ちょっと前のことになるが、青年コミック誌「ビッグコミック」に長期連載中だった「総務部総務課山口六平太」の作画を担当されていた高井研一郎さんが亡くなられたらしい。
この作品、私のブログでさほど取りあげたわけではないが、割と好きな作品のひとつだっただけに、残念。
ビッグコミックの中にあって、清涼剤のような作品だった。
この作品を読んでると、心がほっこりさせられた。
私にとってはストーリーやキャラ設定だけでなく、なによりその絵柄が好きだった。
六平太は大会社の総務課に勤めるサラリーマンで、けっしてガツガツしたタイプではなかった。しゃかりきになって出世を目論んでる風でもなかった。
自己顕示欲もあまりなく、決してハンサムというわけでもなく、派手な活躍をするというほどでもないのだが、雰囲気的に人に安心感を与えるタイプ。
一件ポワ~ッとした雰囲気の人物なのだが、実はすごく頼りになる人物。
だが、その頼りになる部分をあまりアピールしない。でも、周りの人は六平太が頼りになることはわかっていて、周りからは一目置かれている。
人に対する向き合い方にハートがあるから、人望もある。
そんなキャラだった。
この連載がこの先も続き、そしていつか終わる時が来るとしたら、その時は六平太はどんな存在になっているのだろう・・・と密かに私は思っていたのだが、作者の他界で終わってしまうとは、なんとも悲しい。
思うに、漫画家が他界して、未完に終わってしまった作品というのは、ままある。
大物でも、例えば手塚治虫さんの「火の鳥」や「ウードウィッヒB」、石ノ森章太郎さんの「サイボーグ009」などなど。
他にもいくつもあるだろう。
で、この「山口六平太」も未完の作品でことに・・。
まあ、一応この作品は基本的には1話完結だったのが、まだ救いかもしれない。
とはいえ、1話完結スタイルとはいえ、六平太が将来どんな存在になるかは密かに楽しみにしていたので、その点はやはり残念。
会社のトップにも密かに目をかけられていたので、そのままいけば、もしかしたら会社を代表する社員の1人になった可能性は高い。
だが、六平太は、結局総務課の1社員として、作品は終わってしまったことになった。
でも・・彼のキャラクターを考えると、それでよかったのかもしれない。
あまり偉くなると、他の社員にとっては、近寄りがたくなったりするかもしれないものね。
例え彼が望まなくても。
ともあれ、高井研一郎さんのご冥福をお祈りいたします。
山口六平太のことは、忘れませんよ。
合掌・・・。
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