告井延隆さんの映像をたまに見ることがある。
アコギ1本のインストで、ビートルズソングを再現するギタリスト、それが告井さんだ。
ビートルズナンバーをレパートリーにするミュージシャンは多いが、こういう形での人はそうはいない。
もちろん、ビートルズ曲をギターインストにアレンジして演奏する人は多いが、レコードに録音されたビートルズ音源を、ギター1本で可能な限り再現する・・という人は中々いない。
ギターのインストにアレンジした場合、それがソロでの演奏の場合、テンポをゆったりにして、独自の和音や伴奏フレーズをつけて丁寧にメロディを弾く演奏が多いが、告井さんの場合はビートルズの原曲のテンポ感や、原曲の演奏のフレーズを可能な限り再現している。そこが、独自のスタイル。
ビートルズ曲はロックやポップスの中では群を抜いて多くの国に知られており、人気もある。
インストでやれば、言語の問題はない。しかも、バックバンドなしで、ギター1本での活動なら、フットワークも軽いだろう。
ありそうで、なかったスタイルで、しかも機能的。
ほんと、素晴らしいスタイルだと思う。
告井さんは、元々は「センチメンタルシティロマンス」という日本のロックバンドの一員として世に出た人。
センチメンタルシティロマンス・・・通称「センチ」は、1973年に名古屋で結成され、75年にファーストアルバムを発表したロックバンド。
このバンド自体は、ビートルズよりもアメリカのウエストコーストサウンドを目指したバンドであった。
私は「センチ」のアルバムは・・・確か1~2枚持っていたと思う。
私がセンチを聴いてみようと思ったのは、日本から出たウエストコーストロック志向のバンド・・・という評判に惹かれたからだった。
当時の私はウエストコーストロックにはどっぷりハマっていたから。
だが、私自身は、それほどセンチに熱中したわけではなかったと思う。もちろん、嫌いではなかったし、関心もあったからアルバムを入手したわけだが。
本場アメリカのウエストコーストロックが好きなあまりに、やはりそういう音楽を聴くなら、本家のアメリカのウエストコーストロックを聴いていたいと思ったからだったと思う。
今の告井さんの活動を考えると、デビュー時はビートルズを目指したバンドではなく、ウエストコーストロックを目指したバンドだったというのは、今の告井さんしか知らない人には意外かもしれない。
センチはデビュー以来長くバンド活動が継続されており、それは今も続いているようだ。
告井さんは長く、センチの中心メンバーの一人であり続けたが、近年はバンドを離れたらしい。
それは・・やはり、アコギ1本でビートルズを再現するというスタイルが、すっかり確立され、需要も多いからではないだろうか。
なにせ、レパートリーは世界中で知られてるビートルズ、しかもインストだから言葉の心配もない・・・とあっては、日本だけでなく、色んな国で活動できる。
これは大きい。
告井さんの「アイソーハースタンディングゼア」を聴いてると、あれだけロックンロールのベースを絶えず弾きながら、同時にメロディも弾いてゆくのは至難の業だと思う。
才能だけでなく、相当な練習量も必要だろうと思う。
ユーチューブなどで見る映像もグッドだが、私にとってはいずれ生で見てみたいミュージシャンのひとりである。
まだ一度も生で見たことがないので。
映像の中には、リバプールのキャバーンクラブでの演奏映像もあったが、あのキャバーンクラブで演奏した時は、きっと感無量だったんじゃないかなあ。
ともかく、需要は色んな国であると思うので、可能な限り長く、元気で活動を続けていってもらいたいミュージシャンだ。
https://www.youtube.com/watch?v=158tgBUad8s
しかも告井延隆さん1人で!
私も、リアルで聴きに行きたいです。
ビートルズをコピーしたり、アレンジする演奏は、今まで多数観てきましたけど、それは必ず3人、4人体制でした。
それを1人で忠実に演奏されるやり方は、前代未聞ですね。
ボーカル無しでもいいから、聴きに行きたくなる「ビートルズ」は初めてです(笑)
ビートルズの曲のサウンドで印象的な部分はしっかり取り入れていると思います。
なによりひとりでギター一本でやってるというのがすごいと思います。
機会があれば、ぜひ見に行ってください。