時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

「藤岡藤巻」(元・まりちゃんズ)のライブ。

2006年11月20日 | レビュー(テレビ、ゲーム、本、映画、その他)

金曜日(17日)、大森の「風に吹かれて」という店に、藤岡藤巻のライブを見に行って来た。
予想していた通りの楽しいライブだった。

会場では、藤岡藤巻のメジャーデビューアルバムを買い込み、帰宅してから3回聴いた。
土曜日は出かける用事があったのだが、出かける前に2回も聴いてしまった。
やばい。ハマった。

この藤岡藤巻がどういうユニットか、ご存知ない方のために、簡単に紹介したいと思う。

70年代に、まりちゃんズというフォークグループがあった。
このグループは形のうえではフォークグループでも、そのスピリットは、どっちかというとパンクに近い。
いや、変態パンクフォーク・・・そんな感じかも(笑)。
単なる「コミックバンド」の一言では終わらせられないものがあった。

なにせ、デビュー曲からして衝撃・・・というか、世の女性から総スカンをくう曲。なんてったってタイトルが「ブスにはブスの生き方がある」だもの。
しかも、ご丁寧なことに、「ブス」という言葉をやたら強調して歌う。
よほど女性から苦情が殺到したのか(?)、すぐに放送禁止歌になった。

普通はこれでコリる。
だが、パンクな彼らはコリなかったのだ!
すぐさま「ひがみブルース」なんて曲を発表し、この曲では芸能界の裏(?)を赤裸々に(?)歌にした。

アルバムに入ってた曲は、もっとスゴイ。
♪まりちゃんもウ○コをするのかな~~ まりちゃんウ○コしちゃ、いや!
上記のような変態系の曲があるかと思えば、ホモの世界を高らかに歌い上げた倒錯の迷曲などもあり。

個人的には、そんな「まりちゃんズ」が大好きだった。

ヤングインパルス(リブヤングだったかも)という番組に出演したまりちゃんズのパフォーマンスを私は今でも覚えてる。
ホモの世界を歌った曲を生で演奏してたのだが、妙に場末の演劇っぽかった。

クラスに、レッドツエッペリンが好きなハードロックマニアがいて、そいつは日本のフォークをけっこうバカにしていた。だが、そんな彼でも、まりちゃんズは好きで、アルバムも持ってた。
つまり、まりちゃんズは、ジャンルを超越した凄さがあったのだ。
(ただし、この「凄さ」も、妙な意味での「凄さ」である)

90年代には「尾崎家の祖母(おざきんちのババア)」がリバイバルヒットしたこともあったっけ。



で、「藤岡藤巻」。
このユニットは、まりちゃんズに居た3人のうちの2人が、オヤジ世代になって再び組んだユニットなのだ。
彼らの曲とまりちゃんズの曲を聴いてもらえば分かるのだが、70年代当時のパンクなスピリットは健在。
というか、オヤジ世代になって再結成した彼らは、曲に悲哀と凄み(?)と切なさが増してきてる。
まりちゃんズが成長して(というか、オヤジになって)、パワーアップして帰ってきた感じだ。情けなさもパワーアップ。

もともと持っていたパンクな精神(?)に、なまじ長い人生経験の深みが加わってしまったもんだから、手がつけられない状態だ!
怖いもの知らずなのではない。なまじ怖いモノを知ってるから、しぶとい。
オヤジの情けなさ、炸裂!


共感したくない!でも共感してしまう自分が悲しい(笑)。
共感しないほうがいい。でも、共感せざるをえない。そんな自分が切ない(爆)。
・・・でも、そんなユニットが居てくれるのが、実は嬉しい。人知れず、嬉しい。

オヤジ世代が聴いたら、涙ちょちょ切れするのは私が保証しよう。
オヤジの悲哀、ここにあり!だ。


彼らの魅力を知ってもらうには、まず彼らの曲の歌詞を書くのがてっとり早い。
だが、著作権の問題が最近うるさい。
だから歌詞は書かないでおこう。
とはいえ、何も書かないのでは説明になるまい。
とりあえず、デビューアルバムに収められた曲のタイトルだけでも、いくつか記しておこう。

「牛乳 トイレットペーパー 海苔」「私はえらい」「よろけた拍子に立ち上がれ」「俺は演歌が大嫌い」「いーよな 若くて」「魔が差したんだ」

中には「息子よ」なんていうとびきりの名曲もある(ただし、歌詞は一筋縄ではいかない)。私は去年某所でこの曲を初めて生で聴いた時、切なくて泣いてしまった。本当に涙が流れてきたのを覚えてる。

すでにCMソングとしてテレビCMのバックに使われた曲もある。


アルバムに収められなかった曲の中にも、

「死ね!クリスマス」「死ね!バレンタイン」「俺はフォークが大嫌い」「俺はラブソングが大嫌い」「おやじの歌」

などの、快作が目白押し。
特に「おやじの歌」は、おかしくておかしくて、笑いすぎて腹が痛くなった。


で、17日のライブであるが、まずは「つかみ」が前代未聞だった。
料金は2500円だったのだが、ライブを始める前に

「僕らのライブが2500円だなんて高すぎる。その金に見合うだけのライブなんて出来ない。だから、あらかじめ1000円づつ皆さんにお返しします」

と言って、客全員に1000円づつ本当に返してしまった・・。
あきれるやら、オカシイやら、潔い(?)やら(爆)。

結局、私は藤岡藤巻の爆笑ライブを1500円で見たことになる。
しかも、客全員につまみもふるまっていた。
で、ライブは、夜7時半過ぎから10時過ぎくらいまで、たっぷり。

こりゃ~~、どう考えても、客の方が得でしょ。

ライブ全体の雰囲気は、かなりリラックスしたものであった。
その分、アットホームな雰囲気もあった。
やる気があるんだか無いんだかよくわからない藤岡藤巻のライブであるが、そこがまたいい。

ともかく、楽しさという意味ではピカイチのライブだった。
曲を知ってて見に行っても楽しめるが、曲を知らないで見に行ったら余計に楽しめる。
「藤岡藤巻」って、そんな妙なアーティストだ。
アーティストなんて呼んだら、本人たち、嫌がるかもしれないけど(笑)。

皆さんに紹介して広く世に知られてほしいような気もするし、紹介しないで我々ファンの間でだけひそかにとっておきたい・・そんな気持ちもある。






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