クリスマスを過ぎれば、一年は暮れてゆくだけ。
年末年始を皆さんは、どう過ごされる予定なのだろう。
長期休暇なので、里帰りする人もいれば、旅に出る方もいらっしゃるのでは?
外出すると正月料金で高いので、あえてどこにも出かけない方もいらっしゃるだろう。
正月は混んでる所はめちゃくちゃ混んでるし、空いてる所は本当に空いてる。
私は、いつもより空いてる東京のひっそりとした町の雰囲気は、案外好き。
まあ、皆、それぞれの正月。そして一年の始まり。
正月は、日本の伝統的な風習や習慣を目にすることが多く、あらためて、自分は日本にいる日本人なんだな・・と思ってしまうことが多々ある。
そんな時。日本人でよかったなと思えることって何だろう、どんな時だろう・・とふと考えてしまうことがある。
日本人でよかった・・と思える瞬間とは?
例えば、旅に出た時に、それを感じることがある。
で、旅のどんな時に、それを感じるかというと。
宿で畳の上を歩ける時だ。畳の上では靴を脱げるから。
もちろん、他にも「日本人でよかった」と思える点はある。
例えば、駅弁の存在、風呂上がりのトコロテン、古い宿のミシッミシッと足音がする板の間、露天で岩風呂の風情、など色んな点が上げられる。だが、今回は「畳」について書いてみたい。
外国では、靴を脱げるのはベッドの上か浴室しかなかったりする。
日本でも、洋風の宿だと、そうである。
旅先の宿では、私は洋間というのがあまり好きではない。嫌いというほどではないにしても。
旅先の宿が洋間だと、ちょっぴりがっかりすることはある。
だから、宿選びをする段階で、その点は確認するようにしている。
宿の選択肢が無い場合は仕方ないが、選択肢がある時は、和室がいい。
和室だと、靴を脱いで大の字になって畳の上に寝っころがることができて、この瞬間が実に極楽。
宿につくまでの行程が大変であればあるほど、極楽。
なんちゅうか・・靴を脱いだだけでリラックス度って、だいぶ違うんだ。
外国の人って、ずっと靴を履きっぱなしで疲れないのかな・・と、いつも思う。
靴を履きっぱなしだと、足は蒸れると思うのだが、いかがであろうか。
また、それだと足はけっこう臭くなるのではないだろうか。
靴を脱いだだけでもリラックスできるのだから、裸足になった時のリラックス度は、更なるものがある。
海外・・特に欧米あたりでは、裸足になることは野蛮・・という観念でもあるんだろうか。
だとしたら、それは文化の違いだから、しかたない。
でも、裸足でいられるということを野蛮とみなして、裸足になれないでいるのだとしたら、その文化をちょっと可愛そうに感じてしまう私は「偉そう」に映るだろうか。
日本の宿では、宿によっては風呂場の脱衣室も畳敷きのことがあり、これなど最高だ。
風呂あがりに、そのまま歩く畳の上は実に快感。
畳の持つ柔らかさ、そして多少ひんやりとした感触が、火照った体・・特に足の裏に心地よい。
そんな時は、その宿のサービスに感心すらする。
それだけでその宿の好感度はアップ。
仮に、なにかの難点がその宿にあったとしても、多少の難点など許せてしまうことすらある。
以前、宮島に旅した時に泊まった宿などは、風呂の脱衣所だけでなく、館内全てが畳敷きの宿だった。驚くなかれ、エレベーターの中にまで畳が敷かれていた。もちろんロビーも廊下も畳敷きだったのは言うまでもない。
つまり、宿の入り口でいったん靴を脱いでしまったら、スリッパ無しで館内すべてを歩けるのだ。
これにはちょっと感動した。
裸足で館内すべてを歩ける徹底ぶりには、強いポリシーも感じたし、客への配慮も感じた。
こんな宿は、そうそうないだろう。
裸足で畳を歩いている時、私は日本人であることを幸せに感じる。
日本のこの文化の中にいられるということを幸せに感じる。
で、この先どんなに時代が移り変わっていっても、この「畳」文化には日本に残っていってほしいとも思う。
世の中、新しいものが現れると、それに飛びつき、結果、過去のものが否定されたり衰退していったりする面がある。
新しいものは、それまでの過去のものより何がしか優れていたり改良されていたりする。便利だったりもする。
でも、だからといって過去のものを失えばいいってもんじゃないんだ。それぞれに、それぞれの良さはある。
とりあえず、畳と靴の関係に関して言えば、どうやら私は欧米人に生まれなくて大正解だったようだ(笑)。
だって、室内では靴、脱ぎたいもの。
まあ、ささいなことではあるのだが、その実、けっこう大きい。
これを読んでくださった皆さん、あなたは例えば、どんな時に「日本人でよかった」と感じますか?
え?納豆を食べてる時?みそ汁飲んでる時?メイド喫茶に入ってる時? 日本語が通じる時?
(ちなに、この日記で使用した写真は、その時の旅で訪れた宮島厳島神社)
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