時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

ウテナお子様クリームのCM

2008年10月19日 | 懐かしい系、あれこれ

テレビCMというものは、長くシリーズ化されて続くものもあれば、時間の流れの中で消えてしまうものもある。

永谷園のCMや、黄桜のCMなどは、その前者の例だろう。
今も現役だ。

だが・・人が忘れ去ったCMの中にも、個人的に忘れられないCMというのも確実にある。
周りの人に聞いてみても誰も覚えていないから、なおさらそういうCMは自分の中で残ってしまう。忘れられなくもなる。

私が今回ネタにしたいのは、ウテナお子様クリームのCMである。
今となっては、この商品の存在すら知らない人も多いだろうし、ましてやこの商品のCMに至っては,覚えている人の方が希有な存在かもしれない。

これは、どうやら女の子むけのクリームだったらしい。
クリームはクリームでも、食べ物ではない。
子供用の化粧品だった。
肌を守る、肌に潤いを与える・・・そんな効果があったのかな??

ネット検索したら、女性のブログでネタにされてることが多いことを見ても、それはわかる。


無骨な男である私は、このクリームを欲しがったことはないし、実際に使った覚えも無い。
そんな、およそ自分には似つかわしくない「ウテナお子様クリーム」のCMをなぜ今も私は覚えてるのか。

理由は分からない。
とにかく、CMの中に出て来た夕暮れの風景が印象的だった。


ロケだったのか、スタジオのセットだったのかは分からないが、子供2人が画面に映っていた。
で、その子たちの背景には雑木林みたいな背景が写っていた。
田園風景だった。
そこを子供2人が歩いていた。

その場所は、どこかの避暑地の、人のいない場所(あるいは、人はみな帰った後?)のようでもあれば、国木田独歩が「武蔵野」という小説で描いたような風景のようでもあり。
なんにせよ、抒情味あふれる風景であった。


で、CMの後半には、子供たち2人は、とある場所に立ち止まり、互いに向かい合っている。互いの顔を見つめ合って、少し微笑んでいる。
その背景にはまぶしい夕焼けが写っていた。
いささか子供たちは逆光気味。これは、あえてそうしたシーンにしたんだろう。

で、画面は1人の子供の顔のアップになり、ウテナお子様クリームをおでこや鼻、ほっぺたなどに軽く塗ってある。
クリームを指1本ですくって、クリームの付いたその指先を、鼻やおでこや頬にくっつける。そうすると、そういう「付き方」になる。

で、鼻、頬などにウテナお子様クリームをちょっと塗った子供の顔のアップは、斜めからの角度。
夕暮れを浴びた、顔の陰影が印象的だった。

可愛くて、どこか哀愁もあって、抒情味はたっぷりで。

で、穏やかで優しくて暖かい感じのBGMが流れる。そのBGMはストリングスによって奏でられていた。ゆったりとしたメロディだった。その旋律の断片は、今もおぼろげに覚えている。かすかな記憶だけど。

やがて・・
♪ウテナお子様クリ~ム
と歌われるCMソングが入って、終わる。
この部分は、私は今も歌える。

・・こんな感じのCMだった。


空想力豊かだった私は、その夕暮れのシーンの子供たちのツーショット画面のはるか彼方に「夕暮れの山」があることを連想してしまった。

その山が実際に画面に映っていたかどうかはさだかではない。
でも、CMを見ながら、そのCMのムードでさらにイメージを空想の中で広げた私の頭の中にある画面では、夕暮れの山が写っていたのだ。
で、その山は、夕日を浴びて「シルエット」になっている・・・そんな感じだ。

また、子供たちは、小さな小さな川(それこそ、幅が1メートルちょいくらいの小川)に架かる橋の上にいて、その下を流れる小川のほとりには、ススキみたいな背の高い草がいっぱい生えている。

川面は、夕暮れを浴びて、光っている。


・・・と、実際のCMでは、こういう風景ではなかったかもしれない。
でも、このCMの叙情的な雰囲気は、大いに少年だんぞうの空想力を刺激し、上記のような風景を連想させてしまったのだった。

で、その風景は今も頭に残っている。

その後、画用紙や自作の漫画などに、自分の頭に浮かぶ「架空の風景」の絵を描く時は、ついつい「ウテナお子様クリーム」のCMからイメージを膨らませた「架空の風景」を描くことが多かった。

そういう意味じゃ、私が「ウテナお子様クリーム」のCMから受けた影響は、大きかったといえるだろう。


今思えば、地味なCMだったと思う。奇をてらったようなインパクトがあったわけでもない。
なのになぜ、あんなに空想力、イマジネーションを刺激させられたのだろう。

なんの変哲も無い田園風景への憧れだったのか。
それとも、あのCM全体にあった抒情味のせいか。
あの、ほのぼのとした雰囲気のせいか。
夕暮れを浴びて逆光ぎみになった子供たちの姿に哀愁を感じたからか。
あのゆったりとした、暖かいBGMのせいか。
アップになった子供の顔の、幸せそうで可愛い表情のせいか。

・・きっと、そのどれもが当てはまるのだろう。


もう一度、あのCMを見てみたいとは思う。
確かめたいこともあるし。

でも・・・おぼろげな記憶で、その「おぼろげ」な部分を自分の空想力で補ったからこそ、今も忘れられないのかもしれない。
見たら「あれ?イメージが違うな・・」と思ってしまうかもしれない。
あの風景が、もしもスタジオセットであったなら、軽く失望するのかもしれない。
記憶違いな部分も、判明することだろう。

でも、あんなに地味なCMが自分に大きな心理的&空想的な影響を与えたことを考えると・・・やはり見ておきたい。

そんな「ウテナお子様クリーム」のCM。


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