2017年6月10日の投稿で紹介した色々なコイルの写真
【2021.12.4】
2017年6月10日に投稿した『誘導リアクタンスの測定』に2人からコメントが届いた。
4年以上も前の記事にコメントを頂けるとはありがたい。
今回、感謝の気持ちを込めて続編を投稿しようと思い立った。
<あれから4年以上>
当時のブログを読み返すと昨日のことの様に思い出す。
オシロスコープの波形を観測しながら、ブレッドボードのボリュームを神経を研ぎ澄ませて回した。
「4年も経つのに進歩するどころか、分からない事が増えた」と言うのが正直なところである。
だが、分からない事が増えた=進歩したという事か・・・と気を取り直した。
4年も経つと老化(加齢)も進んだ。
身体各部の機能低下も明らかに進んでいる気がする。
健康番組をよく見る様になったが「225と255を間違える」等は得意になった。
26年前には167cmだった身長も162.9cmまで縮んだ。
栄養、運動、睡眠には今後一層気を使って生きて行くことになる。
<当時の目的>
「コイルの振る舞い」を体感したかった。
「電流の周波数によって抵抗値が変わる」という不思議な現象に惹かれた。
コイルは「周波数連動型可変抵抗器」と言えると思う。
<当時の測定結果>
コイルは周波数が高くなると抵抗値(リアクタンス)が増える。
測定結果をグラフにすると右肩上がりになった。
下のグラフは理論値と実測値の比較である。
あの時は、この結果で満足だった。
ただ、理論値と比較すると各周波数で約50Ω低かった。
少々疑問は残るものの、原因については言及しなかった。
<今回の本題>
読者からのコメントの一つは理論値との差に関する質問だった。
貴重な問題提起だと受けとめた。
質問は「50Ωは計測器の内部抵抗ですか」という内容だった。
使用した計測器の内部抵抗は確かに50Ωだった。
そこで「50Ωは計測器の内部抵抗です」と回答してしまった。
この回答では理論値との差が計測器の内部抵抗によるものと捉えられてしまう。
「計測器の内部抵抗は50Ωです」としておけば良かったのだ。
今朝、お詫びと訂正のコメントを追加した。
抵抗とコイルの直列回路だから計測器の内部抵抗は関係が無い筈だ。
遂に4年前の疑問と向き合う時が来たと悟った。
そして、2人目のコメントが私の背中を押してくれた。
<回路シミュレーターで検証>
当時使用した部品を探したが見当たらない。
回路シミュレーターで調べてみると内部抵抗は関係が無かった。
では理論値との差の50Ωはどう考えれば良いのか・・
推論だが、コイルのインダクタンスが表示値(3.3μH)よりも小さかった可能性が考えられる。
測定結果から逆算すると約2.6μHだった事になる。
シミュレーションの結果は下のグラフで、上のグラフと似た特性になった。
実際の値は不明だが表示値よりも小さかったと推測される。
<お礼>
今回のブログのきっかけは、4年前の記事へのお二人からのコメントだった。
とても貴重な体験ができたと思っている。
熱心に読んでくださる読者の皆様にお礼を申し上げます。