雨に消える峠 ファスト・カー

2018-05-11 11:28:11 | ゆるポタ
睡眠もそこそこに和田峠に向かう。
タイム・トライアルは約半年振り。
実践は遠ざかっていたが、ジムでのトレは続けてきた。
気合十分で乗り出したものの



調布で雨が強くなる。
高架下で雨宿り。
天気予報では雨などなかった。一時的なものだろう。
弱くなったところで再出発。



おいっ!天気予報。完全な雨じゃないか。
山のほうの雲はさらに厚い。
府中で断念。



府中の森でじっと雨が止むのを待つ。
濡れたジャージが体温を奪う。



寒さに震えながら1時間ぐらいたたずむ。

ーオレの人生っていつもこうだよな、って思う。
良いことなんて何もなかった。そして、これからもない。

カモに話しかけても返事はない。

ーそんなことない。きっとよいことがある。

もし誰かに優しい言葉をかけられたら号泣しただろう。



このままだと心が壊れてしまうので、雨は止まないが、移動を決意する。
地図をじっと見る。

屋根があって、暖かくて、人がいて、食べ物があって
濡れネズミであるワイを受け入れてくれるところ



ここしかなかった。
まるでギャンブルには興味はないが、しょうがない。
予想通り、墓場のようなトコだった。



おじいちゃんばかり。年金が消えていく。



プリンスもびっくり。すげぇー趣味だな。

うどんを飲み干すと、体の震えも止まった。
外に出ると、
世界は美しく輝いていた。




もう峠は無理だが、まだ昼過ぎ。
まだ、ドコカに行ける。


Tracy Chapman - "Fast Car" (Official Music Video)




あなたのファスト・カー
私はどこかに行けるチケットが欲しい
ねぇ、取引しましょ
一緒に今よりましなトコへ行くのよ
どうせゼロだから、失うものはないし
二人なら何か生まれるはず
保障はできないけれど

覚えてる?
ドライブした時のこと
酔ったみたいにスピードを出して
街の光が目の前に広がって
腕が肩に回って、それが心地よくて
ココが私の場所だな、って
別の誰かになれる気がしたの
誰かに、誰かに

あなたのファスト・カー
ここから飛び出せるほど、速いのかしら?
ねぇ、そろそろ決めましょう
今夜、出て行くか、
それとも、死ぬまでこのまま、か。