【2018.09.16】
上掲の写真は、本日の15:00に鳴らす事ができたAMラジオ。
昨夜から実験を繰り返し、漸く鳴らす事に成功した。
「鉱石ラジオ」と呼ばれ、最も部品の少ない回路構成で電源も要らない。
音声は、昔懐かしいクリスタルイヤホンで聞く。
<コイルの実験>
今回、線を巻いたりほどいたりして、3種類のコイルを試して見た。
実験に使用した線材は、リッツ線と呼ばれる高周波特性の良い、アンテナ回路向けの線材。
線の外径は約0.5mmで、この中に0.04mmのエナメル線が150本も入っている。
芯線をむき出す作業は、150番位のサンドペーパーで挟んで外部被覆を除去する。
<ドラムへの巻き付け>
直径60mmのドラムへ6.5mのリッツ線を34回巻き。
インダクタンスの測定結果:70.3μH
<サランラップの芯へ巻き付け-1>
直径36mmの芯へ6.5mのリッツ線を54回巻き。
インダクタンスの測定結果:64μH
<サランラップの芯へ巻き付け-2>
直径29mmの芯へ巻き付け(巻き付け回数は数えていない)
インダクタンスの測定結果:54μH
<フェライトバーの影響力>
製作した「サランラップ2型コイル」の芯の内部に、フェライトの棒を出し入れしてインダクタンスの変化を測定してみた。
測定結果:54μH~668μHまで変化した。
難しい理論や数式は分からなくても、実験の結果からコイルの直径によるインダクタンスの変化する方向や、フェライトの作用などが実感できる。
<バリコンと組み合わせる>
パーツBOXに眠っていたバリコンを取り出して可変容量を測定してみた。
バリコンの容量の可変範囲:15PF~340PF
この値であれば、AMラジオに使えそうである。
このバリコンと、コイルを並列に接続してSSG(標準信号発生器)から1.5MHzの信号を入力してオシロスコープで波形を観測した。
バリコンをゆっくり回すと、オシロスコープの波形は素直に周波数特性を映し出した。
これは面白い、ラジオとして組んで聞いてみたい!
<鉱石ラジオとして組み立てる>
ブレッドボード上に、検波用ダイオード(1N60)を1本と検波出力側に470KΩの抵抗と0.01μFのコンデンサを配置した。
そのブレッドボードのダイオードの手前に、バリコンとコイルを接続して完成。
このラジオを鳴らす為には、アンテナとアースが大変重要である。
私は、アマチュア無線用のアンテナとアース設備が有るので問題は無い。
早速、接続して聞いてみる事とした。
<久々の感動>
午後3時、アンテナとアースを接続して、ゆっくりとバリコンを回してみる。
聞こえた!
鉱石ラジオらしく「蚊の鳴くような」小さな音だが、久々の感動である。
今日は祝杯をあげて、ぐっすり眠ろう。
私が、初めて鉱石ラジオを製作したのは、小学生の時だった。
「原点回帰」とはこの事か?
今日は、新たなスタートラインに立てた気がした。
<我が家のシュウメイギク>
庭のシュウメイギクが開花した。
生死に関わる様な、酷い暑さも影を潜めた。
これからの秋の夜長に、更なる実験を重ねて行きたいと思う。