国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

あり得ない暴走事故の話。

2016-03-23 22:09:27 | 国鉄思いで夜話
1970年の古い鉄道ピクトリアルを見ていて非常に珍しい事故があったと書かれていましたので、ちょっと紹介してみたいと思います。

それは、モーターの部品が壊れて電車が暴走したという話です。

事の起こりは、昭和45年5月18日16時45分頃、総武線千葉発三鷹行1641B電車(6M4T10両編成)が幕張を発車し約80キロで惰行運転中、運転士が運転室の知せ灯の消灯(運転中にドアが開いたりすると消灯)に気付き非常ブレーキを掛けたそうですが停止せず。
さらに、車掌は進行右側の車ドアが全部開いたことに気付き、非常スイッチ・車掌弁を引いたがこれも効果が無かったそうで津田沼を約50キロで通過。
さらに、運転士・車掌は停止に奔走し運転士は手ブレーキを締めたり、ブレーキ管肘コックを開いたりし、車掌も手ブレーキを締めるなどあらゆる手段を講ずるも効果がなく、船橋、さらに西船橋も通過し、先行電車を認めたため窮余の策としてパンタを降下したところブレーキが効き始めて下総中山を約30m行過ぎてようやく停車したとのこと。
先行車両に衝突することなく電車は停車したのですが、その原因は、モーターに使われている撓み板が壊れてジャンパー線に刺さって制御回路を短絡、主回路の電流が切れなかったという事故があったそうです。
ただ、この事故は非常に珍しい事故であったそうで、当時の記事によりますと。

画像 wikipedia

> タワミ板の運転中の折損は昨年度に5件もあるが、10年以上も走っている101系の、何百万回あるいほ何千万回にたった1度のレアケースが今回の出来事で、むろん国鉄の長い歴史のなかで初めての事故である.

四角の板の部分が撓み板

それによると、5月27日には、今後の方策として「タワミ板の改良」と運転中におけるパンタの降下基準などを骨子とする対策を運輸省に提出したそうです。

参考 http://www.tawatawa.com/
4、中空軸平行カルダン駆動方式

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