時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

インディアン・サマー  by ポコ

2009年05月08日 | 音楽全般

このアルバムは、私にとって忘れられない名作。
私にとっては「心のアルバム」の中の1枚である。確実に。


とはいうものの、アルバムそのものを入手したのは2~3年前。
このアルバムを聴きまくってた70年代当時は、カセットテープで持っていた。
おそらく誰かから借りたかしたアルバムをカセットに入れて持ってたのだろう。

そのカセット、ともかくよく聴いた。
友人とドライブなどに行く時は必ず持って行ったっけ。
また、ウォークマンに入れて持ち出すことも多かった。
もしくは、自分なりのお気に入りの楽曲を集めた「オリジナル・ベストヒット」カセットを作る時には、このアルバムのタイトル曲「インディアン・サマー」は必ず入れていた。

このタイトル曲にインスパイアされて曲を作ったこともある。
それほど、惚れ込んでいたなあ。
ホント、この曲には多大な影響を受けた。
こんな曲を作りたくてモンモンしてた。
いつも、私の心のどこかには、この曲がある。今も。

穏やかで平和で、カラッと晴れ上がった青空の下に、大地が広がっているような風景が見えてくるイメージがある。

この曲を聴くと、友と郊外にドライブした時に見てた自然風景が頭の中によみがえってくるような気分になる。私にとっては、そんな「心の曲」のひとつだ。



でも、タイトル曲だけでなく、他の曲も粒ぞろい!
このアルバム、捨て曲無しの素晴らしさだ。
私がこよなく愛した「70年代アメリカンロック」の、一つの典型がここにはある。

なんでも、このアルバムは、イーグルスの「ホテルカリフォルニア」と同じ時期に発売されたアルバムだったようだ。
「ホテルカリフォルニア」は確かに素晴らしかったが、どっこいこのアルバムも負けないくらいに良い。

なんでイーグルスの名前を出したかというと・・。

この「インディアンサマー」というアルバムでは、イーグルス加入前のティモシー・シュミットがポコにいて、大活躍してるからだ。

ご存知のかたも多いだろうが、イーグルスは「ホテルカリフォルニア」発表後に、イーグルスのオリジナルメンバーであり、ベーシストでもあったランディ・マイズナーが脱退してしまった。

で、ランディの後がまとして、イーグルスのベーシストとて迎えられた・・・あるいは「引き抜かれた」のが、このポコのシュミットであった。


イーグルスといえば、メインはやはりドン・ヘンリーであり、グレン・フライである。この2人が中心のバンド。
シュミットは、イーグルス加入後は、どうしてもドンやグレンのサポート的な位置である。
あまり何曲もボーカルをとらせてもらっていないし、楽曲提供も少ない。
ドンとグレンがいたのでは、どうしても、活躍の場は狭まれてしまう。

だが、イーグルス加入前のポコでは、シュミットはバンドの中心人物の1人。
この「インディアンサマー」で大活躍している。
声もよければ、曲もいい。


・・そりゃ、バンドの知名度やステータスでは、イーグルスのほうが上。
でも、イーグルスに加入して、脇役になるよりも、ポコにいて中心人物でいたほうが・・・彼の音楽のためにはよかったのではないかな・・とも思ってしまう。
この「インディアンサマー」を聴いてると、特に。

このアルバムは、全9曲。
ただ、最後の曲「The Dance」は組曲みたいになっており、短めの曲4曲が繋がっている。曲の長さ的には、実質上は全10曲分くらい・・と言っていいだろう。

で、この9曲のうち、ポール・コットンが4曲を提供。
ラスティ・ヤングが2曲を提供・・とはいっても、前述のラスト曲「The Dance」組曲の構成曲はすべてラスティの曲なので、事実上は、担当量的には3曲分くらいは提供していることになるだろう。
で、ティモシーは3曲を提供。

それぞれのソングライターが曲を絶妙のバランスで持ち寄ってアルバムが完成している。

全体的にはカントリーロックで、そこがポコらしさってことなのかもしれない。

どの曲もいいが、ポールの「インディアンサマー」には私は相当な影響を受けたし(今でも、時代屋の練習の時には、遊びで、この曲のイントロを適当に自己流で弾いてしまうことがある。いわば、手くせのように私にしみ込んでいるフレーズだ)、ラスティの「The Dance」は広がりがあり、聴き応え満点の大作だ。アルバムのラストにふさわしい。この曲が最後に配置されてるおかげで、このアルバムの印象度はグンと上がっていると思う。

そして、シュミットの楽曲。3曲すべて大好きで、甲乙つけ難い。
どれも素晴らしい。声もメロディも。
彼の声が出てくると、その甘く優しい声に安ど感を覚えたり、しみじみと聴き惚れたり。
特に「Find out in time」という曲は、どこか郷愁すら感じさせる、涙涙の切ない曲だ。イントロなどに入るハモニカも効果的。


ポールとラスティは今でもポコのメンバーとして活動継続中のようだが、シュミットはゲストでポコに再び加わって、ポコのコンサートに参加したこともあるらしい。
だが、それは「正式加入」「正式復帰」ではない。
あくまでも、今のシュミットはイーグルスのメンバーである・・ということなのだろう。

だが、イーグルスは、07年に新作アルバム「Long Road Out of Eden」を発表した時、もう新作アルバムは発表しないかもしれない・・という趣旨のことを語っていたような記憶がある。

ならば、シュミットは、再びポコに戻って、活躍してもらいたい気もする。

で、「インディアンサマー」に収められていた彼の曲「Me and you」「Stay」「Find out in time」をポコの来日コンサートで演奏してほしい気がする。



ともあれ、イーグルスの「ホテル・カリフォルニア」と同時期に発表され、充実した内容だったにもかかわらず、あまり日本では知られていない、このアルバム。
ポコの「インディアンサマー」。

もっと知られてほしかったアルバムだった。
残念でならない。

私にとっては、イーグルスの「ホテル・カリフォルニア」に劣らぬ、珠玉の名盤。
傾向は違うけどね。


カントリー・ロック・フレーバーあふれるサウンドだった初期のイーグルスの音楽を愛する人には、お勧めしたい。


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