄さん。
そう、「スーパージェッター」を描いた漫画家であった。
なので、絵柄は「スーパージェッター」のような絵柄であった。
久松文雄さんの名前を聞いて、私がすぐに思いつく作品が「スーパージェッター」と「冒険ガボテン島」。
「風のフジ丸」の雑誌連載版を描いてらっしゃったのも久松さんだが、「フジ丸」は元々は白土三平さんの作品が元になっている。
なので、やはり私にとっての久松さん作品と言えば、やはり「ジェッター」と「ガボテン」だ。
この2作品こそが、久松さんの代表作だと私は思っている。
ともかく、当時の子供たちに、無人島へのロマンをかりたてさせた作品、それがこの「冒険ガボテン島」であった。
そこには前述の通り「究極の秘密基地」であり、「子供たちの冒険王国」にも思えた。
ちなみに、大人になって私は利尻島に旅行したことがあったのだが、利尻島の外観は、どこかガボテン島のように思えてならなかった。
なんとなく、地形が似ているように見えたのだ。
特に、利尻島を船や飛行機や、あるいは隣の礼文島から眺めた時の島姿が。
https://www.youtube.com/watch?v=Gylt8ruHwjE
まさに究極の秘密基地に思えました。
私、思うんですが、子供の秘密基地は大人の階段のひとつではないかと。
秘密基地は、自分だけの個室がほしくなる気持ちにつながり、やがてはそれは、いずれくる親からの独立につながるような気がします。
鉄橋の下、、、いいですね!
私もそんな基地が欲しかったです。
二種類も基地があったなんて、うらやましい。
自分だけの基地、、まさに個室ですね!
歩いて20分くらいの場所に廃屋があったのですが、床が抜けており、子供心にも危険だったため、基地にはできませんでした。
そこには打ち捨てられたボロボロのエロ本が散乱してました(笑)?
ギャングエイジ、、、初めて聞く言葉です。
今の子供は、秘密基地の楽しさは、知らないのでしょうか。
まあ、秘密基地をつくれそうな場所もないんでしょうね。
だとしたら、気の毒にも思えます。
こういう話題は大好きですね。まさに、少年のロマンです!!!
ただ、遺憾ながら、ばくは『ガボテン島』は知らないんですが、少年冒険小説や漫画は沢山読みました。!!!(笑)
それから、秘密基地も作りましたね。大阪に住んでましたから、淀川の鉄橋の下とか、葦原の中が秘密基地でしたね。
秘密基地といっても、二種類あるんです。ぼくらの冒険少年隊の秘密司令部の『基地』と、もうひとつは、ぼくひとりだけが知ってる個人的な隠れ場所です。
みんなと一緒に冒険少年隊で『活躍?』することも有りましたが、時々、ぼくは独りだけで個人的な隠れ場所にこもって物思いにふける事もありました。(かなり、内向的な性格でしたね。(笑))
でも、ひきこもりじゃないですよ。(笑)
こういう『秘密基地』を作って『冒険少年隊』を結成する年頃を、児童心理学では『ギャングエイジ』と言うらしいですね。。。。だいたい小学校の中上級生の年齢なんですが。。。。。
ただし、最近の男の子は、『ギャングエイジ』がなくなってきてるらしいです。。。。
ちょっと問題ですね。。。。。。