改めて、寝台列車は、もしくは夜行列車と呼ばれる夜間移動の列車は必要か否かを検討してみたいと思います。
以下はあくまで私見ですので、それに関して多くのご批判をいただければ幸いです。
私自身こうして改めて考えるまでは、寝台列車の存続には否定的でした。
今も基本的には変わっていませんというか、昨今の生活レベルで考えた時に、車内でWifiも使えない列車は、ビジネスマンにとってメリットは有るでしょうか。
現在のビジネスマンの行動パターンを考えれば、新幹線もしくは飛行機で日帰り、または新幹線&ホテルの宿泊が一般的で、夜行列車に乗って移動するというビジネスマンはどれほどいるのでしょうか。
実際には、私の様に財政的に余裕が無い場合は、夜行バスを利用するのですが、そうした安く行きたいという需要は少なからずありますし、バス運賃も高騰しており、以前のように夜行バスで東京~大阪が3000円と言った格安旅行はもう現れることは無いでしょう。
そうした、消えてしまった需要をもう一度掘り起こすには、現在、「急行はまなす」などにみられるような、座席車+ゴロンとシートのようなカーペット車は十分な需要があると思われます。
いささか古い記事ですが、2014年01月10日の 日経TRENDYの記事
ついに廃止! 最後のブルートレイン「あけぼの」“激セマ個室寝台”を堪能
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20140106/1054385/
これが、鉄道ファンではない人の一般的な感想ではないでしょうか。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20140106/1054385/?ST=life&P=2
> 今回予約したのは、1人用B個室寝台「ソロ」。2段ベッドが向き合わせで並ぶ通常のB寝台と同じ6300円でプライベートな空間が確保できる“お値打ちクラス”。そう思っていたが、部屋に着いたとたん「これは失敗したかも」と思い始めた。
>
> とにかく、狭いのだ。
鉄道ファンにしてみれば、お気に入りかもしれない「ソロ」ですが、このような激辛な批評が並んでいます。
5ページ目では、結論として、
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20140106/1054385/?ST=life&P=5
> 今回乗車したソロはとにかく狭いのでおすすめできないが、今後これだけ狭い個室は登場しないと思われるので、話のネタに乗ってみるのはアリだ。
鉄道ファンが、需要はあるとか、残すべきだと声高に叫んでも、そこにニーズも継続性もなければ運行は不可能になってしまいます。
まして、寄付金で運行できるほど鉄道の運営は簡単ではありません。
それは、C62ニセコ号を復活運転させたJR北海道がそれを証明しているではありませんか。
企業の寄付などを募ってもそれで、企業にとってもメリットが無ければそれで終わりですから、次は期待できません。
まして、民間企業であるJRに、それを求めることは本末転倒でしょう。
今回も東武にC11をJR北海道が貸し出したと話題になっていましたが、これも考えようによってはJR北海道が機関車を貸しだすことで手数料収入が入ることを狙ったものと言えましょう。
画像 wikipedia
個人的な見解では、定期列車として寝台列車を走らせるのであれば、現在水準ではカシオペアクラスでないと難しいと思います。
私なりに考える、現在水準の寝台列車は、カシオペア級の寝台車+ゴロンとシートというのが一般的な適性解ではないかと考えます
現在は酷評される、ソロですが。開放式寝台ではプライバシーが保てないから嫌という当時のバブル時代の要請から生まれた車両ですが、今となっては、すでに時代遅れになっているということです。
いまどきの車両で、Wifiも携帯の充電のための電源コードも無いような個室が喜ばれるとは思えません。
前回も書きましたが、現在のライフサイクルが短くなっているのに対して、鉄道車両のライフサクルは3倍位大回りしていますのでどうしても時代遅れになってしまうということです。
それを避けるためには、一般のライフサイクルに合わせて10年程度で大幅にリニューアルを行う、そのためには改造しやすい構造のモジュール構造にするなど設計自体から変更する必要もありそうです。
日立のA-Train方式に見られる、自立型内装構造などにより、比較的容易に内装を変更できるような構造が必要になってくるかもしれません。
話が飛躍しすぎましたが、現在の基準で寝台列車を残すのであれば、下記の3つの点をクリアする必要があると考えます。
一つは、寝台車のレベルを全体に嵩上げすること。(現在のカシオペアのロイヤル以外の個室(A寝台をB寝台に格下げ)カシオペアスイートがA寝台と言うレベルにしないと今のレベルではすでに時代遅れと感じます。
また、10年程度(2全検)を目処に内装を大幅に更新できるような車内構造等を行うことも必要かもしれません。
二つ目は、そうした車両の導入に際しては、総合交通体系の観点から政府などの助成金を導入すること
三つ目は、昔の夜行列車に学び安く移動できるためにサンライスのカーペット車のような車両を導入して、全体の輸送定員を確保することで収益性を改善すると言った問題をクリアすべきではないでしょうか。
明日は、他事業者とのコラボレーションについて考えます。
今年の4月に翌朝大阪での早朝のアポのため、ホテルの予約ができなかったために、やむなくドリーム号に東京から乗ったことがあります。ちょっとグレードの高い車種ではありましたが、熟睡などできず、しかし時間通りに大阪に着き、寝不足と戦いながら無事に任務遂行できました。こんなときに、夜行列車が定時運行に優れ、かつ居住性も申し分なく、さらにローコストで運営されているならば一定の需要があるのかな、と考えます。ただ今の東京大阪間は、JR3社にまたがるがゆえ現在の運賃体系や精算の仕組みではどこもやらないと思いますし、可能ならホテルと新幹線利用を勧め、夜行で格安で行きたければ、高速バスへどうぞと言われるでしょう。頑張っても収益にならないことにカネと労力は3社ともかけないでしょうし、JRでなくても採算性の低いことに飛び付くことはないでしょう。
※他の方も指摘されていますが、誤字脱字が多いですね。ジャーナリストを名乗るならきちんと推敲してください。もったいないですよ。