最近ふとした時に故郷の景色が何度も浮かぶ。親とは最近電話で話したばかりですぐかけつけるほどの心配事がないのは把握済。なんか
千葉に自分の身を置きたい願望なのかなぁと思っていたが時間と交通費と体力消耗を考えると二の足を踏むところもあり行くには至らなかった。
そんなある日、とある都営団地に住むお客様と契約。団地の共有廊下で書類の記載内容に漏れがないか確認していたところ、突然
強風が起こり、書類が飛ばされてしまった。最重要ともいえる名前、電話番号が書かれた契約申込書、薄い紙ぺら一枚がみるみるうちに姿を消し
た。
そこにお客様から電話が来て、書き直した別の書類をとりに来て欲しいとこと。パニックになりながらも客宅にもどり、書類を受け取って
放心状態になりながらとりあえず建物を飛び出す。薄紙なだけに風にさらされ、あっと言う間もなく建物の裏側にとばされ視界から消えたので
どこまで飛んでいったか見当もつかない。そもそもとばされた薄紙がしっかり着地するのを見届けるのは難しい。ただでさえ遠くまでとんでっち
ゃうから。でも目の前でどちら方面にいったかだけでもわかれば、探しにいく方角が絞れる。今回は7階の廊下だったので空中をさまよう時間も
長かったかもしれんが、客宅に引き返したり、7階からエレベーターでおりたりで時間もかかったので、もう空をさまよってはいないだろう。
パニックと絶望で、もうこの仕事は今日でやめることになるなぁと思いながらも建物の裏側に走る。探し場所の優先順位をつけながら
個人情報が風にとばされて紛失!でどこにあるかわからないといわれた時のお客様の心情を思うと、死んでお詫びしかないのかみたいな
考えまで浮かんでくる。会社が訴えられるかもしれない。
まずは団地の裏側の裏庭に目をやる。うっそうと雑草がしげっておりジャングルである。埋まってる可能性はなくもない。
薄紙の場合、素直に地面に着地するとは限りません。ふわふわとどこかの家のベランダに着地してる可能性もある。すべての部屋を1件
づつまわってベランダを見てもらう覚悟もしつつ。まずは裏庭に入る場所を探すために建物の外の歩道に出た。すると歩道の先に
書類らしきものが小さく見える。あれはもしや!!!!どうか私が駆けよるまでどこにも飛んで行かないで!!!!
全力疾走して近寄ると、あった!これだ!奇跡の再会が出来た。もう喜びというより放心状態。これで死ななくて済む、今日付け退職で
十字架を背負わなくて済む。もうへなへなとその場に座り込みたい気持ちを抑えつつ、改めてお客様が書き直してくれた
書類に目を通して間違いないことを電話連絡。良かったなぁ。
それにしてもだ。その日ずっと強風だったかと言えばそんなこともなかった。強風だったらはじめっから7階の共有廊下で薄い紙出そうなんて
思わないもん。でもこんなことは起こったのだ。書類の見直し場所は天気がどうあれ充分注意しなくては。なんとなく命拾いをした気持ちに
なった時、せっかくだから何か人のためにしようと思った、その時、まず浮かんだのはやっぱり老親のフォローだった。
すぐかけつけるほど重篤でなければ人手がいらないはずもない。週末を利用して帰省してみたら、ちょうど父が愛用のプリンターの調子が悪い
と困っているところだった。直し方を教えたらご機嫌で鼻歌がとまらない父。父にとってまさかのグッドタイミングのようだった。
その後は朝から夕方までせっせと家事手伝い。久しぶりにがっつり料理も作り、珍しく両親どちらからも好評で盛り上がった。
親とはあと何年いられるかわからないのにGWと盆と正月だけ行って顔見せてるだけだった。
行って良かった。
帰りに千葉駅で撮影。なぜか成田のゆるキャラ「うねりくん」にスポットがあたっているが、これはライトの位置の関係と思われる。
設置できる場所がここしかなく、もともとあったライトと相性いい場所にいたのがうねりくんだったんじゃないかなと推察したが
すっかり印象に残り、家で色々うねりくんを検索してしまった。おいしいな、うねりくん。
実は忖度があるのか真相は追わないけど人生も、今回の出来事もこれに通じるところがある気がする。偶然起こった事にチャンスを見い出してい
けるか、何かに繋げていけるかということ。幸せになるためには腐っちゃいけない。
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